町山智浩 2013年 集英社文庫版
著者のことはなんにも知らなかったんだけど。
某専門チャンネルで、ちょっとめずらしい映画の解説を、実にあざやかにしてるのを見て、気にするようになった。
特に『泳ぐ人』って映画の謎解きは、そうなんだー、って感心させられたし。
で、いろいろ著書もあるらしいってことわかったんで、なにか読んでみようってことにした。
まずは、同じような映画解説のものなら間違いあるまいと思って、文庫売場で選んだのがこれ。
すごいタイトルだけどね、トラウマ映画館とは、いったい、と思ったもんだが。
とりあげられてる映画は、主に1960年代から70年代前半のもので、要は1962年生まれの著者が中学生ぐらいのときに観て、トラウマになるような衝撃を受けたものってことで。
それもすごいのは、こういう映画をふつうのテレビ地上波でやってたってことで、いやー、なんでもありの時代だったんだよね、そのころは、特撮ドラマの歴史なんかをかえりみてもそういう感想もつときある。
本書しょっぱなの『バニー・レークは行方不明』は、つい最近そのチャンネルで著者の解説つきで観たんだけど、とてもおもしろかった。
『MASTERキートン』に、まんまそっくりの話があるんだけど(第6巻『青い鳥消えた』)、こんな元ネタがあるとは知らなかった。
で、この有名でもない映画、なぜにおもしろいのかってのをキチッと解説してくれてるんで、あまり映画に詳しくない私でもおもしろい。
ほかの映画も観たことないのばかりだが、観たいような観たくないような、というのは必ずしも愉快そうぢゃないのばかりなんで。
映画ってのはとにかく2時間くらいワーッと駆け抜けてスッキリするのがいい、見終わって考え込むようなことはしたくない、ってのが私の映画観なので、ちょっとムリかな。
しかし、この文庫の巻末解説読んでわかったんだけど、著者の映画解説がいいのは、トラウマなんて言いつつ、自分の主観をやたら力説したりすんぢゃなくて、映画史をふまえたり他の作品とも比較してくれるとこ。
いろんなこと、よく知ってるなー、と思う。
1 「消えた旅行者」は存在したのか? 『バニー・レークは行方不明』
2 孤高の鬼才が描く、アイドルの政治利用 『傷だらけのアイドル』
3 人間狩りの果てに言葉を超えた絆を 『裸のジャングル』
4 『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い 『肉体の悪魔』『尼僧ヨアンナ』
5 世界の終わりと檻の中の母親 『不意打ち』
6 ハリウッド伝説の大女優、児童虐待ショー 『愛と憎しみの伝説』
7 少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス 『悪い種子』
8 あなたはすでに死んでいる 『恐怖の足跡』
9 奴らは必ずやって来る 『コンバット 恐怖の人間狩り』
10 初体験は水のないプールで 『早春』
11 古城に吠える復讐の火炎放射 『追想』
12 人間対アリ、未来を賭けた頭脳戦 『戦慄! 昆虫パニック』
13 残酷な夏、生贄のかもめ 『去年の夏』
14 核戦争後のロンドンはゴミとバカだらけ 『不思議な世界』
15 アメリカが目を背けた本当の「ルーツ」 『マンディンゴ』
16 ヒルビリー、血で血を洗うご近所戦争 『ロリ・マドンナ戦争』
17 深夜のNY、地下鉄は断罪の部屋 『ある戦慄』
18 メーテルは森と湖のまぼろしの美女 『わが青春のマリアンヌ』
19 真相「ねじの回転」、恐るべき子どもたち 『妖精たちの森』
20 十五歳のシベールは案山子を愛した 『かもめの城』
21 サイコの初恋は猛毒ロリータ 『かわいい毒草』
22 聖ジュネ、少年時代の傷 『マドモアゼル』
23 二千年の孤独、NYを彷徨う 『質屋』
24 復讐の荒野は果てしなく 『眼には眼を』
25 誰でも心は孤独な狩人 『愛すれど心さびしく』
著者のことはなんにも知らなかったんだけど。
某専門チャンネルで、ちょっとめずらしい映画の解説を、実にあざやかにしてるのを見て、気にするようになった。
特に『泳ぐ人』って映画の謎解きは、そうなんだー、って感心させられたし。
で、いろいろ著書もあるらしいってことわかったんで、なにか読んでみようってことにした。
まずは、同じような映画解説のものなら間違いあるまいと思って、文庫売場で選んだのがこれ。
すごいタイトルだけどね、トラウマ映画館とは、いったい、と思ったもんだが。
とりあげられてる映画は、主に1960年代から70年代前半のもので、要は1962年生まれの著者が中学生ぐらいのときに観て、トラウマになるような衝撃を受けたものってことで。
それもすごいのは、こういう映画をふつうのテレビ地上波でやってたってことで、いやー、なんでもありの時代だったんだよね、そのころは、特撮ドラマの歴史なんかをかえりみてもそういう感想もつときある。
本書しょっぱなの『バニー・レークは行方不明』は、つい最近そのチャンネルで著者の解説つきで観たんだけど、とてもおもしろかった。
『MASTERキートン』に、まんまそっくりの話があるんだけど(第6巻『青い鳥消えた』)、こんな元ネタがあるとは知らなかった。
で、この有名でもない映画、なぜにおもしろいのかってのをキチッと解説してくれてるんで、あまり映画に詳しくない私でもおもしろい。
ほかの映画も観たことないのばかりだが、観たいような観たくないような、というのは必ずしも愉快そうぢゃないのばかりなんで。
映画ってのはとにかく2時間くらいワーッと駆け抜けてスッキリするのがいい、見終わって考え込むようなことはしたくない、ってのが私の映画観なので、ちょっとムリかな。
しかし、この文庫の巻末解説読んでわかったんだけど、著者の映画解説がいいのは、トラウマなんて言いつつ、自分の主観をやたら力説したりすんぢゃなくて、映画史をふまえたり他の作品とも比較してくれるとこ。
いろんなこと、よく知ってるなー、と思う。
1 「消えた旅行者」は存在したのか? 『バニー・レークは行方不明』
2 孤高の鬼才が描く、アイドルの政治利用 『傷だらけのアイドル』
3 人間狩りの果てに言葉を超えた絆を 『裸のジャングル』
4 『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い 『肉体の悪魔』『尼僧ヨアンナ』
5 世界の終わりと檻の中の母親 『不意打ち』
6 ハリウッド伝説の大女優、児童虐待ショー 『愛と憎しみの伝説』
7 少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス 『悪い種子』
8 あなたはすでに死んでいる 『恐怖の足跡』
9 奴らは必ずやって来る 『コンバット 恐怖の人間狩り』
10 初体験は水のないプールで 『早春』
11 古城に吠える復讐の火炎放射 『追想』
12 人間対アリ、未来を賭けた頭脳戦 『戦慄! 昆虫パニック』
13 残酷な夏、生贄のかもめ 『去年の夏』
14 核戦争後のロンドンはゴミとバカだらけ 『不思議な世界』
15 アメリカが目を背けた本当の「ルーツ」 『マンディンゴ』
16 ヒルビリー、血で血を洗うご近所戦争 『ロリ・マドンナ戦争』
17 深夜のNY、地下鉄は断罪の部屋 『ある戦慄』
18 メーテルは森と湖のまぼろしの美女 『わが青春のマリアンヌ』
19 真相「ねじの回転」、恐るべき子どもたち 『妖精たちの森』
20 十五歳のシベールは案山子を愛した 『かもめの城』
21 サイコの初恋は猛毒ロリータ 『かわいい毒草』
22 聖ジュネ、少年時代の傷 『マドモアゼル』
23 二千年の孤独、NYを彷徨う 『質屋』
24 復讐の荒野は果てしなく 『眼には眼を』
25 誰でも心は孤独な狩人 『愛すれど心さびしく』