many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ひのまる劇場

2010-09-30 21:17:45 | 江口寿史
江口寿史 1981年 集英社 ジャンプコミックス(全2巻)
きのうのつづき。
なんか名探偵が出てくるマンガないかなって、探したら、シリアスなのは見つからず、江口寿史のこれ
“パイレーツ”の終わったあと、始まった江口の連載第二弾、もちろんギャグマンガ。
主人公は、名探偵・白智小五郎(しらともこごろう)、これが「はくち」と読まないところから既にギャグなんだけどね。
助手の戸田光国と探偵事務所を開いて、数々の難事件をめぐって、ドタバタを繰り広げ、アドリブギャグはもちろん、妙に不思議な間があって、面白いんだけど。
連載は比較的短期間、単行本2巻分で終わっちゃった。第1巻・怪盗マウスキッドの巻が12話、第2巻・主役はどっちだ!!の巻が9話。
けっこう面白かったんだけど、探偵事務所のご近所さん=鈴木家の「すし丸」(←男子名)が刑務所から出所して、主人公の座を奪ってからは、なんかいまいちだと思う。
絵が“パイレーツ”より少しポップになった感じがあって、好きだったんだけどね、私は。
「息ぬきのページ」とか言って、ぽっぽっ♪ぽー♪ わにぽっ♪ぽー♪ なんて殿様が歌う、背景がない白いページまでもが面白い。
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シャーロック・ホームズの帰還

2010-09-29 22:36:29 | 読んだ本
コナン・ドイル 延原謙訳 昭和28年 新潮文庫版
おとといのつづきということで、名探偵シャーロック・ホームズにご登場願う。
持ってるのは、昭和55年の46刷。ホームズは新潮文庫版で全部読んだんだけど、同時期に一挙に読んだと思う。
で、まあ順番に採りあげてもいいんだけど、今回は『踊る人形』の入ってる、これにしてみました。
というのも、ポーの『黄金虫』には、宝の隠し場所を記した暗号文が出てくるんで、それ読んでホームズを思い出したからです。
『黄金虫』には、「53‡‡†305))6*;…」みたいな記号がいっぱいの暗号が出てくるんだけど、主人公ルグランはこれを英文と仮定して、記号ひとつにアルファベット一字が対応するものと見当をつけて、解いていく。
そのときに出てくる理論が、
英語でもっともしばしば出てくる字はeだ。それからaoidhnrstuycfglmwbkpqxzという順序になっている。しかしeは非常に多いので、どんな長さの文章でも、一つの文章にeがいちばんたくさん出ていないということは、めったにないのだ。
っていうやつ。eを手がかりに、単語を探し、ほかの文字も推定していく。
で、ホームズの『踊る人形』も同じ。人形の絵ひとつが一文字を表している暗号を解くのに、同じ方法をとります。ここに出てくる暗号文は非常に短いものばかりなんだけど、
最初の暗号文の十五の人形のなかに、同じものが四つあります。だからこれをEと押さえるのは、不合理ではありません。
とか何とか言って、解いてしまう。
物語の冒頭、例によって、何の話もしないまま化学実験の片手間にワトスンを観察して、「そうすると君は、この南阿株券へ投資するのは止めにしたんだね?」とか胸のうちを当てるとことか、なかなかホームズものらしいところいっぱいで、好きな短編ではあります。
コンテンツは、
「空家の冒険」 The Empty House
「踊る人形」 The Dancing Men
「美しき自転車乗り」 The Solitary Cyclist
「プライオリ学校」 The Priory School
「黒ピータ」 Black Peter
「犯人は二人」 Charles Augustus Milverton
「六つのナポレオン」 The Six Napoleons
「金縁の鼻眼鏡」 The Golden Pince-Nez
「アベ農園」 The Abbey Grange
「第二の汚点」 The Second Stain
どういうわけか、新潮文庫では、「ノーウッドの建築士 The Norwood Builder」「三人の学生 The Three Students」「スリー・クォーターの失踪 The Missing Three-Quarter」の三つは外されちゃってて、別の短編集に入れられている。
こういうのは、ちゃんと原典と同じ構成、同じ順序で収録してほしいなーと思う。
なんせ、いちど12話を書いて一段落としたところに、読者からの要望があって、しぶしぶもうひとつの「第二の汚点」を書き足したから、13の短編という本になったという逸話もあるんだから。
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雨のなか、キリーンと

2010-09-28 19:37:53 | 馬が好き
また失敗したと思った。
通常、私の乗馬は、月曜か火曜のどちらか。で、先週は暑い日のほうに乗馬する破目になったんだけど、今週は、月曜本降り・火曜のほうがちょっとマシって予報をみて、スケジュール決めたのに、今朝の6時くらいは音を立てて降るような雨だった
「このままだったら休みだな」と思っていると、9時前には少し雨脚弱くなり、空の雲も少し薄くなった。これならいけるだろ、依然として天気予報は一日雨だけど、「これで始めて途中から降ってきたらしゃーない」と思って出かけてく。
1年前の私なら、「こんな日に馬乗って落ちてドロドロんなったらシャレならん」と部屋で寝てただろうね。要は、慣れです

そしたら、キリーンが待っていてくれた。キリーン、最高! 一度しか乗ったことないけど。こんなに乗りやすい馬は、なかなかいない
馬房から出そうと、馬栓棒に手をかけたら、なんのつもりか知んないけど、奥から出てきて、ひとの手を舐めたりする。ひとの手をナメたりする馬は、かわいいよ しばらく付き合って、ペロペロするのを遊んでてやる。私はいいんだけど、甘やかしてあんまりヘンなクセとかついて、そのうち誰かが間違って噛まれても困るんで、適当なとこでヤメる。そう言やぁ札幌のポニーは、私が何か隠し持ってんのを知っててポケットを噛んだりしてきたなぁ。乗馬ズボンのときは引っ張ってもいいんだけど、スーツんときはダメって教えたかったんだけど、馬はそんなことお構いなしだ。

閑話休題。鞍つけて、ハミまでつけたとこで、また雨がポツポツ降ってきたんだけど、どうせこれ以上たいしたことにはならんだろと馬場に出ていく ここまできたら気合いだ。
常歩で大きくグルっと馬場を歩く。ふらふら内に入りこんだり、隅角で勝手にショートカットしない、真っ直ぐラチ沿いをキッチリ歩く。キリーン最高!性格がマジメなんだね、きっと
ときどき馬上体操。私の馬上体操は、両膝を上げたり、脚を大きく前後に振ったり、股関節動かそうとすることしか、しないんだけど。
常歩で輪乗り、ちゃんと丸になってるか確かめつつ、せっせと歩く常歩をこころがける。
一周したところで、輪乗りの手前を変える。真ん中で二つ巴(韓国の国旗の真ん中にあるようなやつ?)を描くようにして、逆回り。これがキレイにできると妙に自分に納得する。
では、速歩。軽速歩で、グルグル。ときどき巻乗り。わりとすぐ手前を替える。
小さい馬場だと斜めに手前を替えまくるんだが、大きな馬場でどこでどう替えるか、広すぎていつも迷う。今日は、一回巻乗りして、そのまま2周目の巻乗りで先程の二つ巴を描いて輪乗りの手前を替えて、蹄跡から戻るというヘンな替え方をしてみる。広いんでね。
歩度を詰めたり伸ばしたり、だいぶ人馬ともにウォーミングアップできたとこで、また輪乗りで姿勢を直すことに取り組む
「爪先をもう少し進行方向に。爪先開くとヒザも開きますよ」
今日も言われたんで、ふくらはぎの馬体への密着をテーマに、爪先を前に向ける。
下腿部っつーかカカトを馬の腹につけようとしちゃうと、がにまたみたいになって、ヒザが開いて、爪先が開く。それを爪先前に向けようとすると、そのまま前にはなかなか向かずに、ヒザのとこだけ締めるようになっちゃう。脚の向きだけ素直に直せばいいのに、意識するとムダな方向に力が入るのが避けられず。ヒザに内向きに馬体を挟むような力入っちゃうと、アブミをちゃんと踏めなくなっちゃう
どーでもいーけど、こないだっから、うまい人の障害飛んでんのとか見ると、私のアブミの踏み方はずいぶん深いな、みなさんそんなベタっとした踏み方してないじゃん、ってことに気づいている。また、初歩の初歩からやり直しだ
んで、やっぱ姿勢直そうと思うと、アブミはかないのをやる。アブミはかないと、ドスドス揺れる馬のうえで、なんとかバランスとろうとして、脚がフラフラする。力抜いて乗ってればいいのに、逆にヒザがあがったりする。上体が前かがみにならないように、少し頭を後ろにしようとすると、上体が後ろにいったぶん、足が前に上がる。これぢゃまるで運動音痴、つける薬がない
そうぢゃなくてー、ヒザを下げるんだよ、と自分で意識する。ふくらはぎで馬体に密着して爪先を前向きに。踵からつま先にかけてに意識を向けると、そこに力が入って、脚が自然に伸びずにヒザを曲げて縮めようとしてしまう。そうぢゃないったら。
でも、人間なかなか「ヒザを下げる」という動作はできないよぉ。ダッシュすんのに、ヒザを胸まで引き上げてみたいな訓練はするけど、ヒザを下げる運動って、ちょっとない。
前に長距離を走ることに取り組んでたとき、瀬古利彦が80年代の自分にとってはヒーローだったんだけど、あの走り、上下動が少なそうでスムーズに進む走りを実現するためのイメージとして、「(前に踏み出した足を)ヒザから着地する」ってのがあったな。あれくらいぢゃないかな、ヒザを曲げるんぢゃなくて下にってのは、とか考えながら輪乗りする。
こんどアブミ履く。アブミ履かないと、自然に身体の真下にあったカカトが、アブミ履いたがために、踵を下げようという力が入り、足の裏を前に向けるようにっつーか、足を突っ張る形で前にやるから、位置が前にいってしまう。そうぢゃないってば
アブミの長さひとつ伸ばす。アブミ履くとまた脚に力が入って、ヒザが上がる。ヒザが上がったら脚正しく使えない
そんなこんなを、あれこれ一所懸命やってる間、キリーンは、黙々と同じ大きさで一定のペースで輪乗りしてくれる。キリーン、最高!
そうしたら、適当なとこで脚の修正すんのいい加減あきらめて、駈歩へ。
と言いつつ、駈歩も一緒。油断すると、ヒザ開いちゃう、スクーター乗ってんぢゃないんだからさ。
外側の脚をちょっと引くんだけど、両足とも爪先を開かないようにして、ふくらはぎで密着。
駈歩の輪乗りを詰めたり開いたり。この馬に乗ると、わりと簡単にできるような気がする、キリーン、最高!
手綱がどうとか、脚がどうとか、あまり細かいことを意識するより、行きたい大きさの輪乗りの先に視線を持ってくことが肝要。自転車の両手放しと同じ、視線を持ってけば、何だかわかんないんだけど行きたい方向へ曲がるもんなんである。曲がるのは馬なんだけどね、そこはそれ、何となく伝わるもんなんである。ただし、視線を下に落とさないように注意。
輪乗り小さくしても、駈歩がしっかり持続するように動かす。輪乗り開いてって、最後は解いて蹄跡をまっすぐ、歩度を伸ばして走る。
なんかまだ爪先の向きに納得できないんで、もう一度速歩。こんどは馬場を大きくまわって、アブミに立つ。アブミに立ったら、ヒザを曲げて外向けようったって出来っこないし。
それでも、爪先を前に向けようとすると、ヒザが内に閉まるような気がする。スクワットするとき、ヒザを内や外に曲げたりしないだろうが。ヒザを狭めるんぢゃなくて、股関節からぐりんとローリングさせるんだってば。

ぢゃあ、障害やりますか。
前回、キリーンで障害飛んでないんだけど、なんの心配もしてない。なんせ最高だから、キリーン
あいかわらず、アブミ長いまんま、速歩でクロスに向かう。まっすぐ向かって、あ、ちょっと弱いか? 飛ぶ。次からは、障害の前2,3歩、ギュッと推進してってみる、念のためにね。
何回かやって、高さも徐々に上がるけど、真っ直ぐ向かってって、踏み切りも安定してて、飛んだあとも勝手に走ることなく冷静、いいねえ
バーは垂直、70センチくらいになる。速歩の助走は速くもならず遅くもならず、馬の真上にいるだけでいい、飛越、ポンポン
ぢゃあ駈歩でいきますか。

一回目は、適度な間隔で置いてある地上横木5本を、駈歩で駆け抜けていく。一定のリズムで、上でバタバタしない、ふくらはぎで密着、走りぬける
ぢゃあ、最後の一個を垂直にして、と。回転のところから障害をよく見て、前に出していく、あーいいなー、思ったところを通っていけるよ、この馬乗ってると、障害に向いて、トントントントン、ジャンプ
何回かやる、障害の高さは少しあがるけど、何の問題もなし。飛んだあとも、しっかり坐るようにして、どっちの手前で次いくか(手前替えるか=シンプルチェンジ)冷静に判断する余裕あり。キリーン、最高!
ということで、練習終了。例によって、激誉め

課題はいっぱいあるんだけど、まあ乗ってりゃ、それだけで、それなりに楽しい。
終わったあと、昼前からまた本格的な雨。いいタイミングで終わったねぇ。

あしたの早朝、グッドリーズンは千葉県勝浦(国体)へ出撃
金曜日の試合は、できたら観に行きたいと思ってる。
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黒猫・黄金虫

2010-09-27 17:09:54 | 読んだ本
エドガー・ポー 佐々木直次郎訳 昭和26年発行・昭和52年改版・新潮文庫版
きのうのつづき、もう一冊ポーの短編集。
持ってるのは昭和56年の54刷。
当時の読書の前後関係とか憶えちゃいないんだけど、たぶんシャーロック・ホームズなんかを熱心に読んだあとに、このへんに向かったんぢゃないかと思う。
収録作は、「黒猫」「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」「メールストロムの旋渦」「黄金虫」。
きのうとりあげた短編集に入ってた「早すぎる埋葬」ってのは、生きてるうちに、死んだんだと間違われて、墓に埋められちゃう恐怖を書いた話なんだが、読み返してて、あれぇ?こんな話だっけぇ?と、ボンヤリとした記憶を呼び起こしつつ確かめてたんだけど、今日こっちをパラパラとめくってたら、「アッシャー家の崩壊」と自分が混同してたことに気がついた。
ガキのころは、どこに何が書いてあるか即座にページを繰ることができて親に感心されてたんだが、最近はなかなかそうもいかん
それにしても、このブログで、むかーしの本を引っぱり出すのはいいが、死ぬまでにすべての本を読み直す時間はないなぁ(根気もないだろうなぁ)と思うと、残りの人生どう生きようかなーとジッと手を見て考えてしまう
(雨の月曜日はとかく内省的になるもので。)
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モルグ街の殺人事件

2010-09-26 21:53:53 | 読んだ本
エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳 昭和26年新潮文庫版
持ってるのは、昭和52年の40刷改版。
私の持ってる本のなかでも、すごく古い感じがする。紙が変色してるし。
悪夢にうなされる系(?)を探してて、たまたま見つけた文庫本。
収録作は、「モルグ街の殺人事件」「落穴と振子」「マリー・ロジェエの怪事件」「早すぎる埋葬」「盗まれた手紙」。
このなかで、今回、私のアンテナに引っ掛かったのは「早すぎる埋葬」なんだけど、どんな話かは、私がグダグダ書くよりも読んでもらったほうがいいと思います。恐い話なんだけどね。
でも、この文庫本を読んだのは、「モルグ街の殺人事件」を読むためぢゃなかったかな、って思います。
すべての、いわゆる推理小説に出てくる、私立探偵の元祖というか何と言うかは、この作品のC・オーギュスト・デュパン氏を嚆矢とするって聞いたもんでね。
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