乗馬にいく。
クリスマスは関係ない。きょうが今年最後の練習日なんで、行くっきゃない。
最近「乗ってるんですか?」と訊かれると、「週イチだし、乗ってるうちに入らない」と答えることが多い私。
回数だけの問題ぢゃなくて、やってる内容もね。基本的なこと、うまく修正できたら、来年はステップアップしたいんだけどなあ。
ことし最後にあてがわれた馬は、ギルデッドエージ。
苦手だなあ、この馬。ことし新たに乗ることになった馬のなかで、いちばん苦手かも。まともに乗れたこと、ないよ。うまく前に出せないし、拳をつかおうとすると止まっちゃう。
部班に入ると、3頭の先頭に押し出される。知ーらないよ、この馬で先頭つとめられるか、俺。
常歩は元気いいんで、そのままプランプランの手綱だけど、とにかくまずは前に出てくれることだけを願いつつ、速歩へ。
とにかく前へ。馬のアタマの位置とか、こだわらない。もしアタマ下げたほうが動きやすいんだったら、肩より下にハミを置いてでも、そこへぶつけてくようにして、とにかく前へ。
意外と動く、ちょっと速いかなと思うけど、後ろのことを気ぃ使う余裕はない。
隅角では内に入ってきそうなので、外に圧しだすようにする。
「拳を引くと、ブレーキになっちゃうので、そうならないように。手綱開くときは、導いてあげる感じで。」
言われて、手を前に出すつもりを強くする。
蹄跡から、左へ曲がって右にまた曲がるときとか、巻き乗りするときとかに、「左右の拳をバラバラぢゃなく、連動(?同調だっけ?単語忘れた、まあ、そんな感じだ)させるように」と言われて、ん!?外がジャマしてるか、って次第に気づく。
(※12月26日追記 違うな、もっと平易な表現だったような気がするな、先生の言葉は。「左右を関連づけて」だったかな。)
内は開いて、外はカベにするイメージのつもりだったんだけど、なんか引いてジャマしてるような気がしてきた。
自分のヒジから手先、その先の手綱、それが含まれる面でつくるボックスのなかに馬がいるようなイメージ、思い出す。そしたら、なんかムリにハミの外側を支点にハミうけさせようなんて考えるより、うまく乗れてきたような気がする。
しばし正反撞やる。なんか、今日は、いつもより馬が丸くなってるような気もするせいか、乗りやすい、ギルデッドエージ。
とても気持ちいい揺れに感じる。繋か飛節か知らないけど、どっかそのへんが柔らかいんぢゃないかなって思った。なんだ、とてもイイ馬ぢゃないか。
「ハネあげられるのは、馬が速く動いてるのに、人がそれより遅いから」
と当たり前のことだけど、目からうろこ。座ろう座ろうとして、馬の上に静止しようとするんぢゃなくて、馬と一緒に動かなくちゃ、実は安定しない。
「馬は常に前に動いてるんだから、ひとも前に前に乗っていく」
また言われた。ここんとこ、これ言われっぱなし、毎回言われてると思うよ、前に乗っていけ、って。
ところが、これ実際にどうしたらいいか分からないというか、イメージがわかない。べつに馬の肩の上に乗れってわけぢゃないから、動きに遅れるなって意味だとは思うんだが。
軽速歩だと何となくわかるんだけど。後ろに戻るようにペタンと坐っちゃダメだから。速歩の正反撞や駈歩で、前に乗っていくことは、いまの私にはできない。
(これできないうちは、障害飛ぶのに復帰するとか、中間とか尋常とか馬場の経路ふむとか、ってことにはならないんだろうなと思う。)
「よくなってきたので、もうすこし手綱短く。短くしたぶん、手は前。」
ああ、そうかそうか、また目からうろこ。私が手綱を短くすると、馬のアタマというか口というかを、強引にこっちに持ってくることをしている。馬のクビ曲げさせたって、それで馬は手のなかにいるわけぢゃない。
歩度をつめる。手を引いちゃうと簡単にスピードダウンするけど、それは詰めたことにならない、っつーのはわかってる。前進させつつコントロールする、引っ張りっぱなしだと、またおかしくなるので、すぐかえすように心がける。
わかりやすく、ガツンとハミにぶつかってくるとか、すぐゴメンナサイしてくれるとか、そういう馬ぢゃないと感覚がわかんない私。でも今日は何回か、もしかしたら、これでいいのかも、って思う瞬間があった、ギルデッドエージでこんなの初めて。楽しくなってくる。
んぢゃ、輪乗り、駈歩の用意。
輪乗りが外にふくれちゃうけど、内の手綱をもろに開くと(というか引いてるな、俺は…)、例によって勢いなくして止まっちゃいそうになる。「まっすぐ前にだすように」と言われて、前進させるなかで、両手でジワッと馬の行き先を決めてやるようにしてると、なんかうまい具合に内を向いてくれるときがある、これかあ?この馬への要求のしかたは?
駈歩出ない。まあ、どの馬でもやっちゃうんだけど、強すぎるくらい詰めるようにしてから出そうとするのは、私の悪癖のひとつ(こないだサンライズキングでは偶然機能したけど、天蓬にはハネられるという失態を演じてる)。手をラクにするように気をつけて、なんとか脚で出す。
最初パランパランして、ちゃんとした駈歩になってなかったときに、ムチ使えって言われたけど、使うタイミングがつかめず、とにかく脚でドカドカやってるうちに、ようやくリズミカルな駈け方になってきた。
蹄跡行進して、歩度を伸ばしたり、ときどき巻き乗り。巻き乗りんとき、これまでは内を引くように使っちゃうから停まりそうになることあったんだけど、今日は両手でじわじわと曲げていく。前に出して、それから曲げること。
脚を強く使おうとすると、後ろに引いちゃったりして、例によってアブミ履けなくなったりするのが、直んないんだけど、まあとにかく、今日は私史上いちばんこの馬を前に出せたってことで、部班での練習終了。
しばらく休憩したあと、また常歩から、8の字描いたりして、なんとかこの馬のバランスいちばんいいとこ見つけたくて、しばし試行錯誤。
最後、駈歩は、わざとアブミ短くしてツーポイント。特に根拠はないんだけど、アブミ短くするとカカトが身体の真下に来ないと乗ってられないような気がするから。
馬房帰って、手入れも終わったら、いつものようにリンゴやる。
サラブレッドのなかでは、例外的にリンゴ大好きなんだよね、ギルデッドエージ。おぼっちゃま育ち?
でも、馬房に入れたら、早く終わって時間が合わなかったのか、いつもある乾草がなかったんで、ひとのことジーッと見つめて猛抗議。
もちろん他の馬ももらってないんだけど、ギルにしてみれば「俺、働いたのに、なんも無しかよー」って言いたいのは無理もない。小さいことだけど馬との約束として守ってやりたい。(美浦では勝手にやっちゃてたんだけど、ここでは遠慮してる私。)
さ、年末年始は、リンゴも高いから、乗馬は休み。次回は1月20日ころ。
※クリスマスといえば、サンタ。
ふつうはサンタクロース、でも、サンタといえば、私にとっては、美浦のエアサンタムール。
超優秀な乗馬。
(サラブレッドとは思えない。)
私にとっては特別な存在ともいえる。
(偉大だ、とさえ言ってもいい、簡単には語りつくせない。)
彼と出会えたことは、私の乗馬ライフのなかでも大きなウエイトを占める。
(もうちょっと上手になったら、また乗ってみたかった。)
思い起こせば思い出すほど、あのときの80センチ障害、勝ちたかったなあ…。