many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

プロレス 至近距離の真実

2009-01-31 21:03:00 | 読んだ本
たいへんだぁ! 1976年6月26日に行われた、あの伝説の「アントニオ猪木対モハメド・アリ」の試合が、テレ朝50周年特番で放送されるって報道があった
アリ側が権利を持ってるんで、ずっと封印されてて、これまで一度も放送されてないはずだ。
あの試合は、当時つまんねーとか言われたんだが、実は、ほかの大部分の異種格闘技戦とやらが、みーんなプロレスだったのに対して、猪木・アリ戦だけはガチだったということが後年ひろまり、再評価されている。ほんとに両者負けられない緊迫感があると、ああなるんだそうだ。そりゃそうでしょ。
当時は、私も子供だったからわかんなかったけど、格闘技をだいぶ見続けてきた今見れば、たぶんいろいろわかると思う。ダイジェストであっても、ぜひ見たい。

というわけで、新日本プロレスのレフェリーだった、ミスター高橋の著書「プロレス 至近距離の真実(2002年)」、「流血の魔術 最強の演技(2003年)」、「プロレス 影の仕掛人(2004年)」(いずれも講談社+α文庫版)である。
3冊あるけど(もっとあるのかもしれないけど)、内容はどれも同じである。
すなわち、プロレスは、マッチメイカーがつくるショーだと。
言っちゃうか、それを!?という感じだが、外人レスラーに来るべき試合の負けのシナリオを認めさせる交渉に行くところとか、試合中にレフェリーがカミソリの刃でレスラーを切って流血を演出するとことか、全部書いちゃってます。
それはそれで、プロレスもおもしろいんだけどね。

ちなみに私自身は、ガキのころはプロレスは好きだったけど、いつのころからかプロレスの試合は嫌いになりました。なんか、序盤戦の、まだ決まんないだろうから、目を離してても大丈夫だな、みたいな間延び感が嫌いでね。油断すると、極まっちゃう緊迫感のある競技の方が好みになったもんで。でも、総合格闘技とかに出てくる、プロレスラーってのは好きだな。もしかしたらポテンシャルが高くて、面白い試合してくれんぢゃないかと思っちゃうんで。

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これからはあるくのだ

2009-01-30 20:34:00 | 読んだ本
角田光代 2003年文春文庫版

昨日の続き。
というのは、『忌野旅日記』の文庫の“解説”(が普通ある場所)を「忌野中毒」という題で、角田光代という作家が書いている。
忌野旅日記が出た平成5年時点では、私はこの作家を知らなかった。
その後、新聞の書評だか広告だかを見た、なにかのきっかけで、文庫本の小説を1冊読んだ。でも、もうそれはどんなのだったか忘れちゃった。
基本的に、私は女のひとの書いたものを読まない。別に、差別とか偏見とかぢゃないけど、なんか自分の本の読み方に合わないような気がして、若い時のある時期からトライもせずに、敬遠するようになった。もしかしたら、枕草子と源氏物語が古文の時間にわかんなかったことを根に持ってるのかもしれない。
閑話休題。
で、2,3年前だったか、また何かのきっかけで、RCの「スローバラード」のことを素敵に書いているエッセイがあるって情報をもとに、この「これからはあるくのだ」を買った。
スローバラードについて書いてあるのは、巻頭最初にでてくる「わたしの好きな歌」

>この歌を初めて聴いたのは十五歳のときだった。ライブハウスで、あるバンドがコピーしてた。そのときは、いい歌じゃん、とそれしか思わなかった。けれど三年後、本物の「スローバラード」を聴いて私は実に驚いた。同じメロディ、同じ歌詞の歌が全然違ったのである。泣きそうになった。声、というものがいかに力を持つものかそのとき知った。

長く引用しちゃったけど、後半部分には激しく同意します。
キヨシローのうたうスローバラードを聴いたことのないひとは、キヨシローのうたうスローバラードを一度聴いてみてください、と思います。できたらライブでね。

文庫のカバーそでの著者紹介をいま改めてみたら、1967年神奈川県生まれって、俺と同じじゃん。
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忌野旅日記

2009-01-29 20:11:33 | 忌野清志郎
私のKINGでGOD・忌野清志郎著 平成5年 新潮文庫版

私のカリスマ忌野清志郎について、いつ書くか考えていたが、あえてCDやDVDぢゃなくて、本から入ってみたのが渋いとこだぜ(と本人は思ってる)。
ちなみに、彼の名前の、この本のなかでの正しい発音は、「イマーノ」だ。

週刊FMに連載されてた、帯によると「ロック・ギョーカイ交友録エッセイ」だ。
登場するのは昔からのお友達の三浦友和、泉谷しげるをはじめ、坂本龍一、アン・ルイスとかいろいろなミュージシャン。
そのあたりの仲間たちとハチャメチャに暴れたりしたことを、独特のイマーノ文体で書いてあると、すげー笑える。
でも、あとがきには「あとがきくらいは自分で書くかな。(略)なにしろ、いままではぜーんぶ、俺が、ベラベラしゃべって、それを、ゴースト・ライターにまとめさせてただけだからな。ま、しかし、これは手ぬきじゃないのよ、ベイビー。芸能界のジョーシキってもんさ」とか正直に書いてますけど。
それと、イラストもキヨシローが描いているのが、とてもいい。まったくお得な一冊だ。

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ゼウスガーデン衰亡史

2009-01-28 22:01:00 | 小林恭二
1991年福武文庫版と1999年ハルキ文庫版と両方もってる。
(ハルキ文庫には『ゼウスガーデンの秋』(IとIIの2つ)という短編が入っている)

面白い長編です。
「電話男」から何となく入っていった私は、この長編で初めて作者のすごいパワーに圧倒されました。
話は、下高井戸の場末の遊戯場が膨張していき、やがて日本の国家よりでかくなっていくという、なんだか言われてもよくわからないストーリーなんだが。
なんせ、その物語の奇想天外な展開や、出てくるアトラクションや、そして何より言葉の使い方が魔術のようで、読んでてグルングルン引っ張りまわされる感じが最高。

物語中に出てくるアトラクションは、「鮫入りプール」だとか「中華園」だとか「テレビマン」だとか「恐怖館」(開業初年度だけで発狂者八人)だとか「バイオランド」だとか「マンダランド」だとか、いろいろあるけど、私の一番のお気に入りは「追憶の道」
ネタばらすと“十八世紀のロシアの農村風景をまるっきり再現しただけのもの”が訪れた人に深い印象を与えるという発想と描写。とてもいいです。


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マネー・ボール

2009-01-26 22:26:22 | 好きな本
マイケル・ルイス著 中山宥訳 2006年 ランダムハウス講談社文庫版
 この本、好きです。簡単にいうと、強い野球チームの作り方。
 メジャーのなかで資金力の乏しいアスレチックスが何で強いかってことを解説(解析?)した、刺激的な読みもの。まあ、野球と統計の両方が好きな私にとっては、ハマッてあたりまえだったかもしれないけど。
(※でも、私にとっては、アスレチックスといえば、ホセ・カンセコ、マーク・マグワイヤ、リッキー・ヘンダーソンを擁した、すげー強かったチームって印象のほうが大きく残ってんだけどね。それは昔のことみたい。)

 いろいろ書いてあるんだけど、たとえば。
 攻撃の真の目的は打率をあげることぢゃなくて得点をあげること、だから得点を評価すべき。そんなところから、「得点公式」の仮説とかができあがる。
 得点数=(安打数+四球数)×塁打数÷(打数+四球数)
これに過去のシーズン記録を代入したりすると、チームの得点数が当たっちゃう。
ってことは、打率と盗塁数は含まれていないので、大して重要ぢゃない 犠打は得点になんら影響を与えていないので無駄死ににすぎない 
 万事そんな調子で、要は野球に勝ちたかったら、得点数をあげるのが一番、得点数にもっとも影響するのは出塁率、だから出塁率の多い選手を獲るべし、ってことになる。日本にもよくあるけど、スカウトが、肩が強いとか足が速いとかって素質を重視したり、球の速い高校生ピッチャーの将来性にかけて獲得したりしようとするのは、ムダムダと断じている。そういうのが成功する確率は、スカウトの希望的観測に比べて全然小さいから。
 一方で戦術面では、バント・盗塁・ヒットエンドランは、たいてい的外れか自滅行為ってことで否定される。アウト増やす可能性の多い(バントなんて確実にアウト1個守備に献上するし)ことは一切しないほうがよい。盗塁は禁止、初球から打っていかないで四球を選ぶことは(出塁率が上がるから)高い評価をされる。
 究極の評価方法は、1番から9番までその選手ひとりに打たせて試合をしたら何点入るかのシミュレーション 誰かを放出して、代わりに誰かを獲得したら、得点が何点増えて失点がどのくらい減るかとか計算して補強することが、可能。
 もちろん、そういうやりかたを否定する声が多いことや、盗塁しないから実際にプレーオフでいつも敗退してるぢゃないかという批判とかも書いてあるけど、それにしたって、まあ面白い。

 日本国内でも、ボチボチ、セイバーメトリクスが取り上げられはじめてるけど、まだまだ、「ピンチのあとにチャンスあり」的な「流れ」の迷信みたいなのが幅きかせている。ほんと、フィジカルのトレーニングも含めて、非科学的な部分が多くて、ほかのスポーツより時代が遅れてるみたいなとこが、悲しくなるねー。
 
けど、それにしても、野球に関しては、私の座右の銘のひとつ「勝てば官軍」ってのが、やっぱ最もよくあてはまるんだよなー 

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