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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

巨人ポール・バニヤン

2023-07-27 19:13:24 | 読んだ本

ベン・C・クロウ 編/西崎憲 監訳 二〇〇〇年 ちくま文庫
「アメリカの奇妙な話 1」と副題がある、文庫オリジナル編集出版だというもの。
先月に新刊でも売ってるんだって見つけて買って、わりとすぐ読んだ、帯に「緊急復刊」て文字があって、二〇一八年の第二刷。
たしかラードナーの『メジャー・リーグのうぬぼれルーキー』の文庫を読んだときに、巻末に一冊あたり三行くらいの文庫の宣伝文のページがあって、そこでタイトルが気になったんぢゃないかと。
(奇妙な話、は、けっこう好きです、たとえば「栞と紙魚子」とかw)
巻末訳者解説によると、1947年にアメリカで出版された「The American Imagination at Work : Tall tales and Folk Tales」の抄訳なんだそうです、ブラウン大学のクロウ教授が集めた、パンフレットとか新聞記事とか小説などを収めたアンソロジーだそうで。
まあアメリカで語り継がれてる昔話のたぐいで、タイトルのポール・バニヤンは木こりの神様的存在の巨人、松の木と並んで立つと松の木が低木にしか見えなかったという大きさ。
でも、その偉大さがピンとこないせいか、一読して私がおもしろいなと思ったのは伝説の木こりなんかよりも、いーからかげんなホラふきの話なんかのほう。
悪さした猫に向かって、ひしゃくでお湯をぶっかけようとしたら、あまり寒いもんだから、猫にあたったときは氷の塊になってしまっていた、とかってやつ。
コンテンツは以下のとおり。
都市伝説
 真ん中の男
 消えた客室
 消えたレモンパイ
 真珠の首飾り
 エミリーのニューヨークにおける冒険
 インディアナのベル
不可解なこと
 リソボリア
 石を投げる悪魔たち
 メアリー・セレスト号事件における虚構と真実
 偶然
 ブレーディーの跳躍
 鼠駆除のまじない
 ウィード伯父さんが書いた鼠への手紙
熊、狼、栗鼠など
 熊たちの祭宴
 熊の仕返し
 栗鼠の艦隊
 信じがたい話
 教練をつんだ海馬(セイウチ)たち
 風変わりな食事
 狼の棲む穴
ユーモアとトール・テール
 ほらふきのジョン・ダーリング
 西部のほらふきたち
 メイン州の嘘つき
 死んだふり
 陸軍の騾馬
 設営部隊
 目打ち
狩猟と釣り
 泣き虫鮫
 魚とフライパン
 「十ポンド、減らしゃあ……」
 不運な牧師
 川鱸(パーチ)をモーターにした話
 特別な餌
 鶉とセーター
 見事な狩猟 一(一九四三年十月十日の語り)
 見事な狩猟 二(一九四三年十一月二十一日の語り)
 見事な狩猟 三(一九四三年十一月二十一日の語り)
 一発で鹿をしとめ、臓物を取った話
 ジョン・バスの狩猟
 塩梅が肝心
アメリカの英雄たち
 デイヴィッド・クロケット、弾丸を二発命中させる
 マイク・フィンク、デイヴィッド・クロケットに会う
 ゴフか、ホエイリーか、さもなくば悪魔だ
 ハドリーの守護神
 ロイ・ビーン
 ロイ・ビーン――検死官
 ジョニー・アップルシード
 勝利者ビッグ・ジョン
 ダディー・メンション
 アンクル・マンディー
巨人ポール・バニヤン
 ポール・バニヤンとケンプ・モーガン
 雷鳴湾のたたかい
 ポールの家庭生活
 雄々しさの地

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パソコンを買い替えた

2023-07-20 19:54:25 | Weblog

新しいノートパソコンを買った。
けっこう前から、パソコンの動きのわるさにガマンならなくなっていて。
何してても、すーぐ動きが遅くなるし、ワードとかエクセルとかソフトの起動なんかもいやになるくらい遅い。
(↑ いま「ソフト」って言わないよね、アプリでしょ。しょーがないよね、こちとらソフトとハードってボキャブラリーで長年きたから、アプリとかデバイスとか馴染みがない。)
でも、まあ日常たいした作業をするわけでもないので、動けばいいやくらいで適当に使ってたんだけど。
あるとき親族のところにあるパソコンを触らせてもらったら、サクサク動くんで、こりゃメモリだな、って結論に至った。
私のパソコン、4ギガなのよ、いまどき。借りてみて、これだけ動けば十分じゃんって思ったそのパソコンは8ギガだという。
前回パソコン買ったのいつだっけと調べたら、2019年10月だった。そのときゃ、4ギガあればウインドウズ10は動くんでしょ、くらいの認識だったかなあ。)
ぢゃあ、なんでもいいから8ギガあるパソコンを買おう、って思い立ったのはだいぶ前なんだが、なかなか実現しなかったのは、やっぱいざ買おうと思うと値段がけっこうするからねえ。
それでも、今月に入ってから、意外と安いじゃんと思えるもの(新品)見つけたんで、エイヤッで買うことにしてしまった。

もうなんでもいい、って気になってたんで(っていうかLENOVOが気に入らなくなってたんで)、今回は富士通である、機種の細かいことなんか知らん、メモリ8ギガで、ワードとエクセル使えりゃ、それでよしで選んだ。
(一応、頭の片隅に、いや、いっそ16ギガあったほうがいいんぢゃないの、って疑問は浮かんだんだが、どうせたいした作業はしないからねえ、と自分を納得させた、値段も高くなるしね。)
今回はウインドウズ11だという、あれ、前にウインドウズって10で終わりって言ってなかったっけ、とか思ったりもしたが、なにがどう違うのか予備知識もないまま、まあやってみりゃ動くだろと、取っ組みだす。
はじめてパソコンを買ったときに、ウインドウズ3.1のフロッピーディスクを20何枚だか読み込ませたころに比べれば、格段に便利になっているねえ、という気もする。
まあ、なんか、いろいろと設定をして、どうにか動かすことができた。
データの引っ越しも原始的にケーブルでつないでイジってみたらできてしまった。
新しいほう使うための作業が一段落したら、やっぱデスクトップの背景の画像は、いつものとおり自分が見て心地好いものに、変えてみないではいられなくなった。

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プリニウスが完結した

2023-07-13 20:19:49 | マンガ

ヤマザキマリ とり・みき XII巻は2023年7月 新潮社
先週末だったかな、たまたまネット検索したら、「プリニウス」の最終第12巻が出たっていうんで、サクッと買った。
前巻11巻が2021年7月ってなってるんで、2年空いたのか、もう出ないんぢゃないかと思ってた、連載がどうなったのか知らないし。
私が最初に「プリニウス」読んだのは、2015年4月ころで、第2巻が出たあとだったんだけど。
なんかおもしろいなと思ったから、そのあとは半年くらいごとに新刊出たんで、毎度読んでったんだが。
終盤になるにつれ、その出版間隔がやや開くようになったのかな、それにつれて、前までの話忘れちゃったりして、あまり評価はあがってこない感じだったんだけど、どうやら最後までたどりつけてよかった。
今回は直前の11巻読んでから12巻読んだんだけど、それでもなんの話だったのかわかんなくなっちゃった感じしたんで、結局1巻から全部読んださ。
うーむ、やっぱり初期のころのほうが、
「人間は 落雷しても死なない唯一の動物なのだぞ」とか、
「ウマの唾液を 3日間飲み続ければ 咳には効くのだが」とか、
「咳を治すには オオカミの肝臓を温かいブドウ酒といっしょに食べるのも良いし 野ウサギの糞を焼いた灰を同じくブドウ酒に入れて飲むのも良い」とか、
「蜂蜜は今宵のような満月の日にふんだんに作られる なかでも上質な夏蜜が作られるのはシリウスが最も輝く夜明けの直前だ」とか、
ムダな博識ぶりがポンポン跳び出してきてて、なんともおもしろかったような気がする。
それと、やっぱ、半魚人とかね、「博物誌」には記録されてるかもしれないけど実際にはいないだろよそんなの、みたいなものが、見事なまでに実在するように描かれてるのが、とても魅力的です。
そういうファンタジー要素が好きで、ネロ皇帝がどうしたとかローマの実際のことは興味なかったのかもしれません、私は。

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愛と情熱の山田うどん

2023-07-06 18:40:56 | 読んだ本

北尾トロ・えのきどいちろう 二〇二二年 河出文庫版
サブタイトルは「まったく天下をねらわない地方豪族チェーンの研究」。
ことし4月ころだったか、書店で見かけて思わず手を伸ばしてしまった文庫。
前に町中華の本を読んだりしたんで、なんかおもしろそうだなと想像して。
しかし、山田うどん、名前は知ってるけど、あんま食べた記憶がないな私、住んでるまわりではあまり見かけなかったような気がするし。
さて、冒頭の「文庫版のためのまえがき」を読んで、この文庫は先に出された二冊からの文庫化と知った、『愛の山田うどん』(2012年)と『みんなの山田うどん』(2014年)だって。
発端は2011年ころ、著者ふたりがネット番組でフリートークっぽい流れから、山田うどんの話になって、若いころからよく食った、どこにでもありそうな麺の味でボリュームがあってよかったとか盛り上がってしまい、研究しようということになったらしい。
で、山田うどんは埼玉が地元らしいんだけど、本書のサブタイトルにもあるとおり、全国チェーンで制覇しようとか、都内の一等地になるべく多く展開しようとかってんぢゃなく、地元とその周辺の関東近郊でやってこうっていう地方豪族なんだと。
>郊外、ローカル、東京への憧れとコンプレックス。この三要素を否応なく意識し、郊外に着目する大資本としのぎを削る。埼玉豪族は他府県に比べ、長く激しくこれをやってきた結果、自らの立ち位置を知るに至った。このままで行こうと。安く、気さくで、日常性のあるチェーン店。都会以外のどこにあっても風景に馴染むような店。それこそが武器なんだと。
>山田は地元でこれを徹底し、誰が言い出したか知らないが、埼玉のソウルフードと呼ばれるようになった。(p.189)
というのがメインの研究結果なんぢゃないでしょうか、埼玉のソウルフードっていうんだ、知らなかったけど、まあ私は埼玉に住んだことないし、詳しくないから。
対して、東京にも武蔵野うどんと名乗る勢力があったり、さぬきうどんなんかはあきらかに全国制覇を目指してる感じするし、ほかにも稲庭うどんとか博多うどんとか独自の製法というか味があって、どこも譲んない争いがあるようなんだけど、
>僕が言いたいのは豪族の背後にうどん文化ありってことだ。(略)食べられるうどんが地域によってさまざまなのは気候風土や味の好みがバラバラってことになる。長い歴史をもちながら融合することがなく、食べ方も麺の硬さもいろいろ。調べていくと、うどんはびっくりするほど地域性強いんだ。
>日本はうどんの国である。我々はうどんとともに生き、うどんとともにその生を終えていく国民だ。(p.97)
なんて大げさすぎるような考察もあったりして、たのしい。
でも、店舗ごとのちがいとか特筆すべきメニューとか、なんか熱い語りが展開されてるのに、いまひとつ私がのめりこめないのは、やっぱ食べたことがあんまりないからなんだろう、しかたないねえ。
ちなみに著者たちは自分ら山田うどんをこよなく愛する存在を、「山田者」なんて呼んでますから、かないませんねえ。
コンテンツは以下のとおり。
I 山田が心配でならない
 山田うどんが降りてきた!
 いざ、山田本社へ
 潜入! 山田工場見学
 山田で働く
II 山田を考えられるだけ考えた
 山田うどんの埼玉性について
 うどんの国から
 山田ロードサイド論
 地方豪族としての山田
 分け入っても分け入っても山田――「かかし」の源流を求める旅
 特殊山田の研究
 案山子デザインの謎とジョンソン基地
 高村薫『冷血』と山田うどん
 埼玉豪族の日常力
 山田CMに関する資料研究(序の口)
 山田遺産への旅
 国道50号線・山田うどんの旅
III 文庫書き下ろし 山田をまだまだ考える
 アルカイック山田の時代
 令和に蘇った勇者『TARO』

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