many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

サム&デイヴ・グレイテスト・ヒッツ20

2009-06-30 18:35:22 | CD・DVD・ビデオ
SAM&DAVE 1993年 テイチクレコード
キヨシローを聴いたりしてたら、SAM&DAVEが聴きたくなったんで、やおら聴いてみた。って、これ1枚しか持ってないんだけど。
収録曲は、20曲。
「ホールド・オン」、「ソウル・マン」、「サマータイム」、「目ざめておくれ」、「僕のベイビーに何か?」、「ユー・センド・ミー」、「ワンダフル・ワールド」、「ゴナ・テル・ノーバディ」、「おしえておくれ」、「アイ・サンキュー」、「ソウルシスター、ブラウン・シュガー」、「ドック・オブ・ベイ」、「ユー・ガット・ミー・ハミン」、「恋のかけひき」、「スーズ・ミー」、「ギミー・サム・ラヴィン」、「悲しき叫び」、「アナザー・サタデイ・ナイト」、「ユー・ドント・ノウ・ライク・アイ・ノウ」、「キューピッドよ、あの娘をねらえ」

好きなのは、やっぱ「Soul Man」とか、「Wonderful World」とか。
「When Something Is Wrong With My Baby」は、昔キヨシローがラジオで曲紹介してて、「僕のベイビーに何か悪いことが起きたら、それは僕に悪いことが起きたのと同じことだ」っていう詞がいいって力説してた記憶があります。「Wondeful world」もそうだね、“歴史も生物もできないけど”みたいな言い回しはRCサクセションにつながるもの、あると思います。
あと、やっぱカッコいいのは、「Gimme Some Lovin'」! これは、『ブルース・ブラザーズ』では劇中でブーイングを浴びて完奏されないナンバーなんだが、すごくカッコいい曲です。
あと、オーティスの「Dock Of The Bay」が入ってるのもいいですね、この二人が歌うと、どんな曲でもちょっと違う。力があります、エキサイティングっていうか。

十代のころは、RCサクセションはもちろん好きだったんだけど、ほかにはハードロックやヘヴィメタルみたいのばっか聴いてたんで、もっとドラムがドカドカいって、ギターがディストーションかかってギュンギュンいってる音楽が好きだったんだけど、いま聴くと、こっちのほうが全然いいです。(音楽の趣味は少しは成長したみたい。)

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瀕死の双六問屋

2009-06-29 18:29:55 | 忌野清志郎
忌野清志郎 2007年 小学館文庫版
こないだ、ロッキンオンジャパン特別号を買ったときに、一緒に買ってきた。
(単行本が出たときは買わなかったんだよね、怠慢なファンだ)
『TV Bros.』というのに連載されてたものらしいけど、いつものイマーノ節とちょっと違うなーって思ったら、語ってライターに書かせるんぢゃなくて、自分で文章書いたらしい。
普通のエッセイみたいなふりして、毎回キヨシローの好きな音楽・CDとかが紹介されてるっていう企画があるんで、貴重だともいえる。
“双六問屋”ってのが、何を意味してるかっていうのは、よくわからないんだけどね。いいや、別に、なんとなく感じることができれば。
『君が代』を入れた『冬の十字架』が発売中止になった時期と連載時期が重なってるため、後半ではずいぶんと世の中に対して怒ってるところが出てきちゃう。
どの章もキヨシローらしさがあっていいんだけど、
>俺は本当にラッキーな男だ。こんなCDに出会えるなんてな。君たちも音楽を聴いて、そんな事を感じたことがあるだろ? 自分の気に入った音楽にめぐり会えるなんて、あまり日常ではあることじゃない。みんなが聴いてるからとか、これが流行ってるとか、TVでよくやってるからとか、そんな理由でムダ金をはたいてレコード屋でCDを買うなんて、つまらないぜ。他人と趣味が同じなんてつまらないぜ。
…なんてとこ、特にいいなぁって思う。
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暗黒神話比較

2009-06-25 18:06:58 | 諸星大二郎
「暗黒神話」の1977年版と1988年版では、内容に違いがあります。
88年版のあとがきで著者が“今度やっとA5判のより完全な形で出せるのはうれしい限りです。”と言っているように、あとから出たほうが、正しい(?)ものになっています。
私は、書物一般について、古いものこそがオリジナルで価値がある、と思ってるんで、この逆転現象は、ちょっとショック。
しかも、一番の違いは、古いものが実は左右のページが逆になっているという欠陥があることだっていうんだから、困ったもんだ。
以下は、77年版と88年版の違い。

畜生の章(1988年版は「~の巻」)
77年 左右逆で扉がないので本編が左ページから始まる
88年 右ページから始まる(左右の断ち切りコマが外側に来るので正しい)

77年 34ページ菊池彦 「のってないって」
88年 35ページ 「いないって!?」

阿修羅の章
77年 46ページト書き 菊池家の家系は三世紀の狗奴国を支配した狗古智卑狗(菊池彦)にまでさかのぼることが「魏志倭人伝」よりしられる
88年 48ページ 菊池彦の呼称は古い「魏志倭人伝」には三世紀の日本――おそらく九州に狗奴国の狗古智卑狗として登場する

77年 47ページト書き 四世紀にはクマソとして九州に勢力をふるい
88年 48ページト書き 四世紀のこの地方には狗奴の後裔であろうクマソが勢力を振るい

77年 50ページ武 「……」
88年 52ページ武と菊池彦 「あなたは…母さんを知ってるんですか?」「お母さんからわたしのことは何もきいてないか…ま あとで話してやる」

77年 50~52ページ
1.「まずここだ弁慶が穴古墳…菊池家の豪族の墓だ」
2.「これら装飾古墳の絵や文様に暗黒神の謎をとく鍵があるとおれはにらんでいる」
3.チブサン古墳「どうだなにかおもいあたらんか」「べ…べつに…」
4.「武が“後継者”ならかならずなにか反応をみせる目をはなすな」
5.長岩横穴群
6.「なんで胸がえぐれてるんですかね?」「これもなにか呪術の意味があるのだろう」
7.竹原古墳「この馬の全身の赤いまだらをみろこれが「天の斑駒」かもしれんな」
8.竹原古墳…その奥室奥壁には角や爪をはやし火を吹く神馬の絵がかかれている…
9.武はその絵をみた瞬間なぜか胸さわぎを感じた
10.「わからん…先へいこう」
11.浦山古墳、珍敷塚古墳、比留子古墳、日ノ岡古墳

88年 52~56ページ
1.「出雲で消えたきみは自分でも知らぬ間にこの巨石の上にねていた…何もおぼえてないか?」
2.「まあいい もうひとつみせたいものがある すぐそこだ」
3.「この古墳だ あの三つの巨石もこの古墳と無関係ではないと おれは思っている」
4.竹原古墳「六世紀の装飾古墳だ この諏訪神社の境内にある」
5.「諏訪!?」「信濃の諏訪大社の分社さ きみが諏訪から出雲を通ってここへ現れたのも偶然じゃないというわけだ」
6.「残念ながら石室へは入れない ここからのぞいてみたまえ」
7.(武がなかをのぞく絵)
8.装飾古墳とは石室の石壁などに絵や文様の描かれた古墳で九州に多い その中でもこの竹原古墳はその特異な力強い絵で有名である
9.竹原古墳は福岡県鞍手郡若宮町竹原の諏訪神社境内にある何よりも目を引くのは中央上方に描かれた不思議な神馬である 角や爪を生やし尾は蛇のように長く全身と口から火吹き出している この怪獣は何を表わしているのだろうか?
10.「おれは最初この絵をみた時これこそ天の斑駒だと思ったものだ 全身の赤い斑をみてみろ」
11.「九州へ戻った時もなぜか無性にこの絵がみたくなって竹原へ寄ったのだ そこできみをみつけたのだからこれも菊池家の石馬の導きかもしれんな」
12.神馬の絵
13.来い!早く来い!しるしを受けに来い!
14.「どうした」
15.「竹原古墳の絵に反応を示した 明日からほかの古墳もみせてみよう
16.「近い所ではこれだ弁慶ヶ穴古墳…菊池の豪族の墓だろう」
17.「これら装飾古墳の絵や文様に暗黒神の謎をとく鍵があるとおれはにらんでいる」
18.チブサン古墳
19.長岩横穴群
20.「なんで胸がえぐれてるんですかね?」「これもなにか呪術の意味があるのだろう」
21.「むだじゃないですか?反応があったのは竹原古墳だけ…」「いやそうでもない きのうまでの武とは少し様子が違う」
22.武の絵
23.確かに装飾古墳を巡っているうちに武の中に“何か”が目覚めつつあった…
24.このまま進むと何かとてつもなく恐ろしいものが待っているのではないか…そう思いながらも武の心はすでに古墳の呪的文様に捕らえられ先へ先へ導かれていた…
25.珍敷塚古墳、浦山古墳、比留子古墳、

77年 53ページ菊池彦 「あわてるな おれにはちゃんと計画が…」
88年 57ページ菊池彦 「あわてるな おれには考えが」

餓鬼の章
77年 なし
88年 81ページ 大ゴマ1枚 邪馬台国に関する記述(以降左右逆 これで断ち切りコマが外側になり正しくなる)

77年 77ページ 中国の古文献「魏志倭人伝」よりしられる三世紀の日本の古代国家邪馬台国に関しては議論がわかれておりその場所も古来さまざまにいわれているが…
88年 82ページ 大きく分けて畿内の大和朝廷に結びつける説と北九州の女酋とみる説に分かれるが主流の九州説でもその比定地に関してはさまざまな説がある

77年 80ページ竹内 「そして宿禰の役というのは神のことばをつたえる者 神と人間の仲介者だということです…」
88年 85ページ竹内 「その男の役は審神者― 巫女を通じて神の言葉を伝える者… いわば神と人間の仲介者といえましょう」

77年 93ページ最後のコマ 岩屋の入り口にシーンの書き文字
88年 98ページ なし

地獄の章
77年 127ページ竹内 「これを古代人は八俣の大蛇とか八頭の竜といってひどく恐れたものじゃ」
88年 133ページ 「これを持った者を古代人はひどく恐れ それが八俣の大蛇とか八頭の竜といった伝説を生んだ…」

人間の章
77年 129ぺージ 一コマ目が小さい、二コマ目のひとつだけで日本武尊の焼津での説明
88年 135ページ 一コマ目が大きい 二コマ目で天の叢雲の剣とヤマトタケル 三コマ目ヤマトタケル
136ページ 一コマ目でヤマトタケルの焼津と魂が白鳥になったことまでの説明 以降左右逆(これで断ち切りコマが外側になり正しくなる)

77年 134ページ1コマ目 こういった卵生説話は多い 朝鮮の神話的な王はほとんどそうだし一説には応神天皇や武内宿禰も卵から生まれたのではないかといわれている
88年 141ページ1コマ目 新羅の脱解王や高句麗の始祖伝説にも卵生説話がある またヤマトタケルの子 武卵王の名も卵生説話の名残ではないかという

77年 134ページ2コマ目 「みな この石の卵から」
88年 141ページ2コマ目 「みな 卵から」

天の章
77年 166ページ真ん中のコマ “お三岩様”とよばれた磐座や宇佐神宮の奥の宮にあるといわれる三つの巨石…
88年 174ページ真ん中のコマ 竹原古墳のすぐ近くに三つの巨石があったのも偶然ではない 宇佐神宮の奥宮にも三つの巨石があるといわれる

77年 177ページ竹内 「ことごとく天地は一軸の経巻」
88年 185ページ竹内 「尽天地は一軸の経巻」
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暗黒神話

2009-06-24 20:56:48 | 諸星大二郎
1977年 集英社 ジャンプスーパーコミックス版(新書)
1988年 集英社 ジャンプスーパーエース版(A5)
諸星大二郎は、私がもっとも好きなマンガ家。
そのなかでも、いちばんすごいと思ってる作品は、やっぱ、これ、暗黒神話。
この作品について語ろうと、何度かトライして、いつも書けずに終わった。
今回も、アタマのなかがまとまったわけぢゃなく、やっぱなんかキチンとしたことを書くわけぢゃない。
ただ、これはスゴイ、としか言いようがない。
暗黒神話が少年ジャンプに連載されたとき、小学生だったんだけど、ほんとブッ飛んでしまった。
蛇を神聖視する縄文文化と、甲賀三郎の秘宝伝説と、出雲神話のタケミナカタと、大国主ことオオナムチと、唯一真実の絶対者であるブラフマンと、人間の心の奥の自我をさすアートマンと、巨石信仰の磐座と、天の斑駒をはじめとする石馬と、暗黒神スサノオと、九州各地の装飾古墳と、転輪聖王と、磨崖仏と、餓鬼と、邪馬台国と魏志倭人伝と、施餓鬼会をおこなう馬頭観音と、武内宿禰と、卑弥呼の鬼道と金印と、不老不死と、前方後円墳の白鳥陵と石舞台と岩船遺跡と、ヤマトタケルとクマソと、比叡山延暦寺と、密教経典の宿曜経の羅睺と、八つの蛇形の聖痕と、丸石信仰と卵生説話と、三種の神器と、オリオンの三つ星と、馬の信仰と、曼荼羅の大日如来と、56億7千万年後に世を救う弥勒菩薩と、とにかくそんなのがドーンっと一つの物語のなかに入っていて、頭のなかをいろんなものがグルグル駆けまわって、時空を超えた世界を引きずりまわされたうえで、最後に謎解きがされるという、ものすごい話です。
(※著者は1977年版で、“これは、一種のはめ絵遊びです。古代史の材料を片っぱしからぶち込み、その一つ一つを関連づけながら事件が展開し、最後に全体を眺めると、ダリの二重像の絵のように全然別の新しい絵が浮かび上がってくる……そういった緻密で壮大なジグソー・パズルをやってみたかったのです。”と言っていますが)
宇宙って何だ!?ということを、いきなりマンガ読んで考えさせられたんだから、たまらない。
以来、30年以上、諸星大二郎をおっかけている。


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西遊妖猿伝 西域編

2009-06-23 15:22:47 | 諸星大二郎
諸星大二郎 2009年6月23日 講談社

出ました! 諸星ファン悲願の、大長編作の続編。
詳しい歴史は、どこか別のところで探していただくとして、簡単にいうと、
第一回掲載が「月刊スーパーアクション」1983年6月号で、
「月刊コミックトム」1997年8月号で、第二部が一応完結して、
そのあと、長いお休み。(もう、やらないのかと思ってた。)
去年10月の「モーニング」47号で、新シリーズが開始。
(月刊ペース基本だったのに、長期休み明けで、いきなり週刊かよ!
 って思ったが、さすがに隔週だった)
今回、単行本になったのは、その“西域編”の第一巻。
もーーー、長いこと待ち望んでいたので、私にとっては、
いまさら面白いとか面白くないとかって、そういう次元の作品ぢゃないです。

ちなみに、最初は、これ

1984年~1995年 双葉社 アクションコミックス全9巻
(第8巻の1刷が1989年8月14日だけど、第9巻は1995年12月28日。6年空いた)
ここで「第一部 大唐篇 完」となった。
元はといえば“西遊記”なんで、天竺に経を取り行くんだが、
黄河を渡って河西回廊を涼州までしか行っとらん、中国を出たとこまで。

次は、これ

1998年~2000年 潮出版社 希望コミックス全16巻
私自身のマンガ読みも、ある時期から非常に怠慢になって、
新しい連載ものの情報とかをほとんどとらなくなってしまったんだが、
書店に行くと、この「西遊妖猿伝」が並んでた。
そのころ、古い作品を文庫版にしたり、愛蔵版とか何とか言って、
形・大きさを変えて出版されるのが流行ってた(?)から、
これもそうだと思ってたんで、買わずにおいた。
すると、ある日、第10巻の「人参果之巻」というのが出てたんで、驚いた。
これは新刊じゃんか! ってことで、第1巻から、全部買い直して、追っかけた。
(ちなみに、出し直された大唐篇にも加筆修正箇所が結構あった。)
結局、2000年3月発行の第16巻で「第二部 河西回廊篇 終」
ようやく西域に旅立ったけど、西遊記のくせして、まだ沙悟浄も出てない。

んで、去年秋から、なんとメジャー誌・モーニングで復活。
それに伴い、講談社版が出ることになった。

しょーがないから、買ったさ、10巻。

ということで、3シリーズの上に、堂々と新刊登場。
いったいどうなるか知らないけど、もう一生ついてきます、私。
この物語が完結したら、スターウォーズ以上の感激だなー、きっと。

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