many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

子供の王国

2011-04-29 20:53:11 | 諸星大二郎
諸星大二郎 1984年 集英社ジャンプ・コミックス・デラックス
「諸星大二郎珠玉短編集(1)」ってことになってんだけど、私の知る限り(2)以降は出てないよ。
それはいいとして、村上龍の「歌うクジラ」を読んでたら、上層とか最下層とか社会を階層化してるフレーズが出てきて、なんだか諸星大二郎の「食事の時間」を思い出したもんで。
「食事の時間」では、人口の爆発的な増加で食料危機が起きており、なかでも都市周辺のスラム階級の極端な増大に対処しなくてはいけない時代になっている。
解決策として、スラム住人には普通の食料を食べさせるんぢゃなくて、政府の生物化学省が、住民たちの胃のなかに微生物を植え付けて、残飯どころか古着・古靴・ゴミ・雑草・古雑誌など、なんでも消化できる体にさせて、そういうものを食わせているという話。

「子供の王国」
「食事の時間」
「広告の町」
「感情のある風景」
「ダオナン」
「ラストマジック」
「会社の幽霊」
「王の死」
「オー氏の旅行」
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歌うクジラ

2011-04-28 20:52:13 | 読んだ本
村上龍 2010年10月 講談社(上・下巻)
ひさしぶりに村上龍の新刊を読んでみた。
って、去年買っといて、ずっと放っておいたんだけど。まずいなーと思ってたんで、週末の出張の機会に、行き帰りの新幹線のなかとか、土曜の晩とかに(フラフラ遊びに行ったりしないで)、読書することに決めて、まずはこれを読んだ。
面白いです。なんも予備知識なしで読んだんだけど、なんとSF。舞台は22世紀、2117年かな。
2022年に発見された不老不死の遺伝子によって、社会のある層の人は寿命が延ばされ、逆に犯罪者などは急激に老化させられて死に至るという医学的刑罰が与えられるような、世のなかになっている。
で、その遺伝子の発見が、クジラ、九世紀初頭に作られたグレゴリオ聖歌を歌うザトウクジラが海で見つかり、そのクジラの年齢が最低でも1400歳と推定され、その細胞などのサンプルを調べることによって、わかったという逸話がある。美しい伝説ですね。
それはいいとして、社会は、「棲み分け」が進んでいて、最上層と上層、中間層と下層に区分けされている。
個人情報の集約的管理とか、警備ロボットによる治安維持とか、そのへんSFらしく、でも暗い反ユートピア的な感じで描かれている。
キーポイントのひとつとして、「文化経済効率化運動」という2050年ころの社会の動きがあって、世のなかのゼータク的なものはすべて無くされてしまってるとともに、言語も統制されて、敬語などが消滅してる。要は、権力の上にたつ側が、一般市民には何も与えず、反抗する思想すらも浮かばないように教育とかもしちゃうシステムを作り上げたものと思われる。
最近フィリップ・K・ディックとか少し読み返したばかりなので、そのへんに似た雰囲気を感じた。なんか今までの村上龍作品っぽくない。でも想像力は評価する。
物語は、亡くなった父親の希望をかなえるために、15歳の少年が旅をするというのがメインストリーム。ときに戦い、ときに逃げ、目指す場所はどこで何が待っているのかわからないけど突き進む、めまぐるしい移動だけど、そういう冒険的な旅はSFっつーかファンタジーの基本だと思います。
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2週間ぶりの乗馬で、敢え無く撃沈

2011-04-26 20:19:23 | 馬が好き
先週は、天気予報を読み違えて、乗馬をサボッてしまった
っていうのは、月曜か火曜のどちらかに行こうと、土日に考えてるうちに「火曜は降りゃせんだろ」と判断して、月曜に別用いれて火曜に行こうという予定にしたんだけど、月曜お天気で火曜雨になっちゃったってこと。
…というのは、外向けの言い訳で。
その気になりゃ、月曜に馬乗るスケジュールに変えられたし、実際、火曜には「雨の合間を突いて乗ろう」なんてスタンバイをすることもなく、月曜の夕方には「あしたは雨だってことにして、もう行くのはヤメよう」って決め込んぢゃった
つまり、やる気がなかったんである
もう、すべてにおいて、やる気が出てこなくて、地震の後とかちょっとピンチのときは「乗馬でリフレッシュできたら」とか、「馬の顔みて頑張ろう」なんて思ったもんだけど、いろんなことに、あまりに嫌気がさすと、馬を見に行く気にもならなかったのには、自分でも驚いた
今週行かないと、たぶんホントに未来永劫行かなくなっちゃうと思って、折れそうな心、奮い立たせて出かけてった。(←まったくいちいち大げさだ
何人か来てたんで、どの馬にするかは、他のひとたちに先に決めてもらって、最後まで待つ。残った選択肢のなかから、「暑いから」って理由(動かすの大変な馬で大汗かきたくないの意)で、キリーンを選ぶ。

馬房の前に行って呼ぶと、ノソノソとクビ出してくる。馬ってカワイイ
キリーンにかぎらず、月曜に運動してなくて休んでると、外に出たくて人のほう寄ってくる馬が多い。
これが火、水、木とビッチシやったりすると、金曜あたりには呼んでも来なかったりすることもある
私みたいに、今日はヤル気がとか何とか、ややこしいことを言わず、体力の余りようがもろに態度に反映するのが、馬のカワイイところ
んぢゃ、馬装して行きますか おお、常歩が元気、元気
さてさて、実は先週「障害馬術講習会」なるものがあって、私なんかには、実践はおろか理解することもできない、高度な内容だったんだけど、「んー、馬に乗るっつーか、馬を動かすってーのは、真剣にやると大変なんだなー」という思いを強くしたところである。
なにをどうするかっていうと、後肢からのエネルギーを(背中をとおして)力強くハミに伝えるにはどうするか、ってことなんだけど、言われりゃ、ハァなるほど、とは思うものの、実際にどうしたらできるかってのは、ものすごく難しい。
んで、今日は、ウォーミングアップの段階から、まずは「馬が自分の前にいる」って乗り方をしようと思ったんだけど、あらら何のことだかわからない できるできないぢゃなくて、どうしたらいいかわからないよ
ナマイキなことをしようというのは、さっさとあきらめて さて、元気のいいキリーンをせっせと歩かす
最初のうちの速歩とかで、クビを伸ばしてサーっと歩かせてみたいんだけど、意外と馬自身がクビを起こして、そのままドンドン歩く。
けっこう背中とかが、ほぐれたところから、手綱を短く持つ気だったんだけど、こちらの思惑にはおかまいなしで、最初っから普通の位置に馬のアタマがある
これだったら、さんざ練習したあとで手綱伸ばしてやったときとかのほうが、よほど自然にスーっとクビを低くするよ
まあ、いいや 元気のいいのを利用して、歩度を伸ばしたり、また詰めたり。
詰めるほうが難しい。がっつんがっつんブレーキかけるみたいにしてもしょうがないので、巻乗りなんかをしながら、まあ適当に
隅角ってのは、馬が勝手に予測して、内に傾きがちなんで、内方の脚でちゃんと圧して、ゆっくりきっちり回る、内側のトモを馬の重心に向かって踏みこませないと、ってああ、勝手に内に行かれちゃってるよ、元気のいいキリーンに
常に「内側の脚、外側の手綱」ってんだけど、特に外側の手綱の何がどう働いてんのか、まったくわかんないねー
んなこんなで、速歩も駈歩も、もちろんときどき常歩も入れて、歩度を伸ばしたり詰めたりをしようってことで小一時間格闘する

歩度伸ばすとき「馬のクビを低く長く」と思ったんだけど、ありゃ、馬に全然そんな気がないみたい(←馬まかせ。)
だいたいねー、ハミ受けがなってないのよ
どーでもいーけど、キリーン、なんか前よりすごくクチ固くなってない?
(クチが固いってのも慣用句であって、ホントに固いのはクビ?)
んー、クチ固いってのとは違うか、それは制御できないってことだもんね、キリーンは、こーんなに巻乗りだって小さく回れるし。「強い」って言うのかな?
前に出して、なるべくベタっと座って、ウリャって背中の筋肉まで使って引っ張っても、引っ張り返されるだけ、折り合うとこがなかった、今日の騎乗
脚使えば前に出るだけラクだったけど、結局うまく乗れず、バトルに終始してしまいました。なにやってんだか。
終わったあと、手を見たら、薬指んとこ、少しだけ皮おかしくなってました。(手袋はしてないよ。)

洗って拭いてブラシかけたりしてると、目が合って、なんか物欲しそうである、ときどき前掻き。
バレてるなーと思いつつ、リンゴ取り出して、やる。
「おう、次回はちゃんと乗れよ」って感じ、なんか見下されてるような気がする、やばいな。“人馬の主従関係の確立(リスペクト)”は、手綱握る以前の話だよね
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キャンディーズ

2011-04-25 23:08:07 | Weblog
えーと、既報のとおり、キャンディーズのスーちゃんが亡くなってしまった。
私は小学生だったんだけど、歌はよく聞いてたし、「見ごろ食べごろ笑いごろ」なんかもよく見てたし、キャンディーズは好きで、なかでも(周りはランちゃん派が多かったけど)スーちゃんが好きでしたね。
CD持ってるかと思ったら見当たらない、ベストをダビングしたMDがひとつ見つかっただけなんで、しかたないんで、それ聴いてます。
いちばん好きなのは、なんだろう、やっぱ「年下の男の子」かな。「やさしい悪魔」も大好き。「微笑みがえし」もちょっと別格で、人気絶頂のなかで解散に向かってく当時のことを思い出して、グッとくるものがあります。
キャンディーズは、うたウマイんだよねー。
近ごろの日本のいわゆるアイドルによる歌は、男も女も何だか大勢でユニゾンするのが多くて、その合ってるような合ってないような声は、私をイライラさせるんだけど、今聴いてもキャンディーズは、そういうのとは一線を画してると思います。
キャンディーズ ベスト・コレクション
クリエーター情報なし
ソニーレコード
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ヒカルの碁

2011-04-25 17:17:17 | マンガ
原作/ほったゆみ 漫画/小畑健 1999~2003年 集英社ジャンプ・コミックス全23巻
きのう将棋マンガだったんで、こんどは囲碁マンガってことで。
「ヒカルの碁」は有名だと思います。なんせジャンプ読まない私だって、その名を聞いて知るようになったんだから。
なんで読んでみようと思ったのかは忘れちゃったけど。読み始めちゃったら、次々と進んでったことをおぼえてる。
持ってる第1巻は2001年11月の12刷、あと手元にあるのはだいたい2002年の発行の単行本だから、そのころ集中して買い求めて読みあさったものと思われる。
第21巻以降が2003年の第1刷なんで、そのへんで追いついたってことか。
(ついでに「碁ジャス☆キャラクターズガイド」ってのも持ってる。)
ストーリーは有名だから書くまでもないけど、藤原佐為って平安時代の碁の達人の霊(なんだろうな?)に、物語開始当初小学6年生だった主人公がとりつかれて(ホラーぢゃないよ)、碁を打つようになって、当然あとはジャンプお得意の、ライバルが出てきたり、戦いのステージがレベルアップしてったり、努力と友情と勝利(ときどき負けるのがいい)をからめて主人公が成長してくってことになるんだけど、私はこのマンガに関しては、不思議とそういうのが飽きない。
ダレるとこないし、何回読んでも面白い。ジャンプ的システムでできあがったもののなかでは(←意味不明?)傑作だと思う。
有名作品だから、いまさらネタバレも何もないだろうけど、ストーリーが盛り上がってくなかで、やがてヒカルと佐為がお別れするときが来る。一心同体だった二人、このあともそれが軸で進むと思ってたのに、運命の別れが訪れる、そこんとこの衝撃は、私が読んだ少年マンガ史上では、白眉である。(何度も何度も生き返る「リングにかけろ」「ドラゴンボール」みたいなジャンプ系とは、ちょっと違う。)「あしたのジョー」の力石の死よりも、私はこっちのほうがショッキングだった。
でも全編ひさしぶりに読み返してみると、ネームが絶妙というか、肝心なとこでのキメのセリフとか、次回への興味かきたてられるヒキのようなものがあって、まったくもって面白い。
絵ももちろんよくて、特に(よく女性に間違われるという美形キャラ?の)藤原佐為が、かわいくデフォルメされて、ハシャいだりダダこねたりするとこが、私は好きだ。
あと、どーでもいーかもしれないけれど、単行本には「ネームの日々」という原作者の4コママンガがときどき各話のあいだに挟まってるんだけど、これがけっこう面白かったりする。
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