A・E・ヴァン・ヴォークト/沼沢洽治訳 1964年初版・2017年新版 創元SF文庫版
ヴァン・ヴォークトを読んでみようと思ったのは、ことし3月くらいのことだったか。
でもホントいちばんに読みたいやつは手に入りにくそうな状況みたいだったんで、なんでもいいから売ってるやつをと、書店に行ったら、これ並んでた。
原題は「THE VOYAGE OF THE SPACE BEAGLE」、1950年の作品。
あー、このタイトル知ってるよ、ということで、メジャー作品そうだし、手にとった、古典なのに新版出るってえらいねえ。
だいたい私は、SFとかミステリとか、名前は知ってるけど読んだことないってのが多過ぎな気がする。
かと言って、いまから読もうとしても、時間がないしねえ。人生は短い、後悔はしてないけど。
さて、私の余生はともかくだ、題名だけ知ってて予備知識なしで取っ掛かるのは、それはそれで期待するものはある。
宇宙船ビーグル号は、乗組員が1000人もいるでかい宇宙船で、丸い形をしているらしいが、作中の紹介によれば、なかは三十階建てで床面積五平方キロだという。
いろんな未知の宇宙生物に出会うんだが、その相手べつに全部で四つのエピソードからなっている。
最初に出てくるのが、黒猫みたいなルックスのケアル、SF界では有名人らしい。
猫みたいだけど、耳には触角、肩からは触手ってとこがSF的進化をたどったとこだ。
で、こいつを船のなかに入れたら、狡猾に大暴れされちゃったんで、追い出してやっつけることになるんだけど。
驚くのは、この猫側からの視点で書かれてる箇所があることだよね、この船を乗っ取ってやる、とか、そっちの意志。
それはいいけど、ほかにも危ないやつを、檻で囲うとはいえ、船内に入れちゃうのがどうしてか不思議だったんだが、
>これは探険旅行だし、標本をどっさり持って帰る用意はしてある。(p.177)
ということで、なんだかわかんないもの捕まえにいくのもミッションのうちだったってことなので、納得。
ほかには鳥型宇宙人で精神面にアタックしてくるリーム人と、真っ赤な円筒型で四本腕と四本足で宇宙空間でも生きられるイクストル、宇宙塵みたいに形がなくてどこまでも巨大化するアナビスが登場。
なんか空間というか物理が地球の人間とちがうんで、どんなものでも通り抜けちゃうとかするもんだから、勝ち目はなさそうなんだが、なんとか犠牲者を出しつつも船は生き残って進む。
でも、その船のなかで、科学者たちが勢力争いをしてたりするのが、外敵との戦い以外に、もうひとつのテーマみたいで、そのあたりも古典として長く支持されてるとこなんぢゃないかなとは思う。
ヴァン・ヴォークトを読んでみようと思ったのは、ことし3月くらいのことだったか。
でもホントいちばんに読みたいやつは手に入りにくそうな状況みたいだったんで、なんでもいいから売ってるやつをと、書店に行ったら、これ並んでた。
原題は「THE VOYAGE OF THE SPACE BEAGLE」、1950年の作品。
あー、このタイトル知ってるよ、ということで、メジャー作品そうだし、手にとった、古典なのに新版出るってえらいねえ。
だいたい私は、SFとかミステリとか、名前は知ってるけど読んだことないってのが多過ぎな気がする。
かと言って、いまから読もうとしても、時間がないしねえ。人生は短い、後悔はしてないけど。
さて、私の余生はともかくだ、題名だけ知ってて予備知識なしで取っ掛かるのは、それはそれで期待するものはある。
宇宙船ビーグル号は、乗組員が1000人もいるでかい宇宙船で、丸い形をしているらしいが、作中の紹介によれば、なかは三十階建てで床面積五平方キロだという。
いろんな未知の宇宙生物に出会うんだが、その相手べつに全部で四つのエピソードからなっている。
最初に出てくるのが、黒猫みたいなルックスのケアル、SF界では有名人らしい。
猫みたいだけど、耳には触角、肩からは触手ってとこがSF的進化をたどったとこだ。
で、こいつを船のなかに入れたら、狡猾に大暴れされちゃったんで、追い出してやっつけることになるんだけど。
驚くのは、この猫側からの視点で書かれてる箇所があることだよね、この船を乗っ取ってやる、とか、そっちの意志。
それはいいけど、ほかにも危ないやつを、檻で囲うとはいえ、船内に入れちゃうのがどうしてか不思議だったんだが、
>これは探険旅行だし、標本をどっさり持って帰る用意はしてある。(p.177)
ということで、なんだかわかんないもの捕まえにいくのもミッションのうちだったってことなので、納得。
ほかには鳥型宇宙人で精神面にアタックしてくるリーム人と、真っ赤な円筒型で四本腕と四本足で宇宙空間でも生きられるイクストル、宇宙塵みたいに形がなくてどこまでも巨大化するアナビスが登場。
なんか空間というか物理が地球の人間とちがうんで、どんなものでも通り抜けちゃうとかするもんだから、勝ち目はなさそうなんだが、なんとか犠牲者を出しつつも船は生き残って進む。
でも、その船のなかで、科学者たちが勢力争いをしてたりするのが、外敵との戦い以外に、もうひとつのテーマみたいで、そのあたりも古典として長く支持されてるとこなんぢゃないかなとは思う。