kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

動きを見て考える

2011-02-08 | 陸上競技
火曜日、朝から体幹補強をしました。メニューを伝えた者にきちんと伝わっていなくて全く別の事をやっていました…。おいおいって感じです。負荷をかけての体幹補強をやろうと思っていたのですが。1つ1つの負荷を増やして回数を減らす。腹筋は強い筋肉ですからかなりの回数ができます。もう1つ上の段階の負荷をかけて筋力アップを図りたいと思います。

午後は予定通りの身体作り。今回は最初から練習に出ることができました。しかし、開始が若干遅い。1秒でも長く練習をやろうという気持ちがあればもっと早く準備して、早く練習を開始しようという気持ちが出てくるはずです。サーキット等を見てももっとできるという感じがありました。こういう細かい甘さがまだまだ目立ちます。本当に強くなりたいという気持ちがあるなら全ての行動が変わってくるはずですから。

ウエイトから見ましたが、女子の基礎筋力が飛躍的に上がっていると感じました。これまでの1年生でここまで筋力が高かった者はいないと思います。ベンチ・スクワットもかなりの負荷をかけることができるようになっています。この冬期はウエイトは減らしています。動きながらの強化が中心になっています。それでこれだけ筋力が上がるというのは衝撃的でした。3年生も驚いていました。何なんでしょうか。

その後のBOX補強では少し道具を使うことにしました。狙いとしている部分を強化するために少し負荷をかけることにしました。これは予想通りの負荷となりました。その様子を見たesaki先生が更なる負荷をかけるための道具を持ってきてくれました。これがかなり効果があると感じました。このあとの補強は全てその道具を使ってやらせました。他の練習では負荷が高くなりすぎるのでできませんが、補強系のトレーニングであればかなりの効果が高くなると思います。なぜもっと早く気づかなかったのかと後悔しています。間違いなく更なるパワーアップにつながる。今からでも遅くないと思うのでその道具を手配したいと思います。購入するのは費用がかかりすぎるのでなんとか自分達で作製したいと考えています。

しかし、考えてみると今からだから出来るのかもしれません。最初からこれ以上の負荷をかけると精神的にも肉体的にも耐えられなかったと思います。基礎筋力が上がってきた今だからこそもうワンランク上げていくことができるのだと。これから約1ヶ月半は更なるレベルアップを目指して取り組ませたいと思います。これが上手くいけば間違いなく必要な筋群の強化ができます。

客観的に見て走れるようになってきている者は冬期に入る前と比べて基礎筋力が上がっています。2ヶ月が過ぎた頃から少しずつ効果が出てきている感じがします。走り自体に変化が見られます。走れるようになっているのには必ず理由があるのです。単純に走ったから強くなってきているのではない。やろうとしている方向性は間違っていないと思いますね。

最後に地味な補強をしましたが、やはりまだまだ足りない部分があります。ここを練習を離れた場所で各自がどれだけ実施できるかで差がつきます。見えない努力ができるようになれば本物です。「心」の成長が全てを決めると思います。本物になると信じたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう一つ上へ

2011-02-08 | 陸上競技
時間があるときに今の高校生が中学時代の記録をいろいろと見ていました。年によって大きな差がある種目もいくつかあります。なかなか面白いですね。

中国地区の110mH、これはここ最近にないレベルだと思います。調べてみると今の1年生には中学時代に全中で入賞している選手が1人、その選手と中国大会で同タイムで優勝を分け合っている選手が1人(全中は準決勝で途中棄権)。つまり全国入賞レベルが2人いるわけです。このときに14秒5を切っていますからかなりのハイレベルです。今の1年生は中国大会で誰も決勝に残っていません。他地区のレベルと比べると見劣りしてしまいます。男子は強い「個」があればそれだけで戦えますから。

女子の100mも同様。中学時代から12秒5前後で走っている選手がかなりいます。県内にも2年生の段階で12秒台を出している選手が多くいます。その選手たちがその後どうなったのかを追跡調査してみたわけではありませんが、ひとまず12秒台で走るのが「当たり前」というレベルがあるのは分かります。他県の選手は「強豪校」といわれる学校に集まって日々の切磋琢磨があります。技術的指導云々ではなく「環境」が強くなるためのものなのです。目の前に自分よりも強い選手がいて少しでも手を抜けば個人種目・リレーでの大会出場ができなくなる。そうなると自然と努力する雰囲気ができます。もちろん、その雰囲気についていけずドロップアウトする選手もいるでしょうが、「元の数」が違います。12秒台の選手が集まってチーム内のライバルを意識することでチームは劇的に強くなります。

中学時代の実績。これだけで勝負するのであれば最初からスタートラインに立つ必要はないと思います。やる前から勝負が決まっているということになりますから。「速い者は速い」というのは事実です。ほとんど練習をしなくても速い者は本当に速いのです。これは指導者の「力」というよりも「個の力」です。選手自身が強いのですから。高校に入るまでは成長期ですから、何もしなくても身体が大きくなり筋力がついてきます。それに伴い自然に速くなる。どんな技術指導であっても、「走っておけ」であっても大差なく速くなると思います。批判を覚悟で書きますが小さいころは指導者の力云々ではなく「個の力」で伸びるのです。素人の指導者であっても強い選手を抱えることがあるというのがこのことを顕著に証明していると思います。

師事している方がよく言われるのですが「強くない者がどれだけ伸びたか」で本当の指導力が問われるのではないかと思います。ほとんど実績がなかった選手が高校時代に活躍することがあります。「陸上をやっていなかった」というのは別に考えて、試合に出ていたがそれほど速くなかったという者がどれだけ力を伸ばすかが重要なのだと思います。これが基本的なスタンスになければ「速いものだけがやればいい」ということになります。こういう書き方をすると周りからは「何を偉そうに」と思われるかもしれませんが、しっかりと向き合って指導ができれば選手は変わってくる、強くなっていくと真剣に思っています。私はまだまだ力不足ですからそこが実現できていません。

ここ最近、「普通のチームがどこまで戦えるか」を考えています。うちに来る選手は中学時代にトップだった選手はいません。男子で100mを11秒台で走るような選手はめったにいません。女子で13秒台で走っていたら「速い」というレベルです。どこにでもある「普通のチーム」だと思います。だから「県で戦うことを目指そう」とは思いません。選手たちの「力」を最大限に引き出すことができれば中国、全国で戦えるレベルになるのではないかと考えています。「選手がいないから」ではなく、この状態でどこまで戦えるようになるかを本気で考えていけばもっと高いレベルで勝負ができるのではないかと思います。
実際に今の3年生、中学時代に全中出場した選手は当然いません。県の決勝に進んでいた者は100mHのakaneだけだと思います。それも下位入賞。そんなどこにでもいる選手が集まった「普通のチーム」が本気でインターハイを狙うチームになりました。12秒台で走れる選手は1人もいませんでしたが。これは指導者の力というよりも「本人たちの意識レベル」がかなり高かったのだと思います。「その気にさせる」ことくらいしか私がこの子達にしてあげることはできなかったと。中国で7位となり本当に悔しくて夜も眠れない日が続きましたが、このことで「本気になればどこまででもできる」と感じることができました。最初の段階を考えるとこの子達がこのレベルまで来るとは誰も想像しなかったと思います。

これが「たまたま選手が集まったから」で終わってしまえば意味はありません。新チームはそこまでのチーム状態ではありませんでしたから、今後がかなり厳しいということを感じていました。それでも「もう一つ上のレベルで」を目指してやっています。指導者が本気なって取り組んでいけば選手にも伝わる部分が出てくると思います。もちろん、考えられないくらいの労力を要しますが・・・。ある程度走れるようになってくると選手も「その気」になります。本当は「強くなるんだ」と心から思って取り組んでいった結果であるのが望ましいのですが・・・。これが最初からできていればもっともっと強くなるのですが、全員がこの水準に達するのは本当に難しいことです。

今は「もう一つ上のレベルで」戦いたい。競技に対する意識を上げたいと考えています。それを選手が本気で感じてくれるかです。中学時代の実績を乗り越えて「努力すれば強くなるんだ」というのを証明していきたいと考えています。簡単なことではありません。それでもチャレンジする価値はある。「心」の成長を促しながら前だけをみてやっていきたいですね。この「想い」が選手に伝わるようになれば、選手自身が「本気」になれば結果は大きく変わってくると思います。上を目指したい。いろいろな意味での「上」を。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする