kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県体1日目

2011-11-01 | 陸上競技
この日、3つの種目で決勝に残ることが出来ました。

1つは男子の400m。これは1年生の男子でした。中学時代は野球をやっていましたが高校で陸上に専念。中学3年生の時に54秒後半で走っていましたが高校に入って思うように走ることが出来ませんでした。伸びる確率はかなり高いと思っています。この日の予選、課題である前半が上手く走れませんでしたが武器である後半に大きく伸びました。これまでのベストを1秒以上更新して53秒2でタイム予選8番目で決勝へ。まだまだ戦えるレベルには届いていませんが苦しんでいた時間を乗り越えて決勝に進めたというのは大きいですね。決勝は少しタイムを落としましたが6着に入りました。これにより県合宿に参加できる資格を獲ました。自分で自分の未来を切り開いていってもらいたいですね。

男子100mでも3年生が決勝へ。予選は11秒35でタイム予選8番目。9番目と全く同じタイムでその選手も3年生。微妙な所でしたがほんの少しの差で決勝に進むことができました。春先は色々ありましたが何とか念願の決勝進出。決勝ではスタートが上手くいきましたが後半で追い付かれて6着。タイムがもう少し上がれば良かったとは思いますが決勝で戦えたのは大きな経験ができたのではないかと思います。

女子の100mではインターハイ以降苦しんでいた者が何とか走れるようになってきました。予選は12秒8。持ちタイムからすれば記録的には遅いと感じられるかもしれません。しかし、本人の秋の苦しみは計り知れないものがあります。レースが終わってから一番最初の一言が「12秒台が出せて良かった」でした。この言葉に全てが表れていると思います。
決勝では抜群のスタートを見せました。が、中盤以降伸びずに12秒74で7位。このレースで今後の可能性を感じました。本来の武器は後半の伸びです。ここはこれからの練習でいくらでも対応できると思っています。明らかに練習が不足しているから上手く走れなかった。他の選手は夏場にしっかりと練習を積めています。2ヶ月近くまともに走れなかった選手が勝ち上がれるほど甘くはないのです。こういう事実をきちんと受け入れて何をやっていくかだと思います。やっとスタートラインに立てたという感じです。これからが本当の戦いになります。

その後男子の4継でかなりの時間を要しました。周りにも大きな迷惑をかけました。長い1日だったと思います。
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県体~最大のトラブル~

2011-11-01 | 陸上競技
土曜日、最大のトラブルというと男子の4継だと思います。男子の4継は県体での入賞(3位以内)を目指してやってきました。この大会は3年生が出ないチームがほとんどです。うちはいろいろとありましたが最終的に3年生が競技を続け出場することになりました。県総体では準エースが骨折のため大幅戦力ダウンで迎えて準決勝落ち。「たら」「れば」はありませんが走れていたら全く違う結果になっていたと思います。県総体前後は本当にチームが崩壊していましたから・・・。今回は3年生を走らせると決めた時点からずっとバトン練習を継続してやってきました。最後のレースで「失格」はあり得ませんから。

が、朝から大きなトラブルが。ここ最近力をつけてきて3年生の走力に近いくらいのスピードが出せるようになっていた選手がいます。チーム内で2番手です。この選手がきちんと走れれば間違いなく43秒前半は出せるという感じでした。このくらいのタイムが出せれば目標にしてきた3位入賞も可能になります。しかし、前日の夜からこの選手が体調を崩し当日の朝は全く走れる状態ではないとのことでした。無理して走らせるわけにはいきませんから急遽帰宅させることにしました。これによりチーム力は大幅ダウン。どうして試合が近づくとこういうトラブルが発生するのでしょうか・・・。男子は前日の遅刻、当日の選手変更により微妙な空気が流れていました。1つのことをやり遂げるという感じが不足しています。とはいえ出場するからには戦いたい。メンバーを変更して出場させました。変更した選手は県新人で3走を走っています。練習は継続的にやってきていますから対応はできると思っていました。

実際のレースは5組中の4組目。5組に上位チームが集まっていますから4組目でトップで入らないと入賞はありません。実際のレースが始まり1走はかなりいい走りをしてくれました。これなら行けると思った瞬間、2走が出た瞬間「早い」とわかるような早出をしました。100%渡らないというレベルの早出でした。出た瞬間1走が「待て」を繰り返したようですがバトンゾーンのギリギリのところで止まってバトンをもらいました。撃沈です。そこからなんとかつないでいきましたが1着に大きく離され2着でフィニッシュ。終わりました。この2走は前日出発の時に遅れてきた者です。「全てはつながっている」と言い続けてきましたが、やはりここに出ました。春先は骨折、今回は早出、チームの力を出し切ることなく終わってしまった・・・。なんともやりきれないですね。

しかし、レースが終わって4組目に出場したチームの顧問が集められました。機器の不備により記録が計れていないとのこと。再レースということになりました。奇跡的な話です。もう一度走るチャンスをもらえたのです。この事実をどう解釈するか。考え物です。通常であればバトンミスをした時点でレースは終わりです。もう一度走って記録が出ても釈然としない部分があります。全体で放送があって選手にも「再レース」が告げられました。ここでうちの選手が集まっていましたが、見ていると先ほど早出をした選手が全く別の練習のようなことをしています。さすがに頭にきました。これまで「怒らずにやろう」と思ってやってきました。しかし、今回は無理。バトンをミスしたことを怒っているのではありません。あまりにも状況が分かっていないということに対して怒っているのです。これまでも何度もありましたが「怒らず」「感情的にならず」を心がけていました。
前日の遅刻から始まり、バトンミス、そのことを振り返って再レースに備えないといけないのに全く別のことをしている。後で師事している方に「あそこで怒るのはダメ」と指摘されましたが、さすがに我慢できませんでした。周りの選手の気持ちを感じ取らないといけません。個別に注意をすればよかったのかもしれませんがやはりチームとしてはこの状況を許してはいけないと思いました。「悪い」と思っているはずです。謝ればすむのかというとそうでもありません。しかし、再レースがあるというのであればそこに向けてやっていかないといけない。あまりにも「自分が中心」という部分が大きすぎます。「再レースには出場しないほうがいい」と思いました。出ることに意味があるとは思えませんでした。かなり話をして伝わったかどうかは分かりません。最後に3年生に「どうしたいか?」と聞くと「最後だから走りたい」という意見でした。「最後だから」という部分で私も我慢して出場させることにしました。甘いですね。

話をした後何かを男子が話をしていました。一致団結という雰囲気が最後の最後で出てきたのかもしれません。通常であれば「出なくていい」と言われている状態から気持ちを切り替えて出場するというのは難しいですが「やってやる」という気持ちが強ければ戦えます。再レース、今度はどこの区間もきちんとバトンが渡りました。こうなると一気にタイムが短縮できます。トップでフィニッシュして記録タイマーは43秒94で止まりました。正式な記録を待たないといけませんがひょっとすると3位に入れるかもしれない記録です。私は微妙な気持ちでした。「良く走った」「やっとつながった」というプラスの気持ちと「タイムを出したらほかのチームの順位が下がる」というマイナスの気持ちです。本来であれば入賞できないくらいのタイムでした。それが再レースとなり走ったら43秒台が出た。それにより入賞すると8位だったチームが入賞できなくなります。「あり得ない」ことが起きたため順位が入れ替わる。どう受け入れるかです。「失敗してもなんとかなる」という経験をさせたくはないという気持ちがありました。本来なら一発勝負です。ミスをしたらそこでお終い。今回は奇跡的に再レースになりましたが、レース中のミスは許されないということを各自が分かっておく必要があります。

ここでさらにトラブルが。再レース、周りが暗かったためにまたも記録の測定ができなかったということです。結果的に4組目は記録なし。43秒9という記録は幻の記録になりました。そのため男子の4継は順位がつかないということになりました。この形がうちのチームにとっては一番良かったのではないかと思います。競技本部からの選手に説明をしてもらうよりは自分で説明するほうが良いと思ったので「顧問に説明させてもらいたい」とお願いしました。上位入賞する可能性がある状況でしたから受け入れてもらうことができました。

宿舎に戻り選手には「再レース」は記録が取れなかったことを話しました。少なからずショックを受けていたようでした。43秒台が出て喜んでいた、入賞したといって安心していた部分がなくなるので当然です。冷静に考えさせました。うちは1回目のレースでバトンミスをしている。この時点で負けているのです。しかし、神様が「納得できるレースをしろ」といってチャンスをくれたのです。今シーズンに入って一度もまともに4継を走れなかったので「走るチャンス」がもらえた。2本目のレースで納得できるレースができて非公認ながら43秒台が出せた。これだけで十分ではないかと。もし、うちが43秒台で入賞すれば他のチームが入賞できなくなる。本来であれば「あり得ない」ことで他のチームが嫌な思いをするというのはやはり良くないと思います。この話をして男子を納得させました。翌日のマイルで3位以内に入って見せろと。

めったにできない経験です。ミスをした選手に「立ち直るチャンス」と「考えるチャンス」を与えてもらったと思います。前日からの行動・レース後の行動を振り返るチャンスをもらえたのです。こういう内容を書くと「批難」されること、不快に感じれる人がいるとは思います。しかし、「現実」を示してきました。受け取られる人の感覚の問題だと思います。教育をしていると思っています。「ダメなものはダメ」と教えること、「全体で動いている」ということを認識させること。大事なことです。大きなトラブルをどれだけ力に変えていけるか。そこが大事だと思います。

非常に貴重な経験ができたと思います。
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