水曜日、朝練はミーティング。この日は「進んで代償を払う」という内容です。なかなか分かりづらい話かもしれないですね。
冒頭に「私の場合、一夜にして成功するには、16年という厳しい歳月が必要だった」という言葉がありました。ここの意味について選手に考えさせました。「成功」という瞬間だけ見れば何事もなく上手く行ったと思われるかもしれない。しかし、その背景には上手くいかない16年間があった。その16年間諦めずにさまざまな我慢をしてきたから最終的に上手く行ったのだというのです。成功というのは容易く手に入るものではない。周りの者は「簡単に成功した」と思いがちですが事実は違うのです。
陸上競技の短距離というのはたった数十秒で終わります。その短い時間のために想像を絶するような努力を必要とします。うちの選手が中国大会で25秒4で走ってインターハイに行きました。その結果だけを見れば成功だと思われるかもしれませんが、そこに至るまでの苦労はかなりのものです。たった25秒のために何百時間を使ってきました。まだまだ甘さが大きく残った中でしたが努力をしてきたのは間違いない事実です。
この本にも「あらゆる偉業と大成功の影には代償、規律、練習がある」と書いてありました。成功をするためには、他の者が遊んでいる時間に練習をしなければいけないし、お菓子を食べるのを我慢しないといけない。苦手な練習でも自ら進んでやっていくようにならないといけない。簡単なことではありません。しかし、成功のためにはそれ以外はないのです。目標に向かっていけばどれだけ大変でもそれをやり抜くという強い姿勢が必要不可欠になる。当たり前ですがなかなかできない。
「大事なのは、勝ちたいという気持ちではない。それは誰でも持っている。大事なのは、勝つための準備をすることだ。」。このことは選手にとって当たり前すぎる事ですがなかなか理解できません。勝ちたい、勝ちたい、と言い続けてもそのための準備がきちんと出来なければ勝てないのです。勝つための準備とはしっかりと練習をすること。練習がきちんと出来なければどれだけ力があっても勝てるはずはないのです。この事を繰り返し話してきました。私の言葉だけではなく様々な本にも書いてある。多くの人がそれを感じているのです。それは真理だと思っています。
やるのはいつか?今なのです。努力を始めるのを先送りにしてもいつまでたっても成長はしません。本当に目指すところがあるなら思い立った瞬間から努力を重ねる必要がある。その事を心で理解してもらいたいでせね。時間はかかるかもしれませんが、将来の大きな伸びのためにやっていきたいと思います。