kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

何を求めるか

2019-09-05 | 陸上競技

思うことを。



先日から「陸上競技について」というテーマで考えています。ここは何が正解かいつもわからないですが。私が指導するにあたって「大切にしたいもの」について考える必要があるなと。これから先、陸上競技に指導をしていくにあたってやはり考えていかなければいけないと思っています。



毎年、中学生は「高校進学」をしていきます。その時に何を基準に高校選択をするのか。色々な基準があると思っています。勉強第一で考えて進学する。就職希望だから実業高校に行く。成績が伸びないので「行けるところに行く」というのも選択の一つだと思っています。これは分かりません。「競技をするために高校を選ぶ」という選択肢は我が県では少ない気はします。これは私の感覚的なものかもしれませんが。実際問題、うちの学校では昨年度国公立大学に21人進学しています。これはかなり多いと思っています。法政大学や立命館大学、関西大学への進学も。そういう部分はなかなか知られていない。



「競技をしたい」という希望がある。とはいえ、それが十分にできない環境でやることになる選手もいます。仕方ないかなと。専門的な指導を受けることなく競技をするという選手もたくさんいます。県内外を問わず「陸上競技をやる」と思って進学したが専門的な指導が受けられずに「思っていたものと違った」という場合も多くあります。それは進路選択をした自分自身の判断です。そこに関して周囲が同行できる話ではないかなと思います。



高校選択をする際、「専門的な指導が受けたい」と思う場合もあれば「みんなが行くから行く」という場合もあると思います。「走るための技術を高める」という部分と「楽しくやっていきたい」という部分。どちらも間違ってはいないと思います。ここ最近感じているのは「技術を高めたい」と求める選手のほうが圧倒的に少なくなっているのかもしれないなという部分です。中学生にそこまでの「技術的な話」を理解してもらうのは難しいと思います。それでも「走るために何が必要か」は少しずつ興味を持ってもらいたいなと思っています。



私のような考え方は「一般的ではない」のかもしれません。どうせ競技をするなら「速くなるほうが楽しい」と思っています。それなりに速くなってよかったねという話なのか「できることを最大限やって速くなる」のかです。全国どこでも練習はしています。指導者が専門的な知識を持っていなくても「才能」によってその選手が速くなって全国入賞するという可能性だってあります。それは陸上競技が個人種目だからかもしれません。



速い選手は速い。これは覆りようのない事実です。でも、その選手が「正確な動き」や「走るために必要な感覚」を身に付けるための練習ができていたらどうでしょうか。もっともっと速くなっている可能性があります。これは実験ではありません。選手はそれぞれ1人ずつしかいないので異なる環境で異なる練習をした場合の結果の変化を実証することはできない。だから「正解」が見えてこないのだと思います。「速い選手がやっている練習が正解」だと思われる部分がある。本当は「速い選手だから」という部分があってその練習が万人に当てはまるかどうかは別問題なのです。



今考えていること。それは「本気で速くなりたい」と思っている選手と一緒に高い目標を目指したいという部分です。これは出会いだと思います。縁ともいえる。これまで広い意味で見てきた中で「基本的なことをやっていたら・・・」と思う選手は数えきれないくらいいます。技術的な変化なく身体づくりもきちんとできず、それでもある程度の走りをする選手がいる。きちんとやったらもっと速くなるのになと感じる部分です。しかし、それは「選択の結果」なので私があれこれ評価する話ではない。



今の私の指導スタンス。これがどれくらいの人に受け入れられるのか分かりません。競技に関しては時間がある限り考えるというスタンスです。趣味というか「生涯テーマ」だと思っています。突き詰めて考えていくことが楽しいと感じるタイプですから全く苦になりません。残念ながら「詰めた話」を本気で聞いてくれる人は数少ない。競技について、速く走ることについてマニアックすぎて聞いても面白くない可能性があるのです。



もちろん、選手には全てを提示することはありません。やりながら目指す動きを身に付けていくという部分が多いからです。道具を使う練習が多いのも「感覚が作りやすい」というのが大きい。動きを無理やり変えることはしません。本人たちの走りにあった感覚づくりが出来ればと思って個別対応します。同じ動きを目指すにしても伝え方が全く違ったりします。毎日グランドで見ていて「こっちのほうが伝わりやすいな」と感じたらそれを選びます。



そういう意味では私の指導のキャパは小さいと思います。30人くらいを一斉に見るというのは難しいかなと。10人前後でしっかりと見ていくというスタイルのほうがあっています。多すぎるとメニューを提示してそれを「やっておくように」という形になってしまう。少人数で練習をすることでデメリットもありますが、私のスタイルであれば多すぎるよりは適度な人数のほうが進めやすい。話をしながら感覚の確認をしながら積み上げていくので。



動きの変化と筋力的な変化。これが必要条件だと思っています。中学時代速くてもそれが高校でも続くとは限らない。だからこそ縁あって指導させてもらえることになった選手に関しては「責任をもって関わりたい」と思っています。中途半端な指導をするのは選手にも保護者にも失礼だと思うからです。だから私自身は学ぶことをやめない。考えることをやめない。それでしか応えることができないと思うからです。「速くなりたい」という要望に応えるためには指導する側が止まっていたり、「分からないけど指導する」というのは避けるべきだと思うからです。



キャパが狭いと思っています。現在指導ができるのはスプリント系とハードルが中心です。それ以外の種目も「少し」はできますがそれは「理論的な部分の応用」でしかなく、本当の意味での「専門的な指導」はスプリントとハードル以外はできません。興味関心がないというよりも「スプリントもハードルも極めるまで勉強できていない」と思う部分があるからです。正直、かなりのことを勉強していると思います。動きの習得に関しても試行錯誤しながら選手に一番適した動きを考えていく。「一般的な指導者」ではできない。それでも「まだ足りない」と感じています。もっとできることがあるのではないかという部分があるからです。



他の種目の指導が十分できない分、自分自身が専門だと考えているスプリントとハードルに関しては突き詰めて考えていきたいと思っています。周囲の人に絶対に負けないと言い切れるだけの「指導力」を身に付けたい。そのためには県外に出て尊敬する指導者と話をする中でもっと明確な方向性を導き出したい。量を踏む練習スタイルのチームよりも「きちんと考えて組み立てられている」指導スタイルのチームが今の私の考え方には適していると感じています。



私自身、自分がすごいとは全く思いません。本当に好きでやっているだけだから。好きでやっているからこそ、本当に速くなりたいと思っている選手と一緒にやりたい。ここも覚悟の部分かもしれません。ある適度覚悟を決めて「絶対にインターハイで決勝に残る」「日本一になる」と思ってくれる選手と出会えたら最高だと思います。もちろんそんな話はレアなので一緒にやっているうちにそこを目指すようになっていくというのもあると思います。私自身が更なる高みを目指してやらなければ、選手も高いところを見ようとはしない。だからいつも「本物と関わる」ことを大切なしたいと考えています。



まとまりませんが。今やりたいと思っていること、やらなければいけないなと感じている責任の部分。そこは常に持っておきたいと思います。陸上競技が本気でやりたいと思います。
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