続きを。
午後からは少し走りたいなと思っていました。技術練習もですがある程度必要な走練習をしておきたい。最初は全体で一緒に。ハードルドリルをやりました。ハードルを使った補強的な部分です。走りに必要な要素を取り入れながらやっていきます。股関節周辺をうまく使いながら。一歩ハードルまで。スプリント選手には「ハードリング」は求めません。しかし、一歩ハードルをやることで強い接地やフォロースイングのタイミングなどがつかめるようになります。間の「タタ」が遅くならないようにしたい。それだけで走りの動きが改善されます。
何度も書いていますが「方法論」です。やりたい動きがある。それは共通すると思っています。スプリント理論というほどのものではありませんが「走るために必要な要素」はあります。理想的な動きというか「地面への力の加え方」「接地のポジション」「フォロースイングのタイミング」「重心の移動」など多くの要素があります。独立してそれぞれをやることもあります。それは「段階的にやる」ときですね。積み上げ式で動きを作っていくので「理解」ができるようになります。多くの要素を含むのが走りですからこちら側がきちんと理解して組み立てなければいけないと思っています。
短期間の練習ではある程度端折ってやらなければいけません。そうなると戻るのも早くなる。繰り返し練習をするという部分が必要になります。動きが変わっていくために丁寧に繰り返すことができるか。飽きないように工夫をするという意味で練習パターンを増やしています。それは目の前の選手を見ながら確認していくことが大事。正解は書籍の中にはないと思っています。グランドレベルです。
ハードル走を少しだけやりました。接地のポジションを作るための練習です。「上手く跳ぶ」というよりは「ハードルを跳ぶ」という中で様々な要素が身につくと思っています。ハードルと跳ぶためには「強い踏切」が必要になります。地面に力を加える感覚です。更に空中での「重心移動」が生まれます。接地する時に「身体の真下」でとらえる感覚も作れます。ハードル選手だからハードルを跳ぶというののではなく「スプリント練習」として重要だと考えています。ロングスプリントは数本やってそこから150mへ。ショートハードルはそのままハードル走を数セット。
中学生です。それほど多くのことはできません。せっかくの国体合宿ですから「ハードルを跳びたい」と思っているはず。そこに合わせて「ハードル走」をしました。それほど速いスピードではありません。両足を使いながら接地のポジションを確認する。速いスピードでハードリングをすると意識できない部分もあります。余裕を持ったスピードで走ることで接地のポジションが確認できます。インターバルは7.5としました。最大スピードで走るというのではなく「技術練習」としてのハードル走です。
2本ずつ実施してから60mのスプリント。ここも本人と感覚を確認しながら。面白いことに走り自体が大きく変わっていました。膝の引き出しができる。股関節が広がらない走りだったのですが膝が前に出るようになっていました。そうなると本人も「楽に進む」「スーッと進む」という言葉が出るようになります。やり甲斐がありますね。
ハードルで勝負するためにハードリングにこだわってやるのではなく、根底にあるスプリントをいかにして上げていくか。そこにこだわって指導をしているつもりです。足りない部分を強化していく。大切だと思います。
ロングスプリントは150を3本。これは本人たちが望んだのでこの形にしました。2人で走ることになったので気持ち的にしんどい部分があったと思います。それでもやり続ける。この1ヶ月強の間に何度も一緒に練習をしてきました。krkはハードリングというよりは走練習を他の選手と一緒にやってきた感じです。上述のようにハードル練習だけをして戦うのではない。力自体を上げないと日本一には届かないかなと。
動かないと言っていましたが「日本一になるんやろ?」という言葉には反応。最後の一本はこの日で一番良い動きをしていました。気持ちが入って集中した時は本当に強い。本数を重ねる練習よりも集中して走る時が一番良さが出るのかもしれないですね。ここからは本数を減らしていく時期になるのだと思います。しっかり調整してもらいたいですね。
最後はkrkが望んでいたので体幹補強を。イメージ的に「固める」方がいいなと感じたので固定系の補強を。思いつきのモノも含めてある程度の時間やっていきました。色々な補強がありますがこの時期に走りに生かすことを考えると一番はこれかなと。正解かどうかは分かりません。
私に何ができるのか、何ができたのか。よく分かっていない部分はあります。それでも与えられた責任は果たしてきたつもりです。国体に選ばれた選手が大切な場面で最大限の力を発揮してくれればいいなと思います。