練習のことを。
練習に他の部活動の選手が参加してくれた。以前から同じグランドで練習をしていて「効率的な練習」について模索している中での練習参加。筋力を上げたり技術系の練習をするというのが一般的なスポーツだが「このままでは結果に繋がらないのでは」という感じで考えていた様子。そこでうちの練習に参加してみるという話に。
全てはできないので「バランス系」と「上半身下半身」、台ドロップとハードルドリルを実施。見ているとこちらが勉強になる。男子選手だったので筋力はそれなりにあると思う。が、実際に補強をさせてみるとできないことの方が多い。もちろん初めてやる種目というのもあって手間取る部分もある。が、それ以上に「できない」という感じがあった。単純に「ロープのぼり」をするにしてもできない。背筋が弱いというのもあるだろうが「どのように動かしたらいいのか分からない」という雰囲気。
腕立てジャンプ一つをとっても地面についたときに耐えられない。つぶれてしまってマットに身体が着いてしまう。これは筋力という概念だけではないと思う。どのように力を使うのか、どのようにして身体を固めるのか。できない。
更にハードルドリルをやってみると顕著になる。股関節からの動きができない。うちの選手がきちんとできているかどうかは別にして。「末端」を動かすような練習になってしまう。ハードルドリルで女子でも届く距離が全く届かない。その動きの中で「腕が使えない」というのもあった。慣れない動きだから仕方ないというだけではなく「どのように動かすのか」「どのように動いているのか」が分かっていない感じがする。実はそれを修正していくだけで競技能力は飛躍的に上がるのではないかなと感じた。
これは前からずっと考えている部分。「やりたい動き」「必要な技術」があるとする。それをやろうとするけど「できない」ということがある。それに対して「努力不足」「意識不足」という指導をする。全員とは言わないが「やろうとしている」という選手もいる。それでも「できない」部分がある。それは「意欲」の問題だけではなく「筋力」の問題があると思っている。「足を上げる」という動作一つをとっても腸腰筋が弱ければできない。「身体がぶれる」という動きに対して「ぶれないようにしろ」という指導はしても「なぜぶれるか」を考えない。
実際は「やりたい動き」に対して必要な筋力やボディコントロールができないというのが一番の要因だと思う。筋力を上げるだけではなく「いかに使えるか」が重要。mtm先生が「最小限の力で大きな力を」というのはこの部分だと思う。大半の選手は「筋力不足」というだけではなく「力の発揮」が上手くいっていない。だから進まないのではないかと考えている。
ウエイトトレーニングをして「筋肥大」をさせる。パワーは「筋力×スピード」なので筋力を上げることでパワーそのものが上がるという考え方が主流。しかし、筋肉は重い。重心移動をし続けるスプリント種目にとって「重りを背負って走る」という状況がプラスになるのかどうか。「効率よく動く」ことで筋力という重りに頼らずに進むことができるのではないか。
特に「股関節周辺の使い方」ができない選手が多い。今回参加してくれた男子はここが壊滅的。この部分が使えるようになる。身体の中心から動かせるようになる。これだけで大きくパフォーマンスは変わってくるのではないか。そうであれば今うちがやろうとしていることの方向性は間違っていないなと感じる。
目に見える変化を生み出すほうが評価を受けやすいのかもしれない。身体を上手くというのは地味なので分かりにくい。それでも継続していく事で確実に成長していく。やっていない選手と比較するとその差は歴然となる。普段見ていると見えてこないものがこういう機会に見えてくる。
これをなんとか結果に繋げていきたい。全ての精度を上げていく事でワンランク上の取り組みができる。奇抜な練習のように見えるのかもしれない。それでも大きな意味をもつ。「結果が出ていない」と言われればそうなのかもしれない。今のメンバーで戦っていくためには「普通のこと」をやっていたら無理。こちらもしっかりと取り組んでいきたい。
何をやるべきか。そこに正解はないのかもしれない。自分の中で正解を見つけていきたい。
また周りくどい内容のblogになっていますね。競技について考える。そこはすごく大切だと思っています。見つけていきたいと思います。