前の記事の続きになるかどうか。
「走る」ということは本当にシンプルです。余計な動きをしない選手は速い。これは真理だと思います。小手先の技術をどうするのかだけを考えるのではなく、「根本」をどうするか。例えば「踏切が弱い」と言うような話になる。だったら踏切局面を強く意識すればいいのか。本当は「踏切」自体は「方向を変えるだけ」の動きだと思っています。その局面だけを強化しても結局うまくいかない。もっと別に要因がある。
脚の動きに関して。関東では「回す」ようなイメージがある気がします。これは私がそう思うだけで実際は違うのかもしれません。が、「回転運動」を意識するとどうしても「後ろで回る」気がします。本当は「身体の前で動かす」という部分ができることで「乗せる感覚」や「重心移動」が生まれやすくなる。足運びについてある場所で習ったことがあります。最初の部分は納得がいく。師匠から教わった部分と同じなので。そこから「明らかに回転運動になる」という「足運びのドリル」となっていました。「締めながら前に出す」というイメージで考えていたのが「締めてから前に出す」という動きになる。それは「現象」を追うことで「異なる動き」になっているのではないかという視点で見る必要がある。
動きを考えるとどうしても「目で追う」ことが増える。見た目の動きがどうなっているかを見続けてしまう。しかし、動き自体が実は「結果」だという視点で見ていけば「どこにポイントを置くのか」だけを考えられるのではないかなと思う。走りについて考えなければ選手に対して「最適解」を提供できないのではないか。
ここ数回の記事で書いているが「補強」の位置付けについても考えていく必要がある。「腹筋背筋」をする。どこでもやる補強。逆にやらないチームはないのでは?という話にまでなる。が、その「腹筋背筋」を練習で実施する意味がどうなのか。意味があるならやれば良いと思うし、意味がないならやらなければ良いだけの話。
取捨選択をする中で「本当に走りに必要な補強」は何かというのを考えていかなければいけないのでないか。「仕事率」の話を聞いてからしばらく考えていました。今やっている練習は様々な補強をします。何がプラスになるのか分からないという部分はあります。が、「絶対に外せないモノ」があるのではないか。
補強、実際やっている中で「負荷をかける」ことが主眼になっている部分がありました。しっかりと負荷をかければ速くなる。そういう思い込みがあったと思います。どこよりも補強を工夫してやっていくことで「速く走れる」と考えていました。それがある程度の結果につながっていると思います。基礎筋力自体はかなり上がってきています。
が、それで本当にいいのか?もっと工夫の余地があるのではないか。そう考えていた時にrknでの練習を見る。あの練習を取り入れるのではなく「うちの練習スタイルに合わせる」ことで今よりも「意味のある練習」にすることができる。これまでやってきたことを精選して「走るために必要な補強」を徹底しようと。
ここも表現が難しいのですが。これまでやってきた補強が「意味がなかった」とは思いません。しかし、もっとこだわってやっていく必要があるかなと。「地面に大きな力を伝える」「力を逃がさない」というベースの部分をどうするかを考えて補強をしたいなと。もちろん「身体を上手く使う」という部分と並行してやっていく必要があります。必要以上の筋肉はつけない。中身を詰める感覚の中でさらには「力を逃がさない」という感覚を磨く。
ここを徹底するだけで負荷は自然に上がってくると思います。常に走りを意識して補強をしていく。繋がりを明確に示す。そこができることで筋肉には大きな刺激が入ります。バランス良く鍛えていくことが求められますが、それだけではなく「力の発揮」に合わせた練習ができるようになるとそれが走りに出てくるのではないか。きちんとした補強をすることが「走りを作る」ことにつながっていくのだと考えています。
補強も走りも同じことなのかなと。「走り込み」が何を目指すのか。「こんなに走ったから強くなる」という精神的な支えにはなるのかもしれません。走練習の時に普段以上に走ったら「やった感」は出ます。キツくて最後にジョグレベルのスピードになったとしても「こんなに追い込んだんだ」という自分の中での満足感は高くなります。本数や距離で負荷をかけることで「やった感」が高くなります。それが本当に「速く走るため」につながっているかどうかは全くの別問題だと思います。
スピードが鈍った中で走り続ける練習。時として必要だとは思います。「自分の中の殻を破る」という機会は必要です。「できるはずがない」と思っている練習であってもそれをやり切った時の達成感は大きい。みんなで苦しい練習をやっていったことが「良い思い出」になると思います。精神的な部分はあるのかなと。「満足感」「達成感」は獲られる。時として必要だと思います。
が、普段の練習の中で毎回その手の練習をすることが本当に「速く走るため」に繋がるのか。疑問があります。高いスピードを出さない練習の中で最大スピード向上を狙う。それは変な話ではないか。そうであれば「速く走るため」に本当に必要な練習をするべきではないか。補強も走練習も全てはそこに集約されなければいけない。
だからこそ「突き詰めてやっていこう」と考えています。補強とスプリントを組み合わせる。必要な要素を抜き出して徹底的にそこを鍛える。「地面に大きな力を伝える」ために必要な筋群を強化してそれを上手く使えるようにする。伝える力の方向を定める。伝えた力を逃がさないように固定する。ここにこだわって練習のを組み立てることで「走る」ことだけではない部分で「速く走るため」の動きを身につけられるのではないかなと。
考えることで自分の中である一定の方向性が見えてきました。これまでの流れをずっと遡って見ることで「自分の中に足りないこと」に気づくことができた。誰にでも効果のある練習というのを見出していかなければいけない。普通の選手が全国で戦うために何をするか。「県で勝ちたい」という話ではないと思います。現在県で一番の選手がこれからも県で一番で満足するような指導は絶対にしたくはない。もっと上で戦える。そう思ってやっていこうと思います。
やっていることはこれからも書いていきたいなと思います。抽象的なことを書いているので分からない部分も出てくると思います。可能な限り画像を残していこうかなと。幸い「速くなりたい」と思って練習に参加してくれている選手がいます。こちらがやろうとしていることに対してきちんと理解してやってくれる者が何人かいる。それに応えるだけの努力をしていきたいと考えています。
しっかりとやるべきことをやりたいと思います。訳の分からない話を書き続けました。結構本気です。「周りと違うこと」をやるという部分を目指しているのではない。本当に必要だと思ったことをやろうとしているだけです。やるべきことをきちんとやれば「走りは変わる」と思います。全力でやります。