続きを。
練習を振り返っていく。その中で見えたこと。「練習の単純化」の必要性です。基本的に難しいことをやっているつもりはありません。mtm先生も言っていましたが「シンプルイズベスト」なのです。が、実際に目の前の選手を見ていて「単純化」することが本当にできるのかどうかというのは感じています。今のうちの選手には「やりたいこと」を明確にしてそれを「様々な形」で落とし込んでいくほうが良いのではないかと。
その日の中で課題を決めていくことが重要なのかなと感じてはいます。これまでの流れとして・・・
バランス系→DM投げ∞→セラバンド補強→ハードル股関節→台ドロップ→スイッチング ミニハードル→スイッチングラン→スタート5歩練習→前半マーク→TDM走→走練習(120-120-90)→スイッチングラン(タタタ)→合流走→走練習(120-120-90)→TDM走
こう書くと「雑多」な練習をしているなと思います。必要なところに刺激を入れる。そこから走る。この部分は変わりません。しかし、やることが多すぎて「ぼやける」というのはあります。
補強→動きの基礎→前半→中間→スプリント→補強→中間→スプリント→中間
こんな感じで多くの要素を配置しています。練習の中に「走るための感覚づくり」を複数混在させている。それにより「感覚」をつかむことができると。TDMであれば最初はT走をして進みにくい状況を作る。次にDM走をして前重心にする。最後にスプリントで短い距離を走る。「物理的な感覚の変化」を作り出すことで走りを組み立てようとする部分がありました。
スピード練習をする。さらに長めの距離を走る。そして補強をして中間の動き。こうなるとどこに焦点が当たっているのか分からなくなります。「感覚の変化を生み出す」ためにやっているのは確かです。が、こうなると考えること多すぎる。そのため「やること」で精一杯になってしまう部分も出る。練習メニューを消化すること自体が「目的」に擦り替わってしまうのではないか。
もっともっとやるべきことを明確にする必要があるなと感じています。「地面に大きな力を加える」というのが最大テーマであればそこがきちんとできなければいけない。それは身体の使い方にも影響してきます。「固める」感覚も必須。やっている方向性は間違っていない。が、もっともっと正確に単純化していく必要がある。やるべき動きは「どの練習でも同じ」という部分から始まってそれをすべての動きでやっていく。
「良い動きをする」ということが狙いであれば「使い方」や「力の発揮の仕方」がきちんとできれば結果的に「良い走り」になる。「走る中で動きを作る」のではなく「予備負荷」として「必要な動き」を徹底する。走りながら「地面に大きな力を伝える」というのは難しいと思うので。「必要な動き」ができれば自然に「地面に大きな力を伝える」ことができるようになる。これが「結果」という考え方だと思います。「地面に大きな力を伝える」ことを考えて走りながらそれをするのではない。前段階が重要。
思い切って「前半の練習」であればそこに特化する形のほうが「焦点が明確になる」と思います。「補強」をワンクッション置くこととして考えるのであればその前までは「加速段階」中心に考え「補強」をしてから「中間」をやるというほうが「シンプル」になる。もちろん、今のスタイルを完全に変える気はないので「加速段階」ならその「覚え方」が変わっていく。毎回同じメニューで作っていくというのではなく「刺激」を変えながら「同じことをやる」という意味です。
どうしても「詰め込み」になってしまう。それを自分の中で認識することで「削れる」のではないかなと。性格的に「全部やりたい」のです。もちろん、全部できた方が良いのだと思います。時間が無制限で体力的にも常にフレッシュな状況でできるのであればそれが理想なのかもしれません。が、実際はそれができない。
そうであれば「ポイント」を明確にする必要がある。常にその「ポイント」が習得できる形の練習を実施していきどの動きの中でも「ポイント」を意識すればいい。これまで「膝の引き出し」をかなり重視してきました。これからも変わりません。しかし、単純に「膝を出す」ことだけを考えれば「反発」云々は「ぼやける」と思います。本当は「膝は出てくる」という感じかなと。きちんと「反発」をもらってそれに対してタイミングを合わせることで「膝が出てくる」のではないかと。
これまでは「膝を出す」ことが「狙い」になっていました。走りの中で「膝を出す」から進む。もちろんそれは「結果」としては正解だと思います。膝で引っ張ることが出来なければ重心は進みません。が、「膝が出れば進む」のは違う。「脚だけ動く」ことになって前方向に進んでいないということが生まれる。
ここは「地面に大きな力を伝える」という要素が抜けていたのではないか。更に伝えた「力を逃がさない」部分とその「力の方向を変える」ことができていないから「重心が動かない」という現象が起きるのではないか。大きな力を加え、それを逃がさず、方向を変えることができれば勝手に前に進む。そう考えています。
「膝を引き出す」というのは前に挙げた要素がきちんとできれば自然とできる。狙いが「膝を出す」ことに偏っていた気がします。膝を出すためにどのような練習をするのかという話になっていたかなと。「走ること」が大きな目標ではありません。「速く走る」ことが狙いです。そこに着目して考えていくと必要なことは見えてくる。
「シンプル」にする。それは「狙い」を明確にすることです。断捨離をするほどまだ自分自身に確信は持てません。しかし、これまでやってきた練習の中で「ぼやけている」と感じる部分はその「狙い」を明確にして組み立てなおしたいと思います。
「流れ」を大切にしてきました。TDMであってもT走→DM走→Sという感じで1本ずつ感覚の変化を作り出すことが「変化」を感じ取るためには必要だと思っていました。しかし、それよりも「T走3本」「DM走3本」「S2本」のほうが徹底できる。TDMを2セットやることを考えるのであればやはり「動きを徹底する」ことが重要になるかなと。
時として「回復力を高めるための練習」を「技術練習」と別に入れていこうと思っています。普段の練習は全てが「技術練習」だと思っています。「速く走るため」に必要な部分の徹底です。が、それだけでは勝ち上がっていくことはできません。多くの学校ではこの部分が「混在」していると思っています。「速く走るため」にやることと「ラウンドで勝負する」ことは別の話です。そうでれば「走練習」でセット走のように休息をとってやっていくことの意味も出てきます。
もし「回復力を高めるための練習」をするのであれば色々な方法を考えていく必要がある。近畿地区とは色々な意味で違います。ハイアップのような練習も近畿を勝ち上がっていくためには必要だと思います。そこの部分の重要度と「速く走る」ことの重要度。今のうちにとってどちらが大きいかを判断する必要があります。
まだまだ完全に「練習を精査する」というところまではいっていません。ある程度のところまではできていると思っています。これをもう少し時間をかけながら考えていきたいと思います。「今まで通り」ではない。その場にとどまり続けることが一番安心感が得られます。しかし、それでは勝負するところまで届かない。本気で考えています。
まとまりませんが。残しておきます。