kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

走ることについて考える2

2019-11-26 | 陸上競技
前の記事の続き。今回書いている内容はかなりディープな話だと自覚しています。この日と大丈夫なのかな?と思われる可能性がある。が、私としては正常運転(笑)。ちょっと不安になって親しい指導者に「分かりますか?」と聞いてみる。同じ系統の人に聞くと自分が正常な気がしてきます。互いに変な方向に寄っている危険性もあるのですが。


走ることについて。「走る」という行為は実はすごくシンプルな話だと思います。「前に速く進む」事が求められているだけです。見た目の動きが変でも進めば勝ち。そこに関しては「タイム」で争う種目ですから当たり前の話です。走り方は千差万別。身長体重、骨格や筋力など様々なモノが複雑に絡み合って生まれるのもです。ここに関しては「型にはめる」意味はないと考えています。

が、本当に速く進もうとすれば共通する要素が幾つかあります。バイオメカニクスはそこに意味づけをします。「速い人の動きはこうなっているから」という理由付け。前にも書きましたが本人たちがそこを意識しているかどうかは別として「アウトプット」はそういうデータになる。

東京世界選手権の後だったか「速い選手は膝関節の伸展がない」というデータが示されました。地面を蹴っていないという話だったと思います。速い選手が膝関節が云々を考えて走っているのかと言われると当時は絶対に違ったと思います。そういう感覚がないので結果的に膝関節の伸展がないというアウトプットになっていた。

その動きができたから速くなったのか。速いからその動きになったのか。卵が先か鶏が先かと同じ感じになるかもしれません。正直分からない部分があります。目に見える動きだけを追うと「意識」と「現象」の違いを見失うことになります。

rknに行って練習を観ていました。やるべきことは本当にシンプルなんだと改めて感じました。「使いたい所を使うために使いたくないところは使わない」という部分の徹底。先ほどの「速い選手に共通する動き」に必要な要素を徹底していく。元々速い選手が集まってきている部分はありますが、その選手たちが「速く走るために必要なこと」を徹底してやるからもっと速くなる。

同じことをしていても追いつかないなど感じました。元々「練習を真似る」ために行ったわけではありません。ある意味別世界の話です。「普通の選手」に対してどうアプローチするか。そのためのヒントがあると信じて。

そのエッセンスを自分の中で整理しました。やはり「縦の動き」の部分が必須だなと感じています。「縦の動き」をして「地面に大きな力を伝える」という部分ができるかどうか。難しい話になるかもしれませんが「強い接地」をしたいというのではなく「大きな力を伝えたい」のです。

「落とす」という感覚とは違う。落とす動きを意識するという感じはありません。「強い接地」という表現をすると「強く落とす」というイメージになります。そうなると結果的に「蹴る動き」になってしまう。強く落とすことが目的にってしまうので重心移動が生まれにくい状況に繋がる。結果的に「落ちてくる」と思っています。

話が逸れてきている感じがありますが。

で、やはり大切なのは「縦の動き」をしながら「地面に大きな力を伝える」こと。そこに「力を逃がさない」という部分が加わって「方向を変換する」という要素が入ってくる。複雑に書いているように思われるかもしれませんが「やりたいこと」は非常にシンプルです。

これまで「膝の引き出し」をかなり意識してきました。間違っていないと思っています。しかし、「膝の引き出し」自体は「方向を変換する」要素です。ここだけで進もうとしても根本的な「地面に大きな力を伝える」という部分が足りなくなります。小さな力の方向を変えるのではなく大きな力の方向を変えるほうが進む。

ハードルドリルの時に「戻すような動き」になる選手が出てくると書きました。これでは大きな力は地面に伝えられません。「縦の動き」の中で「地面に大きな力を加える」必要がある。地面に力が加われば後はその力を逃がさずに方向を変えてやる。タンブリングをする事でそのことが分かってきます。力を上手くもらってタイミングを合わせてやることで自然に膝が出てくる。無駄な力を使わずにそれができる。

で、本題(笑)

そうであれば「速く走るための要素」に関してしっかりと準備していく必要があるのではないかと。走ることで出来ることとそこまでにやっておかなければいけない「予備動作」がある。走る中で地面に大きな力を加えるというのはなかなか難しいと思います。「走っていたら速くなる」という部分ではないかなと。

走るための準備。これは「ドリル」ではない。目標とする動きを追うのではなく「必要なこと」をしていけば結果として「やりたい動き」になる。そうであれば走ってばかりいたら目の前のことだけにとらわれてしまってやりたいことが出来なくなるのではないか。

「縦の動き」「地面に大きな力を加える」「力を持って逃がさない」「方向を変える」という要素をしっかりと走る前の段階でやっていくことで「力の発揮」がきちんとできるようになる。その中で走ればフォームの矯正云々ではなく自然に「やりたい動き」になるのではないか。これが動きの自動化なのかどうかは分かりません。事前に「やりたい力の使い方」を徹底することで走る時に自然に「やりたい動き」ができるようになる。

これまでは補強と走練習が微妙に繋がっていない感覚がありました。補強自体がどこに繋がっていくのかという部分が明確にできていなかった。それを全てを「速く走るため」に繋げていきたい。もちろんサーキットなどでは「速く走るため」に必要な筋群を強化していくことになります。しかし、それだけではなく「どう使うか」という部分も明確にしたい。

単純に補強をすれば速く走れるようになるという話ではない。方向性を定めて練習をしたい。もちろん、様々な動きを入れながらマルチな身体の動かし方を学ぶことで変わっていく。ここもうちだからできる練習なのかなと思います。

そう考えて「走る」練習に時間を割くだけではなくそこに至るまでに「準備」をしたい。予備動作なのかもしれません。ドリルとは違うと思います。これまでやってきたことを精査して「準備」をしたいなと。

これまではTDMやBDMなどを行って「走る中での感覚の変化」をしてきました。これからもやっていきます。が、その練習をする前に「準備」しておくことでその効果は高くなると考えています。

分かりにくいと思います。必要があればもう少し補足はしたいと思います。数日間ですがこの形の練習に切り替えています。短期間では結果や明確な変化には繋がらないと思います。こちらが理解しているからこそできることがある。「他の学校と違うことをしたい」というのが一番の狙いというわけではありません。考えていたら違う練習スタイルになったというだけです。

走ることについて考える。このことについて議論する機会はなかなかありません。きっと「この人何言ってるの?」という感じになるだろうか(笑)いや、本当に真剣に考えています。
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走ることについて考える

2019-11-26 | 陸上競技

今更ですが。ちょっと考えていることを記録しておきたいと思います。

 

走ることについて。今まで色々なことを学んできました。走る動きを抜き出して「ドリル」のようにしてやる練習というのもやったことがあります。スプリントのためのドリルですね。様々な情報が行きかう世の中で「何が正しいか」というのは分かりません。判断するのは自分自身でしかない。膝締めをする。そのまま接地局面を考える。この手の練習をひたすら繰り返して「動きの改善」をしていた時期があります。そのときは「絶対的に正しい」と思ってやっていました。間違っているとは思っていません。

 

が、勉強していく中で「ドリルに割く時間」というのが走りに直結するのかどうか疑問に思うようになりました。ドリルだけがうまくなってそれが「速く走るため」に繋がっているのかどうか明確に見えない部分があるからです。関西では「動きづくり」がどれくらい行われているのか。これまで練習を見たチームではほとんど実施されていません。それでも「速い」という事実。

 

「膝締め」が必要だと思います。が、そこだけに特化してやっていても「走りにつながらない」部分が出てくるのであれば勿体ないなと。そうであれば別の形で走りを作っていくほうがいいのではないかと感じています。「走っていれば自然に走りが良くなる」という考え方もあるかもしれませんが、それは「遠回り」になる。できるだけ「最短距離」で速く走るための練習はないのかというのを考えています。それはどこも同じかもしれませんが。

 

これまでは「走る」という部分を重視してきました。そういう種目ですから当然といえば当然なのですが。が、そこに「落とし穴」があったのではないかなと感じています。実は「走る」という部分を作るためには「そこまでに何をするか」のほうが重要なのではないか。何を言っているのか?と思われるかもしれません。予測の範囲内です(笑)。

 

「走る」という行為は大半の選手であればできます。小学生でも高校生でも「走る」という部分はできる。単純に「走る」というだけではなく「速く走る」という部分が重要になる。そうであれば「速い人」と「遅い人」の「差」について考えていく必要があると思います。

 

技術的な部分の改善をしなくても「もともと速い選手が存在する」という事実は紛れもない事実です。何もしていないのに「突然速くなる」というのは考えにくい。小学校の頃からリレーの選手になっていたりすると思います。ここは「意識しなくても自然に必要な動きが出来ている」という部分かもしれません。「作っていく走り」と「自然に速い走り」では違うと思います。

 

「速いから正しい」というのは違うのかなと思います。バイオメカニクスなどは「速い選手」の動きを分析して「~だから速い」という「理由付け」をします。間違いなく「後付けの理由」です。共通する動きがあるかもしれませんが、「本人の意識」と「現象として現れる動き」の差を埋めることはできていないと思います。

 

ここで話が戻るのですが。「ドリル」を徹底しようと思っていた時は「速く走るために必要な動き」を追い求めていました。ある程度の「型」があってそれに近づけば速く走れる。脚運びなども同様ですが。「速く走るためには」という「枠」を自分の中で作っていてそれをにはめていく感じで「走りを作る」という感覚がありました。「走ったら強くなる」と考える指導者には絶対に理解してもらえない感覚だと思います。「走っていたら強くなる」というのは「当たり外れ」が出ます。「元々足が速い選手」であればその形がハマるかもしれません。だって「元々速い」のだから。走っているうちに体力がついて速くなるということはあり得る。

 

13秒台の選手が12秒1まで行く。この部分を経験する中で「型にはめる」という練習から少しずつ抜け出してきました。「やりたい動き」はある。が、それは人それぞれによって異なる部分がある。それを引き出すための練習というのが存在するのではないか。そう考えるようになりました。その時点で前任校から転勤したので確証を獲る前に終わっていたという感じでしたが。

 

新天地では「練習をする」という部分から始めていったので「流れ」ができませんでした。その中で選手と出会うことができてIHへ進む。不器用な選手たちでしたから「型にはめる」という部分が合わないなというのもありました。腕振りなどに関しては「何故直さないのか」と言われることも。そこも本当は必要だと思うのですがそれ以外のことが多すぎて。

 

で、現在。県新人でリレーで2位となりました。これは普通考えたらなかなかできない話だと思っています。ある程度の成果なのではないかなと。が、この冬は本当に「速く走ること」について考えていきたいと思っています。「走る」練習も大切だと思っていますが、走るまでに「速く走るために必要なこと」を徹底する。走る量はそこまでではなくても「必要なこと」をしっかりやることで結果として「速く走る」ことにつながるのではないかなと。

 

非常に表現が分かりにくいと思います。月曜日の練習であれば2時間しかない時間の中でスパイクを履いている時間はトータルで「30分」くらいだったと思います。走っている時間が「30分」だったらかなり走っていることになりますが(笑)。スパイクを履いている時間が30分程度かなと。歩いて戻る時間なども含めてですからかなり少ないのではないななと思っています。実質走ったのは10バトン2本、25並走2本、120m-90mの走練習、40-50-60のバトン走2本ずつ。距離的にも500mに足りないくらいかなと。

 

それがどうなのか今のところ分かりません。しかし、「走る」という部分を求めていくとそこまでの「準備」が必要な気がしています。走っているときに「細かい部分の修正」はできません。「走るときに意識する部分」を「走る以外の練習で意識」する必要があるのではないかと思っています。「走る」という行為の前までに「速く走るために必要なこと」をやっておくことで「走りの質」が自然と上がるのではないか。

 

ほぼ意味の分からないことを言っていると思われるでしょう(笑)。もちろん、「やるべき動き」が理解できないと上手くいかないと思います。そこに対しては「速く走りたいという想いの強さ」が大きく影響すると思います。「何が必要か」をしっかりと考えてやれる選手にならないといけない。「与えられたこと」をなんとなくやっているだけでは何も変わらないと思います。

 

うーん、まとまりませんが。このことに関してはもう少し書きたいと思います。意味が分りにくい内容だと思うので。

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視点を変えながら

2019-11-26 | 陸上競技

月曜日。7時間授業。

 
私自身は土曜日に地域のお祭りに参加。御神輿を担いで歩き天満宮の階段を駆け上がる。更にヘロヘロの所で回転することを求めれ息も絶え絶え。打ち上げで焼肉を食べましたがそれに胃もたれ。いや、もうなかなかです。日曜日は検定。働き方改革万歳。
 
で、月曜日はなかなか練習時間が確保できない状況でした。翌日からテスト週間に入るのでそれまでにある程度のことをやっておきたい。色々と考えながら「今できる最大限の練習」をすることに。かなり考えました。
 
バランス系は外さず。極力組み合わせを変えて練習を組み立てるようにしていますがバランス系だけは毎日欠かさずやっています。倒立などは時間がない時に削ったりしますが基本的なバランスは必ず。正確性に差が出ます。
 
体幹強化サーキットを。普段は2サイクルやるのですが時間の関係で1サイクルに。1年生だけでやった時に2サイクルで16分くらいだったので設定タイムを8分に。早くやることが大切ではなく正確にやることが重要。とはいえ時間をかければ誰でもできます。ここは考えなければいけません。
 
そこから台&BOXジャンプを。そこからDM投げ。10分くらいかなと。これまで考えていた部分から少し視点が変わっています。トレーニングと走りを繋げるという感覚でやっていましたが。もう一歩進んだ感じでしょうか。筋力を上げるというのが必要になると思いますがその位置付けをどうするかです。
 
走ることを考える。そうなると補強の位置付けも変わってきます。補強をすることがメインなのか、走ることがメインなのか。もちろんどちらも大切だと思いますが「走るための補強」でないといけない。当たり前の話ですが「補強をする」ことがメインになってしまう部分があります。ここをどうするかを見極めたい。書いている意味を理解してもらえないかもしれませんが。
 
台ドロップ、縄跳び、ハードルドリルを。これも「走る感覚を作る」という位置付けでやってきました。しかし、ここにも「補強」な要素があるのではないか。感覚作りとトレーニングは並行してやっていく必要がある。台ドロップで「縦の動き」をしっかりとやっていく。そこに「緩衝しない」という要素を入れる。これだけで走りと補強が一緒になります。極力こういう形を考えていきたい。
 
スパイクを履いて加速段階T走。これも「走り」を考えた時に必要だと。スタート局面をどう改善するか。足運びや重心移動の練習もかなりやります。が、それだけではなく根本的な部分の改善にはつながらないなと。そこでT走と最初の数歩の動きを組み合わせて。何人かは全くできません。ここは他の練習の基礎的な部分ができていないので繋がっていると思います。「できるようになる」事に対する姿勢が出るのかなと感じています。
 
10バトン25並走を1本ずつ。受けると渡すをやるので2本走ることになります。渡りません。もうしばらく様子を見たいと思います。スピードを出す事とバトンの受け渡しを同時にやりたい。一方だけではなく両方。ここは譲れない部分です。
 
そのまま120-90を。走練習としては少ないでしょうか。前の記事にも書きましたが「スピード練習」をするという意識でいます。本数で負荷をかけることは「最大スピード向上」に直結しないのではないか。本数を走る練習が全く必要ないとは思いません。しかし、そこだけを求めていくのは違うのかなと。出来る限りのスピードを出す。
 
走り終わってからシャフト補強へ。今回はBメニューで。固定する部分を徹底。できない選手はこの時点でつま先からの接地になる。こういう部分は徹底していかなければいけないと思います。が、「教えてできること」と「自分で意識しないといけないこと」は別物だと思っています。繰り返し言い続けますがそれを実行しようとするかどうか。意識する選手は指摘されたら少し戻ってやり直します。そういう部分を大切にしていきたいですね。
 
ハードルジャンプを少し。縦方向のジャンプを。そこから台ジャンプ。片足で実施していたものも「徹底」することにしました。きちんとやっていない選手に対して細かく指摘。「ケンケン」をしたいのではない。ホッピングの動きをしたい。そうなると大半が適当になっていることが明確になります。この時点での接地も「つま先」になる。「怪我をする」という選手は間違いなくこの部分があります。音が悪い。「ズッ」というブレーキの音になる。改善する部分ができるかどうか。接地のときに「固める」意識も同時にやりたいですね。
 
最後にその感覚を生かしながら「バトン走」を。40-50-60で。ハイスピードを出しながら。最後の最後に「追い込む」というよりは「やりたいことをやる」という感覚。スピードを出すためにやっているので「できうる限りのスピード」を出す。それぞれ2本ずつを実施。絶対に緩めることができない状況を作って走る。
 
予定通りの時間で練習を終えることができました。何人かはかなりいい走りをしてくれていました。雰囲気も前向き。この練習が数かげる出来れば大きな結果につながると思っています。ある程度の手ごたえがあります。まだまだ本物になっているかどうかは分かりませんが。良い雰囲気の中で練習をすると色々なものが変わります。技術的な指導が増える。大きなことですね。
 
良い練習ができました。継続してほしいですね。
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