kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

rkn高校での修行3

2019-11-19 | 陸上競技

2日目のことを。本当はそれぞれについて感じたこと、わかってきたことを書いておきたいのですがとにかく先に「見た事実」に関することをまとめておきたいと思っています。ひとまず書いておきます。

 

2日目、練習開始が8時半でした。余裕をもってrkn高校へ。宿泊場所が心斎橋でした。京都に行ったのに宿泊は大阪(笑)。この時期の京都はホテルの料金が尋常ではなく高いようです。ア〇ホテルで1泊3万5000円だとか。確かに観光シーズンのピークというのもあるので通常価格では宿泊できないと思います。インバウンドで多くの外国人がホテルに宿泊する。その影響で我々は宿泊できなくなっています。今の日本の姿を現しているのかなと。

 

この日は福井のtrg高校の選手も練習に来ていました。福井から京都までは1時間半くらいだそうです。朝6時に出発したとか。近畿圏は行き来がさかんです。週末になると一緒に練習をしたりというのが頻繁に行われています。こういう環境というのはうらやましいですね。様々な刺激があります。自分に足りないことを学ぶ機会が多くある。上手く利用することができれば本当に勉強になると思います。

 

練習は前日と同様にメディを使ったアップ。人数が多くなると「予定通り」の練習ができなくなると思います。最初の段階でsbt先生が「今日は3時間を超えるかもしれないな」と言われていました。普段の人数であれば効率よく進む部分もあります。しかし、人数が多くなればそれができなくなる。道具の数も限られます。そういう部分も含めて私自身もいろいろと考えなければいけないなと感じました。

 

そのまま「片脚支持」と「T字バランス」を。昨日に引き続き社会人選手が参加していました。大臀筋が筋肉痛になっているということでした。前日の練習でしっかりと負荷がかかっているのだと思います。こういう部分は重要。狙ったところに負荷がかかるかどうか。意識して練習をすることで効果は高まる。その典型的な例だと思いますね。

 

ハードルをやってからメディ投げ。これも前日に引き続きです。この部分の練習が「ルーティン」のようになっているのだと思います。「毎日必ずやる練習」と言われていました。身体を呼び起こすという意味合いがあると。「片脚支持」以降は練習に必要な部分なのだと思います。シンプルな練習ですが「絶対にやっておきたいこと」が明確になっています。

ハードルに関しては「普段から意識させていること」と同じことを言われていたのでこの部分に関しては確認をしました。自分がやっている感覚をsbt先生に聞くことができる。このハードルドリルは効果は高いと思っています。しかし、正確な動きができるかどうかによって狙った場所に負荷がかかるかどうかが決まります。「抜き足の使い方」にポイントがあると思っています。多くの選手がやる動きですがかなりの頻度で「間違っている」と思っています。前の記事に書きましたが「なぜその練習をするのか」という部分なのかなと。

 

この日は「サーキット」から。通常はABCの1つをやるということでしたがこの日は「AB」と「AC」のどちらかをやるということになっていました。選手は必死にじゃんけんしていました。「負荷が高い種目がある」とのこと。その種目がないほうを選ぼうと(笑)。高校生らしくて安心しました。サーキットは「補強」としての位置づけもあると思いますが、それ以上に「力の使い方」を覚えるという部分がありました。前日に話を聞いたときに「予備負荷」という話をされていました。事前に使う筋肉に刺激を入れてそこをどのように使うのか。

 

最初、結構重いシャフトを使うので「補強的な意味合いが強い」と感じていました。が、実際に見てみるとそれ以上に「固定」するための練習だと感じる。特に「ランジ」はこれまでの考え方と大きく変わるなと。これも表現が難しいのですが「トレーニング」としての意味合いが大きければ「大きく動く」というのが重要になると思います。が、rknのランジは違いました。本当に「固定」がメイン。練習の最初からやっている「パワーポジション」を身につけるための練習になっていました。「膝」と「足首」の完全固定。深い角度でやるほうが股関節周辺に負荷がかかると思います。しかし、「狙い」はそこにはない。

 

深くやることで「やった感」は間違いなく出ます。しかし、ここで狙っている部分ではない。固めること。深くすれば「固める」ことができなくなります。パワーポジションが作れない。それよりは最初作った姿勢のままで「接地した瞬間に緩めない」という角度のほうが「実際の走りにつながる」のだと。さらに「固める」動きだけではなく「戻る」ときも重要。しっかりと地面を押さなければいけない。単純に元の姿勢に戻ればいいというのではなく「使うべき部分」を使って戻ってくる。これにより必要な筋群に大きな負荷がかかります。

 

両足ジャンプも同様。「深く」というのではなく「固定」という部分が最優先になっているなと。この「固定」という感覚の問題です。これまで私のイメージの中では「体幹を固める」という部分がありました。衝撃を「体幹で受け止める」という感じ。しかし、実際にrknで目にしたのは「膝」「足首」を固めてそこで力を逃がさないという部分。「固める」という同じような「表現」でも「意図する部分」が異なるなと。rknでは本当に「速く走るため」に何をするかだけを徹底されている。「負荷をかける」ことではなく「技術的な要素」としてサーキットをしている。

 

一見すると「補強をした後に走る」というだけに見えるかもしれません。しかし、実際は「負荷をかけた技術練習」なのです。sbt先生は「rknにはドリルという概念はない」と言われていました。動きの要素を抜き出して「分習法」するのではなく、「練習のすべてが走るために存在する」という位置づけなのだと思います。「そんなことは当たり前だ」と言われるかもしれません。当たり前です。では、実際にそれをどのように作り出すか。「当たり前だ」という人に根拠のあるメニューを提示して欲しいとさえ思います。「わかっている」ことと「できる」ことは全くの別物。そのことを徹底して練習しているのがrknだと思います。

 

話をしている中で「うちの選手だからできるという部分がある」と言われていました。色々な意味が含まれていると思っています。ある程度の競技レベルに達しているからできる動き、やらせたい動きがあります。これは正確な表現でなないのですが。どの段階においても「やるべき動き」というのは変わらないと思います。ここがsbt先生の言われる「正しいものは正しい」という意味かなと。しかし、中学生段階ではこの手の「固定する練習」はできないと思います。筋力的な部分だけではなく「考え方」や「動きに対する理解」も違うからです。「11秒5の選手が中心の学校で指導するのであればやり方は違ってくる」と言われていました。それはいろいろな意味があると思います。

 

が、競技レベルが違っても「速く走るために必要なこと」は変わらない。その「方法論」が違うだけ。「目的」があって「手段」がある。それがどの段階なのかというだけ。rknでやっている練習が「陸上部」でできるかどうかは全くの別問題です。もう少しわかりやすく書きたいと思うのですが。これまでの動きとサーキットを見て強くそのことを感じました。書籍で読んでも動きだけを見てもわからない部分がそこにある。見てその本質的な部分が感じ取れたとしてもそれを伝えていく「方法論」がまた異なってくる。そこだと思います。

 

わかりにくい文章になっていますが・・・。また書きます。すみません。

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rkn高校での修行2

2019-11-19 | 陸上競技

続きを。

 
メディ投げをやってからウエイトへ。30分。ここは選手達が自分に合った重さでスクワットとクリーン中心に。これを3サイクル実施する。1サイクル目は「重さ」ではなく「回数」重視で実施するとのこと。10回を5セットくらいだと選手が言っていました。ここでも「パワーポジション」を意識している感じがありました。特にクリーンなどでは。ガンガン追い込むという感じはなく。和やか。
 
この間に色々と話を聞くことができました。示唆に富んだ話ばかりでした。ウエイトに関しては「故障者」にはあまりやらせないということでした。走れない中でウエイトをやると筋力バランスが大きく崩れる。それにより復帰した時に走れなくなる。大きな筋肉よりも細かい部分をしっかりとやっておくほうがいい。この日、実際トレーニングルームにずっと入っている選手もいました。気にならないのですか?と質問をすると「任せている」とのこと。
 
かなり前から「フリー練習」の時間を1時間くらい設けていると言われていました。「考えて動く」という部分を育てる。これまで私自身は「フリー練習」に対して否定的でした。知っている限りは「放任」に近い「フリー練習」ばかりだったので。rknの「フリー練習」とは異なる部分があります。sbt先生は「考えるための材料」を練習の中で常に与えている。そこが分かってやっている選手は「フリー練習」の効果が出てくる。
 
それでも「10年かかった」と言われていました。最初の頃は「フリー練習」にすると部屋の中に帰って横になっている選手もいたと。その頃はそれが許せなかった。が、考えていく中で「休みたいんだろう」と捉えるようになったとのことでした。1年生が入ってきた頃は「何をしていいのか分からない」ので1時間右往左往していると。それでも放置。変わっていくとのことでした。このフリー練習の中で専門をやる。
 
この話、額面通りに捉えて「フリー練習」をするチームもあるのだと思います。「考える力」が必要だからやはり「フリー練習」をするんだ、と。しかし、この前段階に「考えるための材料がある」というのがあります。やりたい動きが明確です。その部分を徹底されているからこそ「何をするべきか」を考えるようになる。徹底した指導がない場合、リスクも大きいのかなと。前段階の指導が行き届いているなと改めて感じました。
 
ウエイトの1サイクル目はが終わってからBOXを使ったトレーニングへ。これも「パワーポジション」を作るための練習。ジャンプして終わりとかではない。BOXに上がる時にもしっかりと固定する。絶対に緩めない。角度の問題もあると思います。これまでも「固定」は意識してきました。が、それは「大きな負荷になる」という部分が狙いだったというのがあります。それもあると思うのですが「関節の固定」をメインにしていると感じました。
 
これは前な記事にも書いたのですが「使いたくないところは使わない」という部分。BOXからドロップする時にも同様。一切緩めない。徹底して「パワーポジション」を身体に覚え込ませる。その徹底ぶりはすごい。結局、固定する部分をどう固定するか。それを自動化するか。ここなんだと思います。練習の狙い自体は本当にシンプル。接地は足の裏全体で。
 
その後ハードルジャンプも。これは母子球で。さらにBOXも間に挟んでまた固定。本当に徹底しているなと。書籍に書いてある通りのメニュー。後で読み直してみるとその意図が分かります。読んだだけでわかるものではないし、読んだものをそのまま利用しても意味がないなと感じました。自分なりにきちんと「意味づけ」をしてから。
 
このことはどこに行っても同じだと思います。練習を見学させてもらう。その練習を見て「なるほどな」と分かったつもりで戻ってくる。考えなくそのまま練習に取り入れる。「仁和寺にある法師」の話ですね。そうならないように自分自身で深い理解をしていかなければいけないなと思います。「目的のある練習」になっているかどうか。これも何度も書いていますが「強い学校がやっているから」という理由で「本当に必要なもの」を見いだせずに導入するほど愚かなことはないと思っています。自分自身の理解も深めながらですね。
 
ハードルジャンプも細かいところがあるのでそれはまた記録してきたいですね。
 
終わってから再びウエイト。重量を重くしてから回数を減らす形で。これは単純に「重さ」を求めるのではなく身体を支持する筋肉に刺激を与えるようにしているとのこと。これも言われていたのですが「目的は足を速くすること」だと。「筋肉をつけること」が目的になってしまうというのは避ける。本来的な目標からずれてしまうというのはよくあることです。「技術的なこと」という部分ももちろんですが「競技対する考え方」を学ぶ機会が大きいかなと。
 
そこから再び身体を動かす。ミニハードルでのバウンディングとホッピング。刺激を与えた筋肉に「進むこと」を覚えこませる。そのときにポイントだけにフォーカスしてみていく。間違いなく「接地部分」だと思います。これまでの流れの中で「固定する」というのがありました。進む動きになった時にここが緩むと意味がなくなる。接地した瞬間に「固定」ができるか。それにより大きな力が発揮できる。後ろ回転ではなく「前で動く」という感覚を作る。そしてその部分のみしっかりと見ていく。
 
さらにウエイト3サイクル目。15分程度だったと思います。スピード重視。回数やセット数ではなく「時間」で区切って「できることをやる」という 部分。この辺りで「仕事率」の話をされていました。これは示唆に富んだものでした。「量」を追うのではなく「仕事率」をどうするか。限られた時間の中で「何ができるか」を考える。ここもまた別に書きたいと思います。(本当に書けるのか?)
 
最後にミニハードルでのスプリント。2mのインターバルで走り続ける。これまでの流れをすべて統合するような練習だったと思います。細かい部分は説明されず。直接聞いたのでメモされていますが(笑)。しっかりと動き続ける。最後の処理まで考えて行うことが重要だと言われていました。徹底した動き。ここに尽きると思います。
 
うーん。事実だけ書くというのではなく本当は感じたこともすべて書いていきたいのですが。莫大な量になるので(笑)。ちょっとずつ書きます。記憶があいまいになる前にまとめておきます。
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