「稼プロ」の皆さま
16期生の八木原です。とうとう本日が最後の投稿となりました。
(人生最後の日ではありません。)
今日は3匹の子豚ならず、3つの「ひよっこ」話です。私は普段TVをほとんど見ませんが、最近NHKの朝ドラ「ひよっこ」にはまり、毎日欠かさず見ています。主人公が新天地で周囲に気を遣いまくりながらハラハラドキドキの毎日を懸命に生きる姿が、今の私と重なるようで、何となく情けない思いがありながら、すごく共感を覚えています。
さて、一つ目の「ひよっこ」話ですが、私は一昨日から2日間、富山県に出張して来ました。ほんの数年前までは5時間以上かかったものが、「北陸新幹線」が出来てからは、たったの2時間余り!隔世の感があります。その富山駅を降りた途端、かつて私が社内起業したフランチャイズの1号店が富山駅前にあった事を思い出し、(なんで忘れていたか!)ご挨拶してきました。今から8年前、フランチャイズ事業など全く経験の無い私が、ほぼ思いつきで起ち上げ、販路開拓をして下さる企業と共同で始めた事業で、当初はまさに手探り状態のままスタートしました。そんな「ひよっこ」の事業を信じ、社員の反対を押し切りながらも決して安くない資金を投じ、加盟して下さったのが富山駅前にある1号店の社長様でした。私は信じて頂いた恩義と、これから先の事業展開の事もあり、しばらくの間、必死の思いでその店に通いました。幸いにして事業は期待以上の成果を収め、それに気を良くして下さった社長様から良い噂を全国の同業者に流して頂いたと聞きました。それが成長の呼び水となったことは確かです。その後、フランチャイズ本部自体は紆余曲折を経て変化しましたが、昨日、店舗をお伺いして感激したのは1号店の売り場が開店時のほぼ倍近くまで広がっていた事です。未知の事業を進める不安と期待が入交じる中で取組んできた仕事が、今なお生き続けている姿を目の当たりにし、何とも言えない自信と感謝の気持ちに包まれました。
実は、このフランチャイズ事業と中小企業診断士は私の中では深い繋がりがあります。今から20年近く前の前職でのこと、当時、携わっていた文具・雑貨の小売事業で、コンセプトを再構築する必要性を感じていた頃のことです。これが二つ目の「ひよっこ」の話になります。その仕事を中小企業診断士の先生にお願いしましたが、その時出来上がったプランは実に素晴らしく、作成から何年も経ったフランチャイズ事業起ち上げ時でも、考え方の基礎になっていました。その仕事をして下さった中小企業診断士は「ひよっこ」と言えば大変失礼ですが木暮さんという診断士になってまだ日も浅い先生でした。真摯に取り組んでいただき、出来上がったプランは難しいことを分かりやすく整理し、しかも写真や絵にもひとつひとつこだわりがあり、誰にでも主張が伝わる優れたプランでした。その後も折に触れ、読み返してはブレを正してくれるプリンシプルのような役割を果たしてくれました。その資料は20年経った今でも私の手元に大切に保管しています。そして今、中小企業診断士として独り立ちして当時の先生がどのような思いでプランを作られたのか、少しは理解できるようになりました。その後、いくつかのコンサルタントに仕事をお願いしましたが、資料を大切に保管しているのは、後にも先にも木暮先生とPのつく大手コンサルティングファームから出して頂いた(ちと高額な)プランだけです。私も木暮先生のように、顧客が何年間も捨てられないような実のある資料が作れる診断士になりたいと願っています。
そして、三つ目の「ひよっこ」は今の私です。オイオイお前のどこがそんなに可愛いのか!と怒られそうですが、はた迷惑する周囲の方の思いはさておき、コンサルタントとして新しいスタートを切り、どきどきはらはら一喜一憂しながらも刺激的な毎日を過ごしています。慣れ親しんだ仕事を続けていればこうした苦労をすることも無いわけですが、それで本当に気持ちを未来に向けて行くことができるか!そして木暮先生のように何年も生き続ける緊張感のあるアウトプットを残すことができるか!と思います。いい年した「ひよっこ」と皆に揶揄されても、私は挑み続ける人生を歩み続けたいと心ひそかに願っています。
「稼プロ」の皆さま、一年間ありがとうございました。
そして、これからも宜しくお願い致します。