22期の常木です。前回は財務の話をしたので、今回は営業の話をしましょう。新型コロナウイルス第8波も少しずつ収まってきてはいますが、まだまだ油断できない状況は続いています。ただ、一時期キャンセルが相次いでいた展示会は、随分と戻ってきました。今回は、その展示会をどのように活用して自社製品をプロモートすべきかを自らの体験を交えて論じていきたいと思います。
私がプレミアムオフィスコーヒー事業の日本での代表者をやっていた7年間、ほぼ毎年「経理・人事ワールド」という、東京ビッグサイトでの展示会に出展していました。初年度は2コマくらいの小さなブースから始めて、最後には6コマまで拡張しました。なぜそこまで投資をしたのか、展示会の意義をどのあたりに見出したのかを当時を思い出しながら書いていきたいと思います。
1.エンドユーザーの声を直接聞ける
オフィスコーヒーのようなB to Bビジネスでは、代理店には足しげく通って話をしますが、エンドユーザーの声を直接聞くことはかなり稀です。しかし展示会でブースを構えていると、最終的な意思決定者である総務担当者と話をすることができます。現状どういったコーヒーメーカーをオフィスに置いているのか、どんな場所に置いているのか、どのような不満を抱えているのか、社員の評判や使用頻度等々、主に他社製品を実際に使用している感想を聞くことができる貴重な機会となります。
2.トライアルを通して得られるものは大きい
コーヒーなので、その場で試飲をしてもらいます。展示会の開催期間中はずっと新しいお客様に製品の説明をしながら飲んでいただくことになります。自社製品の特長説明を突っ込んだ質問を受けながら繰り返すことによって、営業の製品や業界への理解は深まります。お客様が使われている他社のドリンクと比べて何が違うかが自然と話題になり、その会話の流れの中で有効なアピールをしなければならないので、彼らにとってとても良い鍛錬の場となります。
3.名刺交換しての訪問機会が営業を成長させる
名刺交換をしたエンドユーザーが興味をもってくれたら、代理店に代わって自らがお客様のオフィスに足を運び、商談をする機会に恵まれます。B to Bビジネスの中ではこれも貴重な機会です。商談が上手くいけば自社のビジネス拡大につながりますし、営業はリアルな現場を目の当たりにして最適解を探すという代理店の仕事を体験できることも大きいです。この体験を経ると、次からの代理店への拡販提案が変わってきます。地に足が付いたものになります。実際の使用現場に足を運び、真剣にお客様のニーズに向き合うことにより、営業は成長します。
4.代理店との距離が一気に縮まる瞬間
ただ、何よりも大きかったのは、そこで契約直前まで持っていったお客様を惜しげもなく代理店に紹介したことでした。直販はやっていなかったので、代理店に渡すしかないのですが、代理店にとって何よりも欲しいのはホットリードです。それを気前よく渡すことによって、代理店との距離は一気に縮まりました。それ以前の代理店との商談は、マシンの品質問題や専用コーヒーパックの価格交渉(要は高いと言われる)が主な話題でした。しかし、これを始めてからは「一緒に広げていきましょう」という雰囲気に確実に変わりました。まぁ、現金と言えば現金なのですが、商売とはそういうものだと思います。営業マンも文句を言われに代理店にいくより、感謝されに行く方が、そりゃ気分が違います。
まだまだブランド認知や他社ブースからの学びなど、いくつもベネフィットはありました。確かに、6コマのブースを借りて、展示を作りこむと数百万の費用は掛かります。展示会だけの収支計算をしたら大赤字かもしれません。ただ、少し考え方を変えることによって、そこから生まれる直接・間接の効果はその投資を遥かに超えるベネフィットを生むことが分かります。コロナ禍の制限が立て続けに解除される今、展示会への投資効果を再考してみてはいかがでしょうか。
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