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経営の基本にあるのは「人」の幸せ

2021-05-12 12:00:09 | 塾長からのメッセージ

こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。

今日は、「人を大切にする経営」について取り上げてみます。私は、人を大切にする経営学会に入っています。この学会では、「人」の幸せについて考えるきっかけにたくさん出会います。

1.日本理化学工業株式会社の元会長、故大山泰弘氏が言われる「人の究極の幸せ」

 同社の大山会長は、『利他のすすめ』という著書で、人の究極の幸せは以下の4項目であると書かれています。

⑴人から愛されること、⑵人から褒められること、⑶人の役にたつこと、⑷人から必要とされること

 人を大切にする経営学会で、多くの経営者の方がこれらを引用されています。このうち、⑵⑶⑷は、職場で得ることができるものであると大山氏は指摘されています。
 私は、ある研修で、⑵⑶⑷を提示して、「仕事を通じて、何を一番大切にしたいですか?」 と問いかけ、さらに、「それを実現するためには、どのような言動を意識していくことが望まれるでしょうか?」と、自己分析のワークでこれらのを活用しています。

※参考文献:大山泰弘著『利他のすすめ』WAVE出版
※大山泰弘元会長は、2019年2月にご逝去されました。私は、2018年3月に、同社を見学しました。このとき、大山会長にはお目にかかれませんでしたが、ご冥福をお祈り申し上げます。上記の本に出会えてよかったと実感しています。

 

2.伊那食品工業株式会社の企業目的は社員の幸せ

 同社の社是は「いい会社をつくりましょう ~たくましく そして やさしく~」です。働いている従業員からも、お客様からも、地域の人からも“いい会社だね”と言われるようにという、きわめてシンプルでわかりやすいフレーズです。~たくましく~と~やさしく~については、同社のHPの解説を是非、お読みください。
https://www.kantenpp.co.jp/corpinfo/corporate/philosophy

 企業の目的として、「企業は本来、会社を構成する人々の幸せの増大のためにあるべきです」……以前はこのようにHPで書かれていましたが、現在、社長が交代し「社員をはじめ、取り巻く人を幸せにする」というフレーズで紹介されています。
 いずれも、社員の幸せ、社員を大切にしている同社の経営姿勢が伝わってくるメッセージ。同社は社員を大切にしてきた結果、社員の幸せを追求する「年輪経営」という言葉を生み出しています。
 同社を、2019年4月に、視察する機会がありました。早朝の掃除風景を見学し、当時の社長でいらした井上修氏の講和を聞きました。私は、海外のセミナーでも、事例として同社を取り上げることがあります。
「現在、同社の最高顧問でいらっしゃる塚越寛氏のもとに、トヨタ自動車の社長が経営を学びに来ている会社です」と紹介しています。トヨタ自動車の社長の豊田章男氏は、塚越氏を「私の教科書」と表現されています。

   

3.ドラッカー氏も「人」の幸せを大切にしていた

 かれこれ、10年間、ドラッカー勉強会を開催してきました。ドラッカー氏は、数々の著書の中で「人の幸せ」を追求されています。「企業で大切なのは利益ではなく、そこで働く人たちが幸せになることが大切である」と、著書に書かれています。
 「人」……それは、従業員であり、お客様でもあります。同氏の「顧客創造」という言葉は有名ですが、原語では「Create a customer」であり、「Create customers」ではありません。一人ひとりの、そして今目の前にいるお客様と真摯に向き合うことが大切であると理解しています。
 そして、同氏は「人は最大の資産である」とも言われています。「組織は「人」の強み故に人を採用し、弱みは中和する」という同氏の名言をを、マネジメント研修ではいつも伝えてきました。マネジメントの父と呼ばれるドラッカー氏、勉強会での地道な学びは今も続いています。

4.CS(Customer Satisfaction:顧客満足)の基本は「人」を活かす経営

 「会社または組織から、大切にされていない「人」は、お客様を大切にすることはできません。」
 これは、新興国ロシアで実施してきたセミナーで、いつも私が語ってきたことです。
接客をしている社員「だけ」が、笑顔で真心を込めた対応を継続することは難しいです。経営者は、社員が心理的に働きやすい環境をつくり、物理的に快適な環境を整備する努力を惜しまなないこと、そして社員一人ひとりの能力が発揮できる仕組みを作ること、さらには社員一人ひとりの能力が高まっていく仕組みを回すことで、会社の基盤は作られ、社員の内発的動機づけも生み出すことができるのではないでしょうか。お客様は、そういう会社には安心して取引ができると信じています。

 人を大切にする経営は、CS(Customer Satisfaction)と、ES(Employee Satisfaction)をもたらします。CS経営を社名に掲げている私にとって、この分野は、永遠の課題といえます。

 

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2 コメント

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Unknown (田本)
2021-05-17 10:51:44
かんてんぱぱはだいぶ長い間、通販利用してました。送られてくるパンフにいつも、絵葉書が入ってて、父親の出身が近いということもあり、親戚の叔母さんから元気にしてますか?という便りが来たみたいな暖かい雰囲気だったことを思い出します。
たくましく、やさしく、シンプルですが、素晴らしい理念です。競争社会で生き抜こうと頑張りすぎて下に辛い労働を強いるような一流会社の経営層には是非とも見習ってもらいたいです。
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Unknown (鴨志田)
2021-07-18 15:32:23
田本さん、失礼しました。コメントを見落としていました。
そうそう! 通販を利用すると、塚越名誉会長が撮られた写真の絵葉書が入ってきますよね。そして、おまけの商品も。初台のお店で買い物をしてもいつもおまけをくださいます。人を大切にすると、このようになるというとても分かりやすい会社です。是非、一度、見学の機会があれば参加されてみてください。
伊那のお酒も美味しいですよ!
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