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イノベーションを生み出すためには?

2017-07-26 21:00:00 | 17期生のブログリレー

皆さんこんばんは、「稼プロ!」本日のブログ担当は、17期山田隆司になります。よろしくお願いします。

 過去の先人たちの努力によって現在に至り、知らず知らずのうちに数々の恩恵を受けてきたことに感謝して、
この感謝をさらに次の世代に少しでも繋いでいくために、よりよい環境を整えるチャレンジが必要だと感じています。
自分はIT関連の企業に長く勤めていた経験もあり、新しい技術やイノベーションにも興味があることから、
今回は「イノベーション(革新:新しく改める)」をテーマにお話ししたいと思います。長文となりますが、最後までお付き合いください。

「イノベーション」を定義しますと、商業的な価値があることでかつ、新規性・独創性があることになります。
「イノベーション」というと、技術革新による研究開発のような、すごく大規模ですごく高度なイメージがありませんか?
しかし、視点を少し変えることで利用方法が変わって別の用途に使えたり、すでにある既存製品の組み合わせることによって
新しい価値が生まれることでも、新しいイノベーションを起こすことができます。
ですので、イノベーションの範囲は広く、私たちも知らず知らずのうちに、日々身近にイノベーションの恩恵を受けているのです。

さてここで疑問に出てくるのが、「誰でも簡単にイノベーションは起こすことができるのか?」ということです。

結論から言いいますと、ある程度意図的に「イノベーションを起こせるプロセスがわかってきた」ということです。
それではイノベーションの事例として、デザイン企業IDEOのショッピングカートを題材に、イノベーションまでのプロセスをご紹介したいと思います。

 イノベーションを提供し続けるデザイン企業IDEO(アイディオ)は、Macintoshの「マウス」のデザインを手がけたことでも有名で、幾度となく
新しく斬新な製品やサービスを生み出し続ける企業として成功を収めてきました。
そこで1999年のあるテレビ局の企画で、「2週間で新しく斬新なショッピングカートをつくることができるのか?」をテーマに
IDEOの活動を密着して、どのようにしてイノベーションが起こっていくのか、生み出される秘密をドキュメントする番組を制作することになります。(リンク先:動画参照)

そこでは、当時のIDEO内で行われていた新製品開発プロセスの秘密をひも解いていくことになります。
当時のショッピングカードは1970年代から一向に変わっておらず、大きな金網のかご1つに4つの小さな車輪が付いたカートで、
もうこれ以上新しいイノベーションが起きていない定番製品であり、改善の余地はなくすでに十分な機能が満たされた商品と認識されていました。

しかし、エンジニアやデザイナー、医師や大学院生などあらゆる多様な専門知識をもつメンバーが1つのプロジェクトとして集まります。
ここでプロジェクト全体の流れを説明しますと、まずは話し合いの中から新しいアイデアを出し合い、仮説を作り上げていきます。
次に、実際にスーパーの現場に出かけて行って、インタビューや行動観察を行うこと検証を行うことで、深い理解を得ることになります。
さらに自分たちで体験した情報を持ち寄り共有して、それぞれが思う新しいショッピングカートを描き、いくつかのプロトタイプ(試作品)として形にしていきます。
最後に、そのプロトタイプを実際のスーパーで使ってみて、さらに検証を行うことで、どのプロトタイプがより
顧客の新しい価値観に繋がっていくのか改良を続けていくことになります。

たくさんの試行錯誤を繰り返された中、最終日に新しいショッピングカートとして提案された製品は、金網のないパイプだけのカートに、
付属の買い物かごをそのままセットして、上下2段にして利用できるものでした。これは現在でもショッピングモールなどでも多く利用している
新しいタイプのショッピングカートの原型で、まさにここでイノベーションが生まれた瞬間でした。


■デザイン企業IDEO
 HP:https://www.ideo.com/jp
■IDEOのショッピングカートの事例
 動画:https://www.youtube.com/watch?v=taJOV-YCieI
 プロトタイプ:http://www.rako.com/Diamond/28.html

このように、すでに改良の余地のない製品であっても、いくらでもイノベーションを起こすことが可能であり、
常にイノベーションを起こすプロセスには、①共感、②問題定義、③創造、④プロトタイプ、⑤テストのステップがあり、
実際にそれを実践することで成功している企業が存在していることがわかります。
しかしIDEO自身でも言っているのですが、プロセスだけで同じようにステップを踏めば必ず成功するわけではありません。
前提として、イノベーションを促す環境であったり、生み出す人々の関係性にも重要な要素が存在すると言っています。

地域にとってイノベーションを起こす起業家を支援するとともに、場づくりと助け合いのマインドを持って、
これからも未来を共に創る診断士になれるよう精進していきたいと思います。

 

 

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
簡単で難しい (事務局大石)
2017-07-27 10:59:37
イノベーションを自分でもしてみたいし、世の中に増やすことに貢献出来たらとも思います。イノベーションのアドバイスをたくさん聞かせてください。IDEO社のビデオはいくつかの異なるテーマのセミナーで視ました。なんでこんな会社ができたのか知りたいと思いました。
返信する
革新ですね (鴨志田)
2017-07-28 00:08:29
イノベーション=革新ですね。
経営革新の事例を見ることも、イノベーションを身近に感じることができるのでは?
昔の話ですが、ラスクは、フランスパンが売れ残ったら作っていたそうですが、それが、美味しいラスクを作るために、美味しいフランスパンを焼くという発想に切り替えたと言われています。
逆転の発想から生まれる商品、サービスもイノベーションの事例ですね。
私が持っている、水滴のつかない傘(福井のヌレンザ)は、イノベーションマーケティングの事例として活用しています。
返信する
イノベーションはみんなやってみたい (事務局中嶋)
2017-07-28 11:13:54
私は誰しも自分の能力を活用して社会に貢献できるようなイノベーション(山田さんの定義の)を起こしてみたいと思っていると思います(意識的か潜在的かはありますが)。IDEOはイノベーションを起こすプロセスと環境を持っている、というところでしょうか。
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