みなさん、こんにちは。24期の森谷です。
ブログを書いている本日は3月3日、ひな祭りの日です。昨日は暑いぐらいでしたが、本日の最低気温は3℃とのこと、寒暖の差が大きいので皆さんお体に気をつけましょう。
さて、昨年11月の稼プロ!講義では、自分のキャリアビジョンの中間発表がありました。その中で、私は今後取り組みたい業務の一つとして「地域活性化に係る相談受付、解決策の提案」と発表したところ、「まだ具体性が乏しい、よく考えるべし」とのレビューをいただきました。その後、「地域活性化」について悶々と考えていた中で出会った書籍『地方消滅』、『地方消滅2』を題材にして今回のブログを書いてみたいと思います。
最近書店で平積みになっているのが『地方消滅2』(人口戦略会議編著)です。「2」ということは「1」もあるかと思い、探したところ『地方消滅』(著者:増田寛也氏、現在日本郵便株式会社の取締役)があり、合わせて読んでみました。
「1」こと『地方消滅』とは、2014年に中央公論に掲載された「消滅可能性都市896全リスト」を調査した同氏が書いたもので、このリスト発表の数ヶ月後に出版されたものです。当時豊島区もこのリストに載ったとのことで話題になりましたので、覚えておられる方も多いと思います。
よく人口動態で話題となるのは「合計特殊出生率」ですが、これは「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で「一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数」(厚生労働省)です。
この書籍では、『人口の再生産を中心的に担う「20~39歳の女性人口」』(以下、若年女性人口)に注目しているのが特徴的です。こういった若年女性人口が減少し続けると、『人口の「再生産力」は低下し続け、総人口の減少に歯止めがかからない』とのこと。そこで、2010年から40年までの間に若年女性人口が5割以下に減少する自治体を「消滅可能性自治体」と定義しています。
今回の『地方消滅2』では、直近の地域別将来推計人口に基づき、若年女性人口が2020年から2050年までの30年間で5割以下に減少する自治体を再調査しています。その結果、消滅可能性自治体896は744に減少したとのこと。
2014年時点では東日本大震災に伴う影響から福島県は調査対象外でしたが、今回は福島県も調査の対象となり、消滅可能性自治体として33が含まれることになりました。私の出身地である福島県福島市を見てみると、消滅可能性自治体にはならなかったものの、若年女性人口の減少率は△44.8%のぎりぎりの状況、またそのお隣の川俣町は△78.1%、国見町は△68.5%となり、消滅可能性自治体の仲間入りとなりました。
現在の日本の人口は1億2,354万人(総務省:2025年2月概算値)ですが、今後は年間100万人のペースで減っていき、『わずか76年後の2100年には6300万人に半減』すると推計しています。千葉市の人口97万人、仙台市の人口109万人ですが、こういった都市クラスの人口が毎年減少していく社会は何とも恐ろしいですね。
「1」から10年以上経過しても人口減少に歯止めがかからない事態に対して、「2」では3つの基本的な課題があるとしています。
- 国民の意識の共有:人口減少がもたらす「重大な事態」を共有しよう。
- 若者、特に女性の重要視:若者や女性が希望を持てる環境づくりをしよう。
- 世代間の継承・連帯と「共同養育社会」づくり:今を生きる現世代は将来世代への重い責任がある、母親だけでなく社会全体で子育て支援を行う「共同養育社会」を作ろう。
いずれも大きな課題であり、具体的な行動内容としてイメージが湧かないなと感じていたところ、最近あるイベントへの参加により、こういった活動の仕方があるのだと感じたことがありました。
稼プロ!武井さんから「第14回ウーマンズビジネスグランプリ2025 in 品川」の案内があったことから、2月23日(日)に同グランプリにZoomで参加してみたことがきっかけです。このイベントは、品川区が全国自治体に先駆けていち早く取り組んだ女性起業家のためのビジネスコンテストです。このイベントは、女性起業家8名が自身のビジネスプランのプレゼンを行い、ファイナリストを決めるというものです。
いずれのビジネスプランも素晴らしく、女性ならではの観点から課題を捉え、市場規模の予測、ターゲット顧客層の設定、今後の成長戦略、資金計画などがしっかり考えられていました。女性起業家の中には高校生がおりましたが、この方のプランは「推し活の流行」×「参拝客減少による神社の衰退」から、神社を魅力的にわかりやすく伝えるアプリを展開しようとするものでした。発想そのものが素晴らしく、社会解決課題にも繋がるものだと大変感心しました。こういった若者・女性の起業支援をすることで、上記課題の「② 若者、特に女性の重要視」の具体化につながりそうです。
さて、私のキャリアビジョンの今後取り組みたい業務「地域活性化に係る相談受付、解決策の提案」から始まったこのブログですが、地方消滅といった深刻な社会的問題を正しく認識しつつ、自分でできることを地道にコツコツと実践していこう、というのが自分としての回答になります。中小企業診断士には、地方・地域で頑張っている企業経営者の伴走支援だけでなく、若者・女性の起業支援という形でも活躍できそうだとイメージが湧いたことで、診断士の可能性について改めて認識しました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。