こんにちは。22期の浅野です。
前職では開発を受注することはありましたが、依頼することはありませんでした。今年アンドロイド・アプリ開発を依頼する立場になり、そこでちょっとしたトラブルがありました。その時、自分がベンダーの立場の時に聞いたお客様の言葉を思い出しました。
アプリ開発を発注したのは支援先のお客様で、私は見積依頼・契約・開発・検収という一連のプロセスを支援しました。その検収の際に、2台のアンドロイド端末にインストールしたアプリが、バージョン番号が同じなのに中身が異なるという問題を経験しました。ベンダーに問い合わせていろいろ試してもうまく行きません。お客様と話していて、お客様とベンダーが事務室でPCとの通信テストを行なった際、生産棟に居た私のUSBメモリーを借りに来たことを思い出しました。その端末で通信テストした際に不具合を発見し、その場で修正していた可能性に気が付きました。ベンダーに問い合わせたところ、修正していたことが確認できました。私が貸したUSBメモリーに修正版のアプリが入っていましたが、アプリのバージョン番号は変わらないし、変更したという連絡もありませんでした。
そこで思い出したのが「プロジェクトを潰すのは難しい仕事ではなく簡単な仕事の間違い」という昔のお客様S氏の一言です。バージョン管理と連絡いう簡単な事ができないため生じたトラブルを経験し、S氏の言葉を思い出しました。
S氏は大規模な特定用途ロジックIC(ASIC)の開発部長で、私は開発支援を行うベンター側でした。S氏はベンダー選定の際「簡単なことをきちんとできるか」に厳しく、細心の注意を払っていました。大規模なロジックIC開発の場合、難しいことも簡単なことも全てを完全にやらなければプロジェクトは成功しません。難しいことは皆が注目するので意外と問題にならない。ところが簡単なことは、簡単だから当然できるだろうと皆が考えるため、問題を見落としトラブルに見舞われることがある。だから簡単なことをきちんとできるかに注目するという理屈です。自分が若いときの失敗を思い出しハッとしたので印象に残っています。
今回のベンダーさんには「バージョン管理をきちんとしないとご自身も混乱してしまいますよ」と申し上げました。自分も自戒の念を持って仕事に取り組もうと思いました。
簡単なことをおろそかにする人に頼むのは心配ですし、一事が万事という思いに至ります。
どんな仕事にも通じますね。
かなり昔の話ですが、あるシステムのメンテ時に、ベンダさんの担当者が、ちょっとした変更を現場で実施してしまいました。その変更は誰も知りません。数日後、その変更が原因でデッドロックが起こり1日システムが止まりました。変更点が誰もわからないので原因がわからず、収拾に時間がかかりました。関係者一同、針のむしろです。
その担当者は、良かれと思ったか、なんとかしないといけないと必死になったか、と思います。しかし独断は独断。結果、その方は会社を辞められたそうです。
システム品質はもちろん、働き手を守る意味でも、基本動作は徹底しないといけないとあらためて感じた出来事です。