東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

落語の世界

2024-10-21 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さん、こんにちは。

第24期生の森谷です。今回は、初めて上野の鈴本演芸場に行き、落語の世界に触れた話を書いてみたいと思います。

9月の稼プロ!の合宿講義では色々な刺激を受けました。中でも志倉講師による「バケツに水を入れる」「違和感に取り組む」というキーワードが非常に心に刺さりました。これらの言葉は、自分に対して書籍・動画など様々な情報をインプットしまくること、普段の自分だったらやらない事に敢えて取り組み、視座・視野を広げてみること、と理解しました。

これらの学びを受けて、普段であったら手に取らない分野の本を読んでみようと思って買った本が「落語の人、春風亭一之輔」(著者:中村計)でした。この本は、春風亭一之輔へのインタビュー形式で書いたノンフィクションですが、この本をきっかけに「感情より行動を」と思い立って鈴本演芸場に行ってみた次第です。

今回初めて落語の世界に触れてみた感想ですが、次の3点です。

【多彩な演目】

私が鑑賞したのは「昼の部」でしたが、開演時間が12:30~16:00と3時間半もあり、なかなか長時間です。しかしながら演目には落語だけでなく、漫才や奇術(マジック)、音楽(浪曲・ウクレレ)等が組み込まれており、飽きること無く楽しむことができました。

【臨場感】

私は早めに会場入りして最前列で鑑賞しました。そのせいか落語家などの出演者の話を目の前で体感することができました。間の取り方や声の強弱、表情や身振り手振りがダイレクトに伝わってきて、まるで目の前で物語が展開しているかのような臨場感がありました。

【観客との一体感】

鈴本演芸場は約300の座席があります。当日は半分程度の客入りでしたが、老若男女の様々な世代、外国人の方も鑑賞していました。同じ空間で周りの観客と笑いを共有することで特別な一体感が生まれ、笑いの場面では大変盛り上がりました。

9月の合宿講義において私は初めて3分間プレゼンを行いました。今回の落語鑑賞を受けて、今後の自分のプレゼン力の向上に向けて参考となったことは次の3点です。

【関心の引きつけ】

落語では、本題に入る前に時事ネタや日常の出来事などを話す導入部分を「まくら」と言い、観客の関心を引きつけてリラックスさせる役割があるそうです。自分のプレゼンにおいても導入部分で聞き手の方の関心を呼ぶ「まくら」を意識してみようと思います。

【アイコンタクト】

鈴本演芸場は横20席・縦17席があり以外に広いのですが、落語家の方は広く観客と目を合わせ、積極的にアイコンタクトを取っていました。自分のプレゼンにおいても、聞き手の関心を引き、話に引き込むためにもアイコンタクトを取ることを意識したいと思います。

【声の強弱と抑揚】

落語家の方は、声の強弱・スピード、話し方、身振り手振りを変えることで、複数の人物を演じ分けます。私が鑑賞したトリの話は、「隅田川 馬石」師匠による「豊志賀」(怪談話)でしたが、ある画面では老若男女3人の人物を演じ分けていました。話す場面・内容に応じて、強弱やスピードを意識してみようと思います。

以上のように、初めて落語の世界に触れましたが、純粋に楽しかったですし、学びも多かったです。東京都内には、他にも浅草、新宿、池袋などの演芸場がありますので、今後も寄席通いをしてみたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

第24期生 森谷

 

(以下はご参考です)

他にも「落語」を題材としたブログを書かれている方がおりますので、お時間がある方は併せてご覧下さい。

【事務局・藤川さん】落語から学ぶプレゼンテーションの秘訣

【17期・瀧澤さん】落語が教えてくれること

【次回10月「伝わる話し方」の講師・富岡さん】五街道雲助師匠

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生成AIの活用について

2024-10-20 00:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは、19期生の土佐林です。

 前回のブログ「ゆっくり完璧がもっともはやい」を読んでくださった皆様、ありがとうございます。10月に入り、寒暖の差が激しくなってきましたね。私は企業内診断士として活動しているのですが、毎日上着を着るかどうか迷っています。

 私は中央支部で新しく始まった新人向けチューター制度にチューターとして参加し、様々な質問に答えています。その中で「生成AIをどう活用すべきか?」という質問を受けました。このテーマに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

 私自身も生成AIに強い関心を持っており、日々の業務や診断士活動にどう活かせるかを模索しています。例えば、生成AI活用普及協会(GUGA)に登録し、「生成AIパスポート」のテキストを手に入れて勉強を進めています。また、「キーエンス思考」や田尻望さんの「ChatGPT時代の付加価値仕事術」など、AI活用に関する書籍も参考にしています。

 過去に「生成AIの活用レベル」というテーマでブログ記事を書きましたが、その続編として今回も「生成AIの活用」を取り上げます。

生成AIをどう活用するか:私の3つのテーマ

生成AIが話題になる中で、何のために使うのかを明確にすることが大切だと感じています。私は以下の3つのテーマで生成AIを意識的に活用しています。

第2領域の時間を増やすために
「7つの習慣」にある時間管理マトリックスをご存じでしょうか?私は、生成AIを活用して第1領域(重要かつ緊急)、第3領域(緊急だが重要でない)にかかる時間を減らし、第2領域(重要だが緊急でない)に集中できる時間を増やすことを目指しています。このように、生成AIは単なる時短ツールではなく、長期的な成長に必要な時間を作り出すパートナーと考えています。生成AIを使うと時間短縮のイメージが強いかもしれませんが、実際には時間は短縮にならず、時間の使い方の「質」が変わっていくのだと感じています。

能力を引き上げる
生成AIを使って自分の能力をさらに引き上げることを意識しています。例えるなら、孫悟空がスーパーサイヤ人になるように、生成AIを活用して質の高い提案、企画を作成したり、自分の思考を深めたりすることができます。会社員としても診断士としても、自己成長を加速させる手段としてAIを活用できると感じています。

指導力と指示力の向上
生成AIを活用する際の「プロンプトの作り方」は、実は後輩やチームメンバーに指示を出すスキルと共通しています。適切な指示やフィードバックをAIに出す訓練は、日々の業務でのコミュニケーションスキルにもつながると感じています。後輩への指示やチームへの指導力を高めるためにも、生成AIを活用する価値があると実感しています。

 生成AIは、単なるツール以上の存在です。私たちの時間を作り、自己成長を促進し、他者とのコミュニケーション能力を向上させる力を秘めています。そんな面白い時代に生きていることに、私は日々ワクワクしています。皆さんの自分なりの活用方法や、日々の業務や診断士活動に取り入れ方をぜひ聞かせてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関連リンク
過去のブログ「生成AIの活用レベル」:
https://blog.goo.ne.jp/kasegerupurocon/e/ac93aa252554aa71d379f56887cb7d40

 

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3つの目プラス1で可視化経営

2024-10-19 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは!稼プロ24期の松田です。

先般、コンサルタントが企業を診断する際に必要とされる「3つの目プラス1」という視点について、3分間プレゼンさせていただきました。本稿ではその内容をさらに掘り下げ、会計にもふれながら、今後コンサルタントとして私が取り組みたいことを述べさせていただきます。

  1. 鳥の目(マクロ視点)と時系列分析・予実管理

「鳥の目」は、企業全体を高いところから俯瞰して見るマクロ視点です。この視点を活用して、企業のありたい姿を社長から可視化していきます。

まず社長のこれまでの苦労に耳を傾けながら打ち解けてきたら、企業のビジョンやありたい姿を語っていただき、定性的に整理します。そしてそれに方向性を与え、具体的なアクションにつなげるために、定量的な目標を設定していきます。そのためには、時系列データを活用するといいでしょう。例えば、過去の売上データやコストの変動パターンを分析することで、将来の目標設定が容易になります。こうして、社長から引き出したビジョンやありたい姿を、長期的な戦略目標であるKGI(重要目標指標)で数値化していただきながら、社長の覚悟を確認します。

このKGIを全社的に達成するために、各部門や各人が何をどのように達成すべきか中間的な指標としてプロセス管理するKPI(重要業績評価指標)を設定していきます。最終的にそのKPI達成に必要なリソースを適切に配分し、コストを見積もって予算を策定します。

そのKPI達成のため策定した目標(予算)と実際の成果(実績)を定期的にモニタリングする予実管理も重要です。これによって、KGI/KPIに対する達成度合いを進捗管理し、PDCAを回せるようになります。必要に応じてKGI/KPI/予算の見直しや調整が可能になります。

このように「鳥の目」で設定した長期的ゴールを視野に入れつつ、足元の経営実態の可視化に欠かせないのが「虫の目」です。そのため、私はコンサルタントとして、企業の自計化支援を行い、会計事務所に任せきりの会計から、生き残りをかけた戦うための会計への転換を促していきたいと考えています。こうすることで、社長は足元の損益の変動に惑わされず、「鳥の目」で長期ビジョンからのバックキャスティングで経営判断を下すことができるようになるでしょう。

  1. 虫の目(ミクロ視点)と外部/内部環境分析・損益分岐点分析

「虫の目」は、企業の現状をあらゆる角度から徹底的に分析するミクロ視点です。この視点で把握した現状(事実)と、「鳥の目」でとらえた、将来のありたい姿(状態)とのギャップから、問題点を抽出します。

まず、外部の経営環境を詳細に把握するため、政治(P)・経済(E)・社会(S)・技術(T)の観点から外的要因を評価するPEST分析が有効です(最近はPESTELとして環境と法律を付加)。加えて、外部の競争環境を把握するため、5フォース分析(最近は補完財を加えて6フォース)が有効です。これによって、業界内での競争力や新規参入のリスク、代替品の脅威、買い手や売り手の交渉力などを評価することができます。そして、企業がどのような外的な脅威にさらされているか立ち位置を具体的に理解できます。

企業の内部環境も詳細に分析し、強みと弱みを把握する必要があります(VRIO/VC分析が有効/本稿では省略)。多くの社長は、日々問題に直面しているので、会社の弱みは、容易に引き出せるでしょう。一方、強みについては常日頃、言語化できておらず気がついていないケースが多いです。私はコンサルタントとして、傾聴力を磨き、社長から企業の独自の強みを引き出し、再認識いただけるよう支援できればと考えています。その強みが、戦略策定において非常に重要な要素となるからです。最終的に外部環境・内部環境を統合して、SWOT分析で企業の強み(S)・弱み(W)、機会(O)・脅威(T)を整理します。

また、損益分岐点分析も「虫の目」の視点で重要です。これは、企業のコスト構造を正確に把握し、どのタイミングで利益が出始めるかを明確にする分析手法です。新製品の投入や市場拡大を検討する際には、この損益分岐点を理解することで、利益確保に必要な売上高、コスト構造のあり方や削減目標を把握できるようになります。

こうして「虫の目」で分析した外部環境と内部環境が影響し合い、当期の損益が導き出され、財務構造が確定します。この現状を「鳥の目」の長期的視点でとらえた、ありたい姿に近づけていくため、戦略策定に欠かせないのが「魚の目」です。

  1. 魚の目(トレンド視点)と変化の察知・資金繰り管理

「魚の目」は、外部環境の変化を敏感にキャッチし、それに素早く対応するためのトレンド視点です。市場のトレンドや技術革新など、PESTでとらえたマクロ環境が変化すると、競合他社の動向、顧客ニーズ、消費行動パターンなどミクロ環境に影響を与え、外部環境は常に変化し続けます。中小企業はその変化をいち早く捉え、それに基づいた柔軟な戦略を策定し、ビジネスモデルを最適化していくことで競争優位を確保し維持できます。

戦略を策定する際には、クロスSWOT分析、アンゾフの成長マトリクス、ポーターの競争戦略類型などのフレームワークなどが有効です。

戦略の実行可能性を高めるため、会計上、「魚の目」で重点管理したいのは利益よりキャッシュです。例えば、売上が急速に伸びている時ほど、利益が出ていても、売掛金の回収が遅延するとたちまち資金繰りが悪化します。これでは仕入や営業活動ができなくなり「黒字倒産」のリスクと常に隣り合わせになるからです。また、キャッシュが不足すれば、投資活動もできなくなり、せっかくの事業機会を逃してしまいます。企業が持続的に成長するためには利益管理より資金繰り(キャッシュ)の管理こそが重要なのです。会計上の損益は、会計基準や在庫の存在などにより企業の経営実態を完全に表しているとは限らないのです。

私はコンサルタントとしては、資金繰り実績表だけでなく、変化を先取りして策定した事業計画を基に、資金繰り予定表も作成できるよう、中小企業を支援していければと考えています。現在から将来へ向けて資金繰りの見える化を図ることで、変化に強い財務基盤をつくることができるからです。それは金融機関との関係性を強化するためにも有効であり、外部環境(リスクと機会)の変化に即応できる柔軟な経営が可能となります。

  1. コウモリの目(逆さまの視点)とイノベーションの推進・知的資産経営

以上の3つの目に加えて、VUCAの時代の今、重要になりつつあるのが、コウモリの目です。逆さまの視点で物事を見ることを指します。足元では、コストプッシュ型倒産だけでなく、人手不足倒産、最低賃金倒産など新型の倒産も目立ち始めました。そして、かつてない勢いで、中小企業の倒産件数が増えているようです。もはや、これまでの延長線上では事業が成り立たないリスクに常にさらされていることを認識すべきでしょう。だからこそ、コウモリのように視点を変え、これまでの業界の常識にとらわれない柔軟な発想で、イノベーションを創出していくことが求められています。そうすることで、きっと新たなブルーオーシャンを見出せるはずです。

私は「コウモリの目」で社長に傾聴しながら、良き相談相手となって、多くの気づきを与えながら伴奏支援していけるコンサルタントになりたいと考えています。

以上の「3つの目プラス1」の視点は相互に補完的なものです。バランスよく活用することで、経営の見える化が飛躍的に進み、より的確な経営診断が可能となるものと考えています。

ここまで長文で大変失礼いたしました。以上は現時点での個人的な考察にすぎません。私はこれからも皆様とより一層学び合い、中小企業のお役にたてるプロコンになっていくことを決意します。

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市民マラソン大会

2024-10-18 12:00:00 | 24期のブログリレー

みなさんこんにちは。
稼プロ!19期の森です。

 今回はあまりビジネスブログとは関係ないかもしれず恐縮ですが、先週末、小規模のマラソン大会に参加してきましたので、その関連の話になります。

 診断士界隈には結構ランナーがいらっしゃるように思っていますが、私も2004年に初めていわゆる市民マラソンに出て以来、これまでかなりの数の大会に参加してきました。

 なおコロナ禍ではどの大会も開催中止になっていたので、数年ご無沙汰していましたが、昨年からぼちぼち参戦を再開しています(残念ながら再開できず消滅してしまった大会もありますが)。

 一口に市民マラソンと言っても規模の大小や、コンセプトも様々です。
 先日参加したのはせいぜい100人規模の有志団体の運営するイベントでしたが、それこそ数千人規模の自治体が主体の大会、仮装して走るマラソン(ハロウィンランとか)、林道などを走るトレイルラン、過酷なものでは富士登山競走、100km以上走るウルトラマラソンなど、どうかしている大会も数多くあります。
 自分の参加したものでは、富士スピードウェイを走るマラソンとか、東大寺や春日大社を走るマラソン(参加賞の柿の葉寿司が嬉しかった)、動物園内を走るマラソン、前半はひたすら下り、後半は同じ道を上る日光のマラソン(精神的にきつい)などが印象に残っています。川越の小江戸マラソンでは、スタート直後に名物紅芋を配っていて「なんでやねん」とつっこんだことを思い出します。
 大きな大会だとゲストに有名人が参加していて、丸亀ハーフでは自分がゴールしたすぐ後ろに高橋尚子さんがゴールして、握手していただいたこともありました。
 参加賞もいろいろで、定番はTシャツですが、変わったものだと、伊達のマラソンの「桃」とか(これは遠来賞)、どこか忘れましたが「じゃがいも」とか、鹿沼では「さつきの苗木」をもらったことがあります。
 モノではなくても、特に地方の大会だと、沿道の住民の方が出てきてくれて旗を振ってくれたり応援してくれるのがとても嬉しいものです。

 自治体が絡む大会は基本的に町興しだったり経済効果を意図しているわけですが、最近はコロナ禍の影響や大会参加費の値上げ(これが大きいかな)などで、定員割れの大会も多く、存続の危機の大会も多いみたいですね。
 比較的規模の大きい大会では、企業の協力や協賛もあって、参加者のために駐車場を企業(工場)が開放してくれたり、サプリやランニング用品を提供してくれたり、あとは近隣飲食店や銭湯のサービス券とかもよくあるケースです。
 そんな、町ぐるみでの温かい大会には今後も存続してもらいたいので、できるだけその土地のものを食べたり買ったりするようにはしていますが、その意味ではやはり物価高は確実に悪影響を及ぼしていると感じます。賃金がそれを上回れば良いのですが。。

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NFLの魅力 PartⅡ

2024-10-17 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは!

稼プロ!24期生の二瓶です。

今回、NFLの魅力 PartⅡとして、前回3分間スピーチでお話した振り返りとNFLのマーケティング戦略について書きたいと思います。

※NFL=National Football Leagueの略、32チームの2つのカンファレンスで構成

 

先に振り返りです。NFLが全米でダントツNO.1の証しは、2023年スポーツ中継の視聴者数ランキングで、1~50位が全てNFLの試合になっています。続くスポーツのカテゴリーは、カレッジフットボール、バスケットボール、男子ゴルフ、MLBワールドシリーズの順になっています。総じてアメリカ人はアメフト好きといえるのかもしれません。一方、日本では大谷選手らが活躍しているMLBがダントツの人気です。

先日の山本投手とダルビッシュ投手の投げ合いは凄かったですね。

 

【NFLの経営理念、運営方法】

ダントツ人気NO.1の最大の理由は、毎試合均衡した白熱ある試合を提供していることにあります。それを支えるのがNFLの理念です。

NFLの理念とは「スポーツの魅力は、最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」とあります。これを3つの運営方法やルールで実現しています。

ポイントは、32のチーム経営状態と戦力が偏らず均衡するようにしていることです。

 

1つめは、レベニューシェアリングです。テレビの放映権、チケットやグッズ収入の一部等がプールされた後に32チームに均等配分されます。したがって、チームの経営状態が均一化されます。

 

2つめは、サラリーキャップです。チームに所属する選手のサラリーの合計額に上限が設けられています。そのため、サラリーの高い実力のある選手を多く保有し続けられずに、

他のチームに移籍せざるを得ません。したがって、各チームの戦力が均衡するようになっています。比較で言うと、MLBはサラリーキャップがあるものの、贅沢税を払えれば欲しい選手と契約することが出来ます。大きな違いがありますね。

 

3つめは、ウェーバー制ドラフトです。前年の最下位のチームから順番にドラフトする権利が与えられます。それによって、大学卒の超有望選手を弱いチームから獲得出来て各チームの戦力が均衡するようになっています。

 

【NFLのマーケティング戦略】

NFLの年間売上は約2兆円で、これはスポーツのリーグとして史上最大と言われています。

例えば、スーパーボウルでの30秒のTVCM料がなんと7億円、観戦チケットは平均で約110万円になっています。

これらを達成するためのマーケティング戦略は、「Fan Centric Marketing」という顧客生涯価値を重視したものになっています。

それは、NFLに関心のある初期ユーザーを熱烈なファンに変えるデジタルによる顧客接点作りが挙げられます。まずはHP、SNSなど無料配信のコンテンツを提供し、次に有料の様々なサービスを提供し最終的に熱烈なファンにしてしまいます。

顧客接点をデジタルで増やすにより、1億人以上の顧客情報をデータベース化し、顧客の関心の度合いに応じて、様々なチャネルを通じたサービス・コンテンツを配信し熱烈なファンを増やしています。現在は海外展開として、イギリス、ドイツなどヨーロッパにファンを増やしてきています。

 

以上のように、顧客の関心度合いをよく把握した上で、その関心度合いに応じたコンテンツを様々なメディアを通じて提供するマーケティング手法は参考になる事例かと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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