蝶人物見遊山記 第258回 &鎌倉ちょっと不思議な物語第391回
小雨がぱらつく中、いつものように学芸員の山田さんの解説で円覚寺、東慶寺を経て円応寺まで歩きました。円覚寺の松嶺院では葬儀が行われていましたが、大正8年に有島武郎がその2階を借りて「或る女」の後篇を執筆していた頃には無住で電燈も引かれていなかったそうです。
また東慶寺の裏山の山頂には、鈴木大拙が独りで築いた仏典の宝庫「松ヶ岡文庫」があるそうですが、仏教研究者を装ってでも一度忍び込んでみたいと思ったことでした。
建長寺を過ぎてしばらく行くと右側の崖の上に円応寺が聳えています。この本堂には冥府十王の木像がずらりと並んでいましたが、その真ん中の「笑い閻魔」は運慶作と伝わりますが、さてどんなものでしょうか。現在開催中の「運慶展」へ行ってその作風を検証してみる必要がありそうです。
アベはんとトランプはんがおるかぎりこの世の中は救われへんやろ 蝶人