蝶人物見遊山記 第262回
秋晴れの好日、お茶ノ水と水道橋の真中あたりにある東京都が運営するトーキョーアーツアンドスペース本郷で現代美術の展覧会を見物しました。
新進気鋭のインディペンデント・キューレーターの長谷川新氏がパンフレットに書かれた言葉を自由に引用させて頂きます。
氏によれば、「ますます複雑化し混迷を極める現代社会において、「共存」の技法を模索するために「不純物」と「免疫」という概念を導入する展覧会を企画した。自分たちの固有性や純粋性を適度に守ろうとする結果、かえって自分たちを死滅させてしまう文明のありようをイタリアの哲学者ロベルト・エスポジトは「免疫」という概念を用いて活写しているが、「そういう悲惨な現実に徹頭徹尾向き合うこと」が本展の目的」なのだそうです。
3階の会場には佐々木健氏の異色の絵画をはじめ、大和田俊、谷中佑輔、仲本拡治、百頭たけし、迎英理子各氏のインスタレーションが展開され、「文明の自己免疫化」に対して思い思いに警鐘を鳴らしていました。
この展覧会は10月14日から始まったそうですが、すでに入場者1000名の多きを数え、今月26日までの展示を終えた後は沖縄に巡回。最終日とその前日には特別イベントも実施されるようなので楽しみです。無料ずら。
「忠犬」は何十億ドルの戦闘機などを「狂犬」から買うと約束したそうだ 蝶人