あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

上野東博にて「運慶展」をみて詠める

2017-11-15 15:40:15 | Weblog


蝶人物見遊山記 第261回


三〇分待ちて平成館に入りけり興福寺中金堂再建記念運慶展

運慶は平安末期から鎌倉を代表する本邦第一の仏師とか

運慶の父康慶が鮮やかに彫琢したる四天王像

運慶が造りし二体の毘沙門天 時政の願成就院、義盛の浄楽寺に

運慶の毘沙門天に踏まれたる二匹の邪鬼は大仰に反る

天の邪鬼ゆえ楽しくもあるか運慶の毘沙門天に踏みつけられて

踏む者はアーリア人にして踏まれるはドラヴィタ人とする説もあり

執著を無きものにしたバラモンの無著菩薩の尊顔拝す

中国に寒山拾得インドに無著世親超俗の悟り開きたり

興福寺四天王像の多聞天ミケランジェロのダヴィデと張り合う

快慶は運慶の弟にあらずして運慶の弟弟子なり

堪慶が明恵上人に刻みたる子犬愛らしムクによく似て

亡き父の疾風怒濤を懐かしむ堪慶康弁の寂しき洗練


 運慶をちょっぴり馬鹿にしていたが古今無双の彫刻家なりき 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする