あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

エリク・カール作・もりひさし訳「はらぺこあおむし」を読んで

2018-08-05 10:47:50 | Weblog


照る日曇る日 第1112回

あおむしが小さな卵から孵って毛虫になり猛烈な食欲を発揮して月曜日から土曜日までりんご、なし、すもも、いちご、チョコレートケーキ、アイスクリーム、ピクルス、チーズ、サラミ、キャンデイー、パイ、ソーセージ、ケーキ、すいかを食べ、日曜日にはみどりの葉っぱを食べて大きくなり、まもなく蛹になって、ある日奇麗な蝶になるまでを飛び出しポップアップで見せてくれる、楽しい絵本です。

しかし、子供でも大人でもちょっと考えてみれば分かるように、これはかなりアバウトなお話にすぎる童話です。主人公のあおむしとは何か? 結末が蝶になっているので蝶の幼虫なのでしょうが、ではどんな蝶なのか?

我が国で一般的に「あおむし」と呼ばれるのは、モンシロチョウなどシロチョウ科、あるいはナミアゲハなどアゲハチョウ科の緑色をした幼虫ですが、彼らはモンシロチョウならキャベツ、ナミアゲハならミカン、カラタチ、サンショウなどの葉っぱしか食べないのに、この絵本に出てくる「あおむし」は、いきなり果物やお菓子をじゃんじゃん食べる。

こういう擬人化された「あおむし」ではなく、実際の自然界に存在しているモンシロやアゲハの幼虫を主人公にしてもらいたかったなあ、と今でも昆虫少年のオジーサンは思ったことでした。

  「完全かつ最終的に」モリカケ問題を葬らんとする安倍蚤糞 蝶人
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