あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

続 秋の夜長のクラシック談義 

2019-09-24 14:25:33 | Weblog


音楽千夜一夜 第435回

NHK-FM「クラシックの迷宮」で、片山杜秀氏が久石譲氏の音楽について語っていてなかなか面白かった。

久石氏はもともと現代音楽に造詣が深く、ミニマル・ミュージックに影響を受けた打楽器の作品などを作曲していたようだ。

そして最近「フューチャー・オーケストラ・クラシックス」を率いて録音したべートーヴェンの交響曲全集からいくつかの曲を紹介していたが、片山氏は、久石氏は「ミニマル・ミュージックの先駆者としてのべートーヴェン」を再発見したのではないかと指摘する。

頻発する再現部に力点をおき、同じ旋律の繰り返しに極度の集中と陶酔を覚えるような特異な演奏方法は、その主張をうらずけるような目覚ましさであった。

これに近い熱狂的な演奏としてはフルトヴェングラーが1950年の1月にウイーンフィルを振ったべートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章のコーダがあるが、久石ベートーヴェンは、この部分を全面展開したような趣がある。

また改めて耳にする「風の谷のナウシカ」のテーマ曲や「もののけ姫」の主題歌も、まさしく筋金入りのミニマル・ミュージックの再現と聴こえたのであった。


なにゆえに水銀計はちょちょ切れるエイヤとばかり振り下ろせば 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする