フリッツ・ラング特集~西暦2022年神無月蝶人映画劇場その4
闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3050~61
1)フリッツ・ラング監督の「М」
1931年の独逸製探偵映画で、犯人役でのちにヒットコック作品でも活躍するピーター・ローレと彼が口笛で吹くグリーグのペールギュント組曲の「山の魔王の宮殿にて」が印象に残る。
2)フリッツ・ラング監督の「生活の設計」
ヒロインのミリアム・ホポキンスを画家志望のクーパーと劇作家志望のフレドリック・マーチが取り合う1933年のラブコメディ。脚本がノエルカワードなので面白いが映画にしてはしゃべくり過ぎずら。
3)フリッツ・ラング監督の「リリオム」
ヤクザな男と一風変わった女の1933年製の恋物語、なのだが、終幕で男が自殺してなんと天国で裁きを受け、16年の煉獄生活ののち1日だけ地上に戻ることを許されるという意外な展開となる。しかし「痛くならないように妻子を殴った」なんてことで神様がこんな酷い男をヨミしてくれるのだろうか?
4)フリッツ・ラング監督の「激怒」
アホ馬鹿民衆の狂気のために殺されかけたスペンサー・トレーシーの激怒。恋人シルヴィア・シドニーの愛のためになんとか復讐を抑圧するという1936年の奇異なる法廷サスペンス映画。
5)フリッツ・ラング監督の「真人間」
1938年の人情劇。初めは詰まらないがだんだん面白くなる。シルビア・シドニーの「いかに犯罪が割りに合わないか?」の板書しながらの説明がおかしい。
6)フリッツ・ラング監督の「飾り窓の女」
ジョーン・ベネットの魔性の女にぐんぐん魅了されていく大学教授役のエドワード・G・ロビンソン。1944年のフィルム・ノワールの傑作を操るラングの腕前をみよ。
7)フリッツ・ラング監督の「緋色の街」
「飾り窓の女」の翌45年に同じスターの共演で撮影されたフィルム・ノワールの傑作。この2人と悪役のダン・デュリエの配役は絶妙。
8)フリッツ・ラング監督の「地獄への逆襲」
ヘンリー・キング監督の「地獄への道」の続編。ヘンリー・フォンダがジェシー・ジェイムズの兄を演じる1940年のカラーアクション&裁判映画。いかに自首して裁判を受けたとはいえ、極悪非道の殺人犯が無罪放免されたとは妙な話だ。
9)フリッツ・ラング監督の「マン・ハント」
第2次大戦直前の英独の緊張関係を体現した1941年公開のモノクロサスペンス映画。冒頭せっかくヒトラーを狙撃可能な状態であったにもかかわらず、そうしなかったために数々の悲劇が巻き起こり、恋人も拷問死してしまう。んで、最後は今度こそヒトラーを暗殺しようと主人公が英軍機から落下傘で降下するのだがあ。
10)フリッツ・ラング監督の「西部魂」
1941年の西部劇で電信網建設を巡る先住民との戦いなどを描いているが、面白くない。ランドルフ・スコットが出ているのが拾い物というところか。
11)フリッツ・ラング監督の「無頼の谷」
マレーネ・デートリッヒあらくれギャング野郎どもの女ボスをあいつとめまするラング選手の西部劇なれど、あんまり感心しないなあ。デ嬢もアップになると結構下品な顔をしているので嫌になる1952年のカラー映画。
12)フリッツ・ラング監督の「ブルー・ガーディニア」
ヒロイン、アン・バクスターの殺人容疑が最後にあっけなく晴れる1953年のサスペンス物。題名の「青いくちなし」が大活躍する1953年のなぜかモノクロ映画。
この内閣この政党ではもう先がないこの国もまた私たちも 蝶人