あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

上野東博にて「運慶展」をみて詠める

2017-11-15 15:40:15 | Weblog


蝶人物見遊山記 第261回


三〇分待ちて平成館に入りけり興福寺中金堂再建記念運慶展

運慶は平安末期から鎌倉を代表する本邦第一の仏師とか

運慶の父康慶が鮮やかに彫琢したる四天王像

運慶が造りし二体の毘沙門天 時政の願成就院、義盛の浄楽寺に

運慶の毘沙門天に踏まれたる二匹の邪鬼は大仰に反る

天の邪鬼ゆえ楽しくもあるか運慶の毘沙門天に踏みつけられて

踏む者はアーリア人にして踏まれるはドラヴィタ人とする説もあり

執著を無きものにしたバラモンの無著菩薩の尊顔拝す

中国に寒山拾得インドに無著世親超俗の悟り開きたり

興福寺四天王像の多聞天ミケランジェロのダヴィデと張り合う

快慶は運慶の弟にあらずして運慶の弟弟子なり

堪慶が明恵上人に刻みたる子犬愛らしムクによく似て

亡き父の疾風怒濤を懐かしむ堪慶康弁の寂しき洗練


 運慶をちょっぴり馬鹿にしていたが古今無双の彫刻家なりき 蝶人

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ウィリアム・ビー作・田中尚人訳「だから?」(らんか社)を読んで

2017-11-14 15:47:51 | Weblog


照る日曇る日第1004回


いくら愛する息子のために面白いもの、珍しいものを提示しても、「だから?」の一言でそっぽを向いてしまうシラケ息子。こういうヤな奴っているよねえ。

そして業を煮やしたお父さんが、つに堪忍袋の緒を切らせて、そんなニルアドミラル野郎に見せつけた強烈な一言とは?

こういうシニカルな作品に2005年BCCBブルーリボン賞を授与するとは、さすが大人な国英国だなあ。



 あんたたちだからいったじゃあーりませんかあべのみくそはあくまだって てふじん
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洋画3本立てずら

2017-11-13 11:14:07 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1258、1259、1260



1)ピーター・シーガル監督の「リベンジ・マッチ」

老いさらぼえゆくロバート・デ・ニーロとシルベスター・スタローンがここらでもいちどひと稼ぎとリングの上で激しく戦います。はらはらどきどきする熟女がこれまたお久しぶりのキム・ベーシンガーとくらあ。2013年製作のナツメロ映画ずら。


2)ブライアン・G・ハットン監督の「戦略大作戦」

ノルマンデイーでナチスと戦う米軍ならずもの部隊の狙いは、敵軍殲滅ではなく敵地にある銀行の金塊奪取という点でかなり異色、かなり能天気な戦争喜劇映画ずら。イーストウッド、サバラス、スタントンが出演しているが、やさぐれ戦車隊長のサザーランドが笑わせてくれる。

3)ティム・バートン監督の「ダーク・シャドウ」

またしてもの憂鬱なヴァンパイアもの。どうしてティム・バートンは、こういうおどろおどろした活劇が好きなんだろ。ジョニー・ディップの血にまみれた蒼白の顔を見ているだけでいやになる。ろうたけたミシェル・ファイファーが出ているのだけが儲けものか。


    それでもなお日産三菱の車を買い続け安倍蚤糞に投票する人 蝶人

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鎌倉文学館の「リスペクト好き好き大好き展」を眺めながら芥川賞とノーベル賞について思へる

2017-11-12 10:43:35 | Weblog


蝶人物見遊山記 第260回 &鎌倉ちょっと不思議な物語第393回


最近はどこの展覧会の客も、棺桶に片足を踏み入れかけた高齢者ばかりなので、企画やタイトルに一工夫して若年層を狙っているようですが、「リスペクト好き好き大好き」とは恐れ入谷の鬼子母神。

芥川龍之介が夏目漱石、三島由紀夫が川端康成を「リスペクト」していたという師事私淑尊敬敬愛関係を軸にした文学者相関関係をテーマにしているのですが、結果的には「タイトル一読意味不分明」で、老若男女すべてがあまりレスペクトできない展覧会になってしまったようです。

わたくし的には太宰治が芥川をリスペクトしていたというのはちょっと盲点を突かれた感じで、作風があれほど異なるのに、また、どちらかといえば文学的な優位性は太宰に軍配が上がるのに、どうして太宰が芥川に憧れていたのかさっぱり分かりませんでした。

おそらくチャイコフスキーがモザールに憧れていたようなものなのでしょうが、だからこそ芥川賞をあれほど欲しかったのですね。川端などの審査員が気前よく太宰に呉れてやっていれば、おそらく芥川に倣って若死になんかしないで、芥川、川端はおろかな夏目、谷崎をしのぐ本邦随一の大作家になって、川端の代わりにノーベル賞をもらってゐたのではないでしょうか。

考えてみれば太宰の小説って、村上春樹のそれを完全に先取りしていたような気がするのですね。ま、あくまでもわたくし的な思い付きですが。

余談ながら川端康成の不幸は、生きていれば当然谷崎に与えられたはずのノーベル賞を代わりに頂戴してしまったことで、その重みに打ちのめされて書けなくなった川端は、気の毒なことに逗子マリーナで自決のやむなきに至ったのでした。

なお本展は、来る12月10まで秋薔薇香る同館にて開催中ずら。


  N響を解説者みな褒め上げるなんでも「マイウー」のタレントと同じ 蝶人

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ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」をみて

2017-11-11 13:22:44 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1257


中年男が長年連れ添った妻君に(お互いに)愛想が突き、旦那にかまってもらえない新婚草々の若妻が不満を覚えるのは今に始まったことではないが、そのいわば普遍的なテーマをスカーレット・ヨハンセンとビル・マーレーがやってみせる具体的な光景がなんともいえず哀切極まりない恋の雰囲気を醸し出す。

なんといってもヒロインの憂愁のスカーレット・ヨハンセンがいい。顔と体と雰囲気の全体がいい。

夫に不満のあるしおたれた彼女が、新宿のパークハイアットホテルの足元には私が毎週月曜日に授業をしていた文化服装学園のビルがあって、当時の私は、あの最高級ホテルはどんなセレブの人たちが利用しているのだろうと思いながら見上げていたが、ハリウッドのスターをものにせんと色女が突撃するとは知らなんだ。知らんかったなあ、もう。

ラストは2人の別れを映画的に盛り上げるが、大丈夫。彼らは東京での思い出を胸に刻みながら、それぞれの道を、それなりに歩んでいくのであるんである。


   最前列よりもっとうしろに警棒乱打樺美智子さんもおそらく3列目 蝶人

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鎌倉国宝館の「鎌倉公方足利基氏展」をみて

2017-11-10 16:09:30 | Weblog


蝶人物見遊山記 第259回 &鎌倉ちょっと不思議な物語第392回


誰が計算するのか知りませんが、足利尊氏の四男、基氏が亡くなって650年が経ったというので、新たなる東国の王とゆかりの寺社と題する展覧会が鎌倉国宝館で開催されています。

「イチミサンザン」と丸暗記していましたが、元弘3年、1333年に鎌倉幕府が滅亡したあと、鎌倉には室町幕府の支店が開設され、その支店長である「鎌倉公方」の初代に就任したのが足利基氏ですが、その公方屋敷跡が私の自宅から歩いて数分のところにあるので、なんとなく親しみが湧きます。

しかしこの支店長、京の本店以上の独裁的な権力を縦にして東国をビシバシ支配下においたようで、あちこちに出しまくった領地安堵の書状などを眺めていると、北条氏治下の鎌倉に勝るとも劣らぬ繁栄を誇ったことがよく分かります。

また基氏の父親とおじさんにあたる足利尊氏と直義の書状や尊氏自画(あまり上手とはいえない)自筆の「地蔵菩薩像」なども展示されていて、へええと思ったりしたことでした。

なお本展は、来る同館にて来る12月3日まで開催されていますので。


「風呂桶の裏側を洗わなければだめじゃないの」とうちの奥さんがぼやいてる 蝶人



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鎌倉文学館の「秋の鎌倉文学散歩」で北鎌倉周辺を歩く

2017-11-09 10:51:01 | Weblog


蝶人物見遊山記 第258回 &鎌倉ちょっと不思議な物語第391回


小雨がぱらつく中、いつものように学芸員の山田さんの解説で円覚寺、東慶寺を経て円応寺まで歩きました。円覚寺の松嶺院では葬儀が行われていましたが、大正8年に有島武郎がその2階を借りて「或る女」の後篇を執筆していた頃には無住で電燈も引かれていなかったそうです。

また東慶寺の裏山の山頂には、鈴木大拙が独りで築いた仏典の宝庫「松ヶ岡文庫」があるそうですが、仏教研究者を装ってでも一度忍び込んでみたいと思ったことでした。

建長寺を過ぎてしばらく行くと右側の崖の上に円応寺が聳えています。この本堂には冥府十王の木像がずらりと並んでいましたが、その真ん中の「笑い閻魔」は運慶作と伝わりますが、さてどんなものでしょうか。現在開催中の「運慶展」へ行ってその作風を検証してみる必要がありそうです。


  アベはんとトランプはんがおるかぎりこの世の中は救われへんやろ 蝶人

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自由律詩歌 その28

2017-11-08 14:25:05 | Weblog


ある晴れた日に 第485回



さたさたさた

さちさちさち

さつさつさつ

さてさてさて

さとさとさと

さなさなさな

さにさにさに

さぬさぬさぬ

さねさねさね

さのさのさの

さはさはさは

さひさひさひ

さふさふさふ

さへさへさへ

さほさほさほ

さまさまさま

さみさみさみ

さむさむさむ

さめさめさめ

さもさもさも

さやさやさや

さらさらさら

さりさりさり

さるさるさる

されされされ

さろさろさろ

さわさわさわ

さんさんさん


 「時間があるようでない」てふ三井住友カードの広告不愉快千万 蝶人


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小嵐九八郎著「蜂起には至らず 新左翼死人列伝」を読んで

2017-11-07 11:52:49 | Weblog


照る日曇る日第1003回


本書に取り上げられた27名の死者とは生前直接の面識はなかったが、いずれも同時代の同じ空気を吸うておった人々であり、彼らの多くが非業の死を遂げたことを改めて知るにつけ、到底心穏やかに読み進むことはできなかった。

60年代末期にあれほど高揚した学生、労働者の反権力闘争が冷水を浴びせかけられたのは、やはり直截的には70年以降の連合赤軍リンチ処刑事件であり、続くあさま山荘における人質をとった武装戦争、そして同じ隊列に立っていたはずの者同士の際限なき殺人、内ゲバであったことが、取り返しのつかない悔しさと無念の想いと共に振り返られる。

共通の敵に立ち向かっていたはずの集団が、敵を放置して仲間の肉体的殲滅に向かうとは歴史的には古今東西繰り返し見受けられる愚行であるが、それがまさか目の前で繰り広げられるとは、当初は当事者自身も半信半疑だったのではないだろうか。

しかし政治(と宗教)の世界は恐ろしい。政治的(宗教的)思想の違いは、すぐに言葉と言葉の争いを越えて感情と感情、人格と人格の対立、そしてついには武器と武器との非妥協的対決となり、「彼奴は敵だ。敵は殺せ」という没論理・没理性的争闘の泥沼に突入していく。

そしてたった1人の犠牲者が出たら最後、報復には報復の無限の悪循環が連鎖してゆき、当事者自身ではこの恐怖のジレンマから脱却することが不可能になる。

1977年に同志であり師と仰ぐ革労協書記局長の中原一氏を卑劣な革マル派の白昼テロルによって喪って激昂した著者が、その後どのような反撃に挑んだかはもちろん書かれてはいないが、想像するだに背筋が寒くなるような煉獄の書物である。


  あなたが嫌いなのではありませんあなたのそのイデオロギーが嫌いなんです 蝶人
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バベルの塔~水無月晦日に都美術館にてブリューゲル「バベルの塔」展覧会をみて歌える

2017-11-06 11:27:16 | Weblog


これでも詩かよ 第227番


バベルの塔、倒れた。
スカイツリー、倒れた。
トランプタワー、倒れた。

すってんコロリと、倒れてしもうた。
なんでか知らんけど、倒れてしもうた。

神を恐れず、神々がいます天空の彼方を無遠慮に侵犯せんとする人間どもの野望に、
コナクソ、ハナクソ、アベノミクソ
ついに、ついに、鉄槌が下ったんや。

浅草十二階、倒れた。
ロンドン塔、倒れた。
エッフェル塔、倒れた

ドドシシ、ドッシーンと、倒れてしもうた。
ベリベリ、ベキューンと、倒れてしもうた。

こないだ西新宿の京王プラザホテルで、エイコ先生と打ち合わせをしとったら、
突然ビル全体が揺れだして、5分間ほど生きた心地がせんかった。
わいらあタモリやないけんど、高いところは苦手やねん。
中也はんは好きやけど、「ゆあーん、ゆよーん」も苦手やねん。

エンパイア・ステート・ビル、倒れた。
クライスラー・ビル、倒れた。
ワールド・トレードセンター、倒れた。

むかしむかし、佐々木小太郎という名前のおじいさんが丹波の国で下駄屋を営んでおりました。
小太郎さんは、孫の私をとても可愛がっていましたが、時々こんなことを申しました。
「高い所へ登るのは、アホウとセンチムシじゃよ」

東京タワー、倒れた。
京都タワー、倒れた。
大阪万博ビル、倒れた。

センチムシちゅうのは、雪隠に住む黄色いウジ虫のこと。
ちん隠しの下を覗くと、小さなウジ虫は地獄から地上を目指す杜氏春のように、
せっせ、せっせと、便器を伝って這い上ってくるんやで。

霞が関ビル、倒れた。
さっぽろテレビ塔、倒れた。
瀬戸デジタルタワー、倒れた。

ラリラリ、ラーンと、倒れてしもうた。
ガチャガチャポーンと、倒れてしもうた。

小太郎おじいちゃんだけやない。
おかあちゃんも、おとうちゃんも、
「高いとこへ上がるやつは阿呆や」いうとった。

ドバイのブルジュ・ファリハ、倒れた。
中国の上海中心、倒れた。
メッカのアブラージュ・アル・ベイト・タワー、倒れた。

そう、わいらあアホウ。わいらあセンチムシ。
狭くてむさくるしい外下界は厭になった、とばかりに、はるかなる高みを目指して
一歩一歩、せっせ、せっせとのし上がる。

福岡タワー、倒れた。
名古屋テレビ塔、倒れた。
海峡ゆめタワー、倒れた。

しゃあけんど、わいらあ、エベレストに登ったことは、ありまへん。
富士山に登ったことも、あらへんで。
下界を見下ろすペントハウスに住もうと思ったことも、ありまへん。

カナダのCNタワー、倒れた。
ロシアのオスタンキノ・タワー、倒れた。
クウエートの解放タワー、倒れた。

ドドシシ、ドッシーンと、倒れてしもうた。
ベリベリ、ベキューンと、倒れてしもうた。

それにしても、人はなんで高い所に登るのか?
なんで高い所に住みたがるんや?
天にまします八百万神に、1センチでも近づきたいんか?

ソウルの第2ロッテワールドタワー、倒れた。
シカゴのウイリスタワー、倒れた。
NYの1ワールドトレードセンター、倒れた。

それとも人間どもは、空気の薄いところで酸欠したいんか?
巷をいやがうえにも低う見て、地べたを這うアリどもを見下したいんか?
至高の存在とやらに額づいて、おのれに余光をもたらしたいんか?

おお、友よ!
親愛なる全国の学友諸君よ!
わいらあがこうして駄弁を垂れ流している間にも、

中国の広州塔、倒れた。
イランのボルジェ・ミーラード、倒れた。
マレーシアのKLタワー、倒れた。

ラリラリ、ラーンと、倒れてしもうた。
ガチャガチャポーンと、倒れてしもうた。

この世で、死なへんもんはない。
この世で、落ちへんもんはない。
この世で、倒れんもんもない。

バベルの塔、倒れた。
スカイツリー、倒れた。
トランプタワー、倒れた。

すってんコロリと、倒れてしもうた。
なんでか知らんけど、倒れてしもうた。

デモ指揮のクニヨシ君は「突っ込めえ」と叫びながらわが隊列に飛び込みたり 蝶人


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新潮日本古典集成新装版「源氏物語一」を読んで

2017-11-05 11:04:54 | Weblog


照る日曇る日第1002回


源氏物語の最大の問題は、「皇統紊乱」を軸にして物語が展開されていることではないでしょうか。

我らが主人公、17歳にしてビンビンの光源氏は、父桐壺帝の正妻である母、藤壺の宮を一度ならず二度までもヤッてしまうのですが、下司の極みが不敬行為を敢行したわけではない。

光源氏は臣下といえども、もとをただせば皇子、親王でした。高貴皇室トップ周辺の貴人ですから、厳密な皇統紊乱ではないかもしれない。だから正史には書かれないけれど、こういうことは在原業平の伊勢斎宮との密通同様、実際には宮中で何度もあったことかもしれませんね。

本書の解説によれば、源氏物語の「桐壺帝」は、宇多天皇の第一皇子の醍醐天皇、「朱雀帝」は醍醐天皇の第十一皇子の朱雀帝(同名)、「冷泉帝」は醍醐天皇の第十四皇子の村上天皇であるという。

朱雀、村上両帝の母はいずれも藤原基経の娘で中宮の穏子ですが、もしかすると「朱雀帝」の父親は醍醐天皇ではなかったかもしれません。

紫式部はどうやら藤原道長の愛人だったようだし、彼女の女主人である道長の娘、彰子は一条天皇の中宮ですから、おそらく当時の皇室、貴族関係者のすべてが彼女の小説の熱心な読者だったでしょう。

「朱雀帝」の父親は醍醐天皇ではなかった、ということを当代の人々はみんな知っていたが、そんな「畏れ多い」ことを「日本紀」などに遺すわけにはいかない。
いかないけれど、それはあまりにも有名な話なので、なかったことにはできず、それを小説、フィクションとして紫式部が源氏物語に取り入れてしまうことは、誰も妨げようとはしなかった、のではないでしょうか。

 「皇統紊乱」などというと話が大きくなりますが、これあるがために「谷崎源氏」は、戦中の国家権力の検閲、圧力で削除の已む無きに至っている。
源氏物語の「皇統紊乱」の条が、自由に無条件で出版できるか否かは、今も昔も、私たちの表現の自由と基本的人権の有無を明かすリトマス試験紙のようなものなのです。

余談ながら醍醐天皇は、唯一人臣籍から天皇になった人物なので、それも物語の中の光源氏の位置づけのヒントになったのかも知れません。


  「しっかり」とか「丁寧に」とか連発する人を私は絶対信用できない 蝶人

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夢は第2の人生である 第47回

2017-11-04 15:48:02 | Weblog


西暦2016年神無月蝶人酔生夢死幾百夜



隣に居た家族がなかなか戻って来ないので、「ああやっぱりなあ」と諦めていたのだが、しばらくすると、あの皆殺し殺人ゲームで殺されなかったとみえて、無事に戻ってきたのでほっとした。10/1

「あんたがたは今何を作っているんだ?」と尋ねられたので、右手を出して「こんな指輪だよ」というと、興奮して「いますぐ欲しい」と騒ぎだしたので、「横高で売ってるよ」と教えてやった。10/1

村人たちは慰安旅行に行こうと、朝早く公民館に集まったが、いつまで待ってもヤザワ夫妻だけが来ないので、誰かが見に行くと、2人は激しく性交を続けていたとさ。10/1

弟子を連れてスケッチに出かけたのだが、彼は誤ってお城の堀に転落してしまった。すぐに助け出そうと思ったのだが、私は、その時脳裏に浮かんだ幻影を定着しようと、アトリエに引き返したために、彼は溺れ死んでしまった。10/2

もう秋か。久しぶりに大学へ行った私は、今年もまた試験はおろか授業にさえ出ていないことを思い出し、これでは何年かかっても卒業できないのではないか、と冷汗を流した。10/4

人生の調子を整えるべく、神様は時々私に、任意の昔をもう一度生き直すように強いることがあった。万年筆にスポイトでインクを注ぎ込むようにして。10/5

一夜にして山と成った一夜山めざして、私は、一晩中走った。10/6

私は持っていたCDを、雨水が溜まったところに落としてしまった。すると一緒に歩いていた長男は、自分のせいだと思いこんで、いきなりその水たまりに飛び込み、ずぶぬれになりながら探そうとするので、私はその余りにもストイックな態度に深くうたれた。10/7

権謀術策を凝らして、私は、とうとうその小さな島の王になった。10/8

今年入社した私たちは、新規も中途もまじえて、全員が寮に閉じ込められ、訳のわからぬ研修を受けたのだが、私は同室の若くて超美人のねいちゃんを毎晩可愛がっていたから、ちっとも文句はいわなかった。10/9

マイケル・J・フォックスの娘という人を遠くから眺めていると、日産の広報嬢が「あの人どうですか?」というので「いいですねえ」と答えると、「彼女、なかなか評判がいいんですよ」と宣うた。10/10

会社が物置に使っている部屋が、なかなかに趣があるので、私たちは、時々この部屋で寝泊まりしていた。ある日そこで端坐していたら、いきなりブルトーザーがつっ込んできたので、私は大けがをした。10/11&12

私たちは、その詩人が生まれた町を訪ねて、研究発表の材料にしようと思っていたのだが、同行した女性たちの観光気分に妨げられて、何の成果も得られず引き揚げようとしたとき、上空に人力飛行機が現われた。10/13

かつて私が下宿していた家を訪ねたら、猛烈なゴミの集積の中に乞食のようなおばはんがいて、にやりと不気味な笑みを浮かべたが、それはあたかも私の来訪を知っていたような顔つきだった。10/15

平行棒のように伸びた木の枝をつたって、上へ上へとましらのように登ってゆく2人の男を、見よう見まねで真似て、ようやく木の頂上にたどり着くと、村の女たちに歓声と共に迎え入れられたが、あの2人の男は見当たらない。どこへいったのか? 10/16

大好きなポネルの演出でモザールの「フィガロ」をビデオで視聴したのだが、いつもと違って全然面白くない。途中で再生をやめてクレジットをよく見たら、ポネルではなくパネルと書いてあった。10/18

海底の穴の中で、大きな魚と隣り合わせた小さな貝の私は、懸命にいろいろお世辞をいうてその場を取り繕うとしたのだが、とうとうパクリと喰われてしまいました。10/19

逆風が吹き始めたので、「朝まだきひんがしの空を見上げれば」という歌を詠んだのだが、どうしても下の句が出てこなかった。10/20

ヤマダ電機で買ってきた外付けHDDが、「早く早く私をレコーダーに取り付けてください」と枕元で囁き続けるので、結局朝まで一睡もできなかった。10/22

バスに乗っているのは荷物ばかりだったが、駅に着くと男たちが一斉に乗り込んできて、荷物の中の朝顔に水をやるのだった。10/23

深い谷底を流れる急流に転がり落ちた私だったが、そのままどんどんどこどこ流されて、とうとう海にそそぐ緩やかな大河に至った。10/24

おばはんは、私が大事にしている英国製の高級スピーカー「ロジャース」を小脇に抱えると、いきなりナタを振るってメリメリと壊し始めたので、「なんてことするんだ、このおオタンコナす!」と怒鳴りつけると「おら、薪にしようと思っただけずら」と平然としている。10/25

そこいらに自転車や自動車を停めておくと、すぐに警察がどこかへ持って行ってしまうので、油断も隙もならない。10/26

いよいよ明日は、この鎌倉石の掘削現場を離れて、江戸城の再建工事に加わると決まっているのに、私は弟子たちの衝撃と離反を懼れて、まだなにも喋ってはいなかった。10/27

昨夜私は、どこかで会社の貴重な資料が入ったカバンを無くしてしまい、終電に乗り遅れて、義父の家に泊めてもらった。夜が明けると私は、義父の車に乗せてもらって会社に向かった。10/28

ヤフオクで見事に落札したのに、いつまで経っても出品者から連絡がないので焦っていると、私が落札したはずの商品が、いつのまにか再び出品されているので、いったいこれはいかなる仕儀かと、私はまたまた焦った。10/29

会社のPR誌で短歌を募集したが、誰も応募しなかったので、金メッキした安時計が段ボール一杯ぶん残ってしまったので、社員全員に配ったが、まだ大量に残っている。さてどうしたものか。10/30

仲間たちと登山中に遭難したオラッチは、助けを求めたが、たまたま風邪を引いていたので、ついでに風邪薬も持ってきてくれと頼んだ。やがて捜索隊が到着して、仲間は全員救助されたが、風邪薬の入荷は5日後になるというので、私だけは5日後に救助された。10/31


   セリーグの3位が1位と勝負して下剋上とはいまどき珍し 蝶人


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すべての言葉は取り過ぎてゆく 第52回

2017-11-03 10:21:26 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.271



前門の自公と後門の虚妄の党に挟まれて身動きできなくなっては、狂気と凶器と地獄の沙汰だ。極右ファシスト翼賛体制にくさびを打ち込むためには、市民連合が媒介して、民進リベラルと社民、共産党の左派連合体を早急に構築する必要がある。10/1

倉本聡の「やすらぎの郷」が終わったが、これはシルバー世代をターゲットとした本邦初の「終活ドラマ」として高く評価できる。この調子で高齢タレントが続々登場しては次々に死んでいく続編に期待したい。10/2

新党を作るには何億円もの資金が必要になるそうだが、枝野選手の「立憲民主党」は大丈夫だろうか。よく知らないが、なんたらファンドというので個人からの寄付をつのったらどうなんだろう。10/3

安倍蚤糞、小池悪魔女、松井某、石原、橋下、舛添、猪瀬、その他その他、政治家の多くは、どうしてかくも醜い顔をしているのだろう? 政治の深奥部から滲み出る暗黒物質のせいだろうか?10/4

どのように悲惨で非合理的な現実を前にしても、それを合理的で唯一絶対的なものと見做して、それを肯定し、そこに安住しようと務め、異議を唱える者を威嚇、排除、撲滅しようとする手合いがいるものだ。10/5

総選挙の後、安倍蚤糞は小池新党の協力を得て、インポ蝙蝠公明を引きずりながら宿願の憲法改定に殺到するに違いない。その暴挙を不発に終わらせるためにも、数多くの立憲民主党、共産党、社民党の議員を国家に送りこまねばならない。10/6

折口信夫は言う――「多くの女性に逢ひ、多くの女性の愛を抱擁し、多くの女性を幸福にし、広い家庭を構へ、多くの児孫を持つと言ふ事が、古代の人としては、何の欠陥もない筈であった」池澤夏樹10/7

テレビで安倍や小池のもっともらしい口舌を吐く醜い姿かたちが現れると、私は「リング」という映画に出てきた化け物を想起し、彼奴らが次々にテレビの画面からこちらに向かって這い出てくるのではないか、という恐怖に駆られる。彼らは貞子のように禍だ。10/8

自分の過ちを素直に認め、それを率直に表明できる人は立派だ。人間として尊敬に値する。10/9

自公と維新と絶望の党に投票すれば、今よりももっと悪い時代がやってきて、いともやたすく戦争がはじまり、それと共に市民の自由も人権も失われ、恐怖と独裁の未曾有の国家専制の時代がはじまることを、もっと知ってもらいたい。10/10

昨夜のNHKのインタビューで安倍蚤糞は、もはやおのれを見失っているようだった。質問に答えずはぐらかす小池は、もはや裸の女王というところか。山口は居直り、期待した枝野はいまいち。松井と中野は漫画。志位がいちばんまっとうに受け答えしていた。10/11

朝日の予想では、やっぱり希望は失速し、立民は伸びるようだが、自公はゆうゆう過半数を超えるのだという。かくなれば、かくなるものとは、知りながら、がっくりするなあ。いつまだたっても醜悪な安倍蚤糞にサヨナラできない阿呆莫迦国民の、私はひとりだ。10/12

積極的棄権主義とかを唱えて粋がっている人がいるようだが、結果的に安倍蚤糞の延命に加担することになるのが、分からないのだろうか。景気が回復したとか、強い指導者と勘違いして、この腹黒い国家主義者を信任する若者たちと同様、愚劣な行為である。10/13

世間の大方は、安保とか憲法とか徴兵だよとかいうてもなんのイメージも湧かないので、目の前の景気や商売がうまくいっていれば、それをお上のおかげと有り難がって、現政権に大事な1票を投じるだけの話なのだ。10/14

大リーグのリーグ優勝決定戦が、たけなわである。私は昔から高く評価しているマトン監督率いるシカゴ・カブスを応援し、その栄冠獲得をひそかに願っているのだが、シーズン中に活躍した上原がベンチに入れなかったのは、残念だ。10/15

しかし本当にマスコミの予想通りに自民圧勝の総選挙という結果に終わってしまうのだろうか。ああ、おらっちは思ったより少数派なんだなあ。こんな国、嫌だなあ。憂鬱だなあ。なんとかならんもんかなあ。10/16

国会議員の年収は2千万円、さらに月々100万円の交通費等がつくそうだ。要するに自分のために金と地位が欲しいだけなんだ。政治家としての理想や主義主張、まして民草の幸福や平和や豊かな暮らしなんかどうだっていいんだ。10/17

日産といい、東芝といい、神戸製鋼といい、その前のシャープといい、日本の基幹産業は根っこの部分で腐っているのかもしれない。「安倍1強」をやすやすと許してしまう脆弱な「民主」政治と同様に。10/18

しかし小選挙区をこまかく眺めていると、自公をやっつけるのはたった1人の「野党連合」でないと無理だということがよく分かる。もし勝利したとしても、その連合体をどのように運営していくのかは別問題として。10/19

すんでのことで自爆解散になるはずだったのに、その直前に野党第一党が空中分解し、あまつさえ投票日めがけて台風が来襲するとは、なんと悪運の強い男だろう。10/20

今回の総選挙の隠された最大の争点は、憲法改定である。よって自公、維新、希望、こころ以外の政党に、1票でも多く投票することがいちばん大事なんです。10/21

いよいよ運命の朝来る。わが親愛なる全国の学友諸君よ、あの醜悪凶悪陰険極まりなき猪八戒を退場させるべく、貴重な1票を投じたいものですな。10/22

蓋を開けてみればやっぱり自民大勝か。それにしても私の眼には立憲民主党より遥にまっとうな政党と映る共産、社民の後退が嘆かわしい。国内亡命を決め込んでからもう随分になるが、毎年毎年嫌な国になってくるなあ。10/23

極右ファシズム政党とその連合体が国会で多数派を占め、どんな反民主的で非合法な法案も自由自在に可決して、人民を完膚なきまでに支配できる。ナチが登場する直前のワイマール共和制こそが、いまの日本である。10/24

3位に甘んじていたチームが、あれよあれよというまに逆転逆転また逆転勝利して、リーグの第一人者を打倒するような奇跡が、政治の世界でもたまに起こるといいのだが。10/25

金といい、トランプといい、安倍、プーチン、習といい世界の独裁的な指導者の多くが、気違いか、気違い同然の人物であることに、愕然とする。10/26

台風の夜にBSで視聴したクルレンツィス&ムジカ・エテルナのモザールの「レクイエム」の演奏に、深い感銘を覚えた。とりわけピアニッシモの未聞の美しさと繊細さ!そのあとに放映されたパーボ・ヤルビ&N響の「ドン・ジョバンニ」の凡庸さと比べると、天と地の違いだ。10/27

年収2000万+月給100万の高収入に眼がくらんで、どうしようもない連中が国会議員になりたがる。いっそ無報酬とするか、それとも裁判員制度と同様に籤引きで選ぶことにしたほうが、今よりましな人材が選ばれるのではないだろうか。10/28

「日本のオケのよくない点は、協奏曲で伴奏してしまうことです。メロディを待ってそれに合わせていくという姿勢は、変えていかなければなりません。待たずにバンと入る。それがいいオーケストラです。」by新日本フィル音楽監督、上岡敏之 10/29

「若い演奏家のみなさんにとって大事なことは、回りの音をよく聞くということです。絶対に自分勝手に飛び出してはいけません。」byNHK交響楽団第1コンサートマスター、篠崎史紀。なーるほど、だからN響はいつまでたっても駄目なんだな。10/30

核禁条約に賛成しないくせに、核廃絶決議を出したって、誰も信用しないわな。こら、聞いてんのか安倍蚤糞。10/30

野党の質問時間を減らすなどという安倍蚤糞の暴挙を許してはならない。得票数に反比例させることで多数党の暴挙を抑制してきた慣行を、「丁寧に謙虚にしっかり」尊重せよ。10/31


    古稀過ぎて初めてわれ人を憎みたり総理大臣安倍晋三 蝶人

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西暦2017年神無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2017-11-02 15:42:20 | Weblog


ある晴れた日に 第484回



なにゆえに希望の党は虚妄の党「原発廃止」なんて口先だけの票集め

なにゆえに小池は新党から出馬しない第2自民の役目に徹する

なにゆえにメーカーはテレビドラマに協力するクレジットなんか誰も見てない

なにゆえに原子力委員会は甘くなる東日本大震災なんて忘れてしまった

なにゆえに千円くださいと君はいうどうしても買いたい本があるらし

なにゆえに希望の党との連携を考えるそんな枝野は置いてかれるぞ

なにゆえに安倍蚤糞は絶叫するもはや誰も聞いてはいない

なにゆえに人気なき街を渡り歩く国難男は選挙民が怖い

なにゆえにカマキリは歩道でどんどん轢死する人間社会の掟を知らない

なにゆえに安倍と小池はかばい合うお前らはひとつ穴の狢

なにゆえに今日は耕君の電話が少ないイオンの植栽に水やりしてたか

なにゆえに自公はのさばるまださばらせたいと君らは願うか

なにゆえに大学生は自民を支持する就職内定率が高いので

なにゆえにユネスコから脱退する他者を思いやる心根がない

なにゆえに安倍とトランプやり放題日米愚民同盟解体すべし

なにゆえに右翼が世界を席巻する世界より自分が後生大事

なにゆえにトランプが日本にやって来るおらっちはまったく歓迎しないぞ

なにゆえに「安倍1狂」をまた許す前原小池のバカバカチンドンヤ

なにゆえに諸悪の根源を支持するや平成日本の心は不可解

なにゆえに台風21号は日本を襲う愚かな民を罰するために

なにゆえに北朝鮮が脅威なるや安倍蚤糞が脅威にしている

なにゆえに風雨を冒してやって来る彼の一票を行使するべく

なにゆえに安倍蚤糞を潰せなかったすべてを台無しにするあの一凶を

なにゆえに安倍蚤糞をのさばらせる愚かな愚かな愚かな我ら

なにゆえにこの世の中をぐあんばれるそれでもみんな健気に生きてる

なにゆえに奥歯がしくしく痛みだす歯茎の下に膿が溜りて

なにゆえに有象無象が政治家をめざす高収入に眼がくらんで

なにゆえに小池頼みが小池を恨む自業自得というものならずや

なにゆえに即出場停止にしないダルビッシュを蔑視したキューバ人を

なにゆえにドジャースは負けてしまった投手交代を誤った

なにゆえにトランプは日本にやって来る安倍蚤糞に活入れるべく


  なにゆえにダルは試合をぶち壊す野茂が投げればよかったのに 蝶人

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西暦2017年神無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2017-11-01 15:49:02 | Weblog


ある晴れた日に 第483回



あるがままをあるがままに詠むことがホッパーの絵に変わる奥村氏の歌

能楽では鼓の演者が声を出す鼓の音より大きな声で

福島より沖縄に来た子らのため19の老女声張り歌う

えんやこらしょっとバイロイトに響き渡るウィーンフィルの咆哮

「白鳥の湖」でオデットが踊るとどうしても白いパンティを見つめることになる

「白鳥の湖」でオディールが踊るとどうしても黒いパンティを見つめることになる

ハルキよりカズオイシグロが先に取ったけどノーベル賞は文学ではない

ノーベル賞は文学自体とは無関係ハルキよ焦るなわが道を行け

1年に3つの球団を渡り歩き「ぶれなかった」と語る青木選手

ダルビシュを人種差別したグリエルはキューバ人にしてアストロズの野手 

アストロズのグリエル選手が差別したのはダルを含めた我ら東洋人

北朝鮮のミサイル発射を全局が空襲のように伝える朝

「女王様、お仰せの通りにいたします」売党奴マエハラの責任重し

「希望」なる言葉に希望はあるけれど「希望の党」には絶望しかない

路地裏の奥に住宅の壁にポスターが貼ってあるあれは党の命令なのか

邪悪なる者どもが仕掛ける戦争だ嫌でも眦決して立たねばならぬ

自公維希有象無象を薙ぎ倒し衆院選を勝たねばならぬ

要するに自公と維新希望絶て憲法改悪阻止するために

明らかに「民衆の敵」と思えどもその民衆が彼を支持する

自公でも希望の党でも同じこと味噌と糞との違いすらなし

くたばれ安倍くたばれ小池と言いながら草取りをする神無月5日

安倍小池松井山口中野氏が姿を消した秋晴れの朝

わが一票効を奏して神奈川4区自公浅尾を打ち負かしたり

独裁を唯々諾々と追認す奴隷の民は死すとも可なり

安倍蚤糞に投票したる連中が安倍蚤糞は勝ち過ぎたと抜かす

どこまでも安倍蚤糞について行くあんたらあには愛想が尽きた

ほら見ろよ野党の質問を減らすとよあんたが投票した自民が

長月の5日に逝きしという元シュプール編集長山本大介

「人類は宇宙へ出ないと未来はない」とホーキング博士語れり

戦争のない世の中を作るには戦争のできない国を作るしかない


 核兵器禁止条約に賛成せぬ国の提出したる廃絶決議案に賛同少なし 蝶人
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