あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

レイチェル・ブライト文ジム・フィールド絵・安藤サクラ訳「ライオンのこころ」を読んで

2022-07-15 13:21:16 | Weblog

照る日曇る日第1763回

 

ちっぽけで臆病なノネズミが、自分のコンプレックスを克服したい、と思い切って百獣の王のライオンのところに出かけたら意外や意外、ライオンキングがノネズミよりも臆病だと分かった。

 

そこで、2頭はすっかり打ち解けて大の仲良しこよしになったとさ。

 

こうやって解説してみると、なんか嘘みたいだけど、ほんとの話なんだそうだ。

 

   教団と安倍元首相の繋がりに光を当てれば真が見えよう 蝶人

 

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第108回

2022-07-14 11:06:11 | Weblog

西暦2021年師走蝶人酔生夢死幾百夜

 

名物カメラマンの写真の撮り方は、まず顔から始まって、次にボディ、次に全身、最後にまた顔のアップに戻る、というものだった。12/1

 

展覧会その1では1000円の入場料を取り、その2では無料どころか茶菓までサービスしていたので、10年も経つと両者の経営には大きな格差が生じたようだった。12/2

 

おらっちはひそかにA子を贔屓にしているのだが、それを他人には知られず、当の本人だけに分かるように伝えるにはどうすればよいか、あれこれ迷っていた。12/4

 

おらっちは源氏の末裔なので、もしも敵に襲われて捕虜になっても恥ずかしくないような由緒ある衣装を身に纏っていなければならないと思うのだが、それがどういう格好なのかさっぱり分からないのよ。12/6

 

「酒を飲めないこの子たちは、アッパークラスのバーで修行させたらええ酒飲みになると思うがな」と、さる酔っ払いがいうたずら。12/7

 

死にかけの痩身の老人の分際で、まだ名前もついていない難病中の難病を、3つも抱えこんでしまったもんだから、湘南鎌倉病院に行っても医者が喜ぶばかりで、いっこうに治してくれないので、雨の水曜日を自宅で静養することに決めた。12/8

 

私は、東西南北を行き来しながら、すべての営為の虚しさを、嫌というほど思い知らされていた。12/9

 

バーンスタインの私は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の劇伴だけをつとめて、ニールセンの交響曲なんかは、三流指揮者の棒に任せて帰宅した。12/10

 

整形外科の先生が「その後どうですか?」と聞くので、「相変わらず痛いです」と答えると、「じゃあ注射でもしてみますか」と言うので、「痛いのは嫌ですよ」と言うと、「ちょっとピリッとするだけですよ」と言うので、「ではお願いします」と言うて、注射してもらったら、やっぱり痛いのだった。12/11

 

その夫婦の生甲斐といえば、毎月1度だけ、それなりのレストランで、ランチを楽しむこと、だけだった。12/12

 

敵は、額に黒いサングラスをかけているので、それが、太陽光線で光る瞬間に射撃すれば、射斃せることが、分かった。12/13

 

今月のおすすめふぁつちょんは、レディスの白に対して、メンズはグレイだったが、その理由については、カラリストのイチカワさんにしか分からなかった。12/14

 

おらっちは、さっきまで、楽しく酔いしれていた、壮大な夢の尻尾が、大魚の尻尾のように、ゆらゆら、消え去っていくのを、呆然と眺めていた。12/15

 

その有名な素材講座では、2人の講師がかわるがわる教壇に立つのだが、今回の講師をよく見ると、あまりにも昔の恋人に似ていたので、ちと驚いた。12/16

 

長い間コロナや交通事故のせいで外出を避けてきたのだが、気がつけばぶらりと電車に乗って京都みたいな町にやって来て、あちこちをほっつき歩いているのだが、誰一人いない。12/17

 

最後に登場したのは不思議な荷物で、こいつに呪文を唱えると、たちまち容量3倍の大きさの3Dメデイアに膨れ上がり、わいらあ4人組は、その巨大な段ボールに、なんもかんも詰め込んで、上京したのよ。12/18

 

この白いアフリカの地で、褐色の少年たちにとり囲まれたおらっちだったが、ナイフを握った彼らの右手を掴み、次々に左手のナイフで彼奴らの腋の下を刺していったので、おらっちの周りは、死体がゴロゴロだった。12/19

 

下半身に茶色い液体が入った、無数の小さいビニール袋がぶら下がっていて、おらっちは、そいつを、2時間おきトイレに捨てに行かねばならんかったのよ。12/20

 

東京発の最終の新幹線こだまの窓枠にぶら下がって、食堂車にいる知り合いと談笑していたら、いつのまにか発車してしまっった。「さあ大変、どうしよう?」と思うのだが、こうしていても振り落とされはしないので、このままで続けることにしたのら。12/21

 

3匹の仔豚が行方不明になったので、FM横浜のアオキアナウンサーが心配して、何度も何度も放送で呼び掛けているが、まだ見つからないようだ。12/22

 

「おめえ、たまにはジョークの一つも言うてみろよ」、と強要されたので、必死に考えた末に「殿下の電話」と言うたのだが、誰も笑ってくれなかったずら。12/23

 

真夜中に誰かが家族で寝ている4畳半に忍び込んできて、幼い息子をさらっていこうとするので、必死に阻止しているおらっちなのであったあ。12/24

 

その病院では最強コロナで殆どの患者が死亡してしまい、金子院長は、唯一生存しているリヨ子に望みを託していたのだが、リヨ子は「わたし、一人は堪えられませんので」と言うて、勝手に退院してしもうたずら。12/25

 

これは昇進を続ける2人のエリート・ゴルファーの内緒の話だが、乳首島の5万羽の貴重種が、いつのまにやら全滅していたそうだ。12/26

 

腱板損傷で「痛い、痛い」と喚いていたら、「おらっち理学部の学生ずら」と自称する若者が、アルツ25mgを注射して痛みを鎮めてくれたのよ。12/27

 

今まで通っていた2つの病院に信を置けなくなったので、おらっちは急遽第3の病院を捜し始めたが、選ぶ基準が揺らいできたので、大層難しい作業になってきた。12/28

 

超多忙で超売れっ子のバリトン歌手のおらっちは、モザールのオペラのアリアなんか全部頭に入っているので、全然練習なんかしないで本番に臨んだのだが、いざ伴奏が始まると、どこから入っていいのか分からず、赤っ恥をかいてしまった。12/29

 

あの有名なタナカ一家が、展覧会の会場にやってきたので、主催者である息子は、少しばかり緊張しているようだった。12/30

 

   感染者が1万人を超えたのにベッドの数だけ気にするタヌキ 蝶人

 

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ミロコマチコ作「まくらやみのまっくろ」を読んで

2022-07-13 10:48:25 | Weblog

照る日曇る日第1762回

 

はじめは真っ暗闇の闇の奥にいる何者かが、少しずつ変容してサイやホロホロチョウになり、カメからキリンへと変身していくうちに、それは外界の光を浴びて、緑や黄色や真っ赤な色彩に包まれていき、さらに命が膨れ上がるにつれて、新しい別の何者かへと進化していく。

 

作者は、力強い造形と輝き渡る色彩を駆使して、父母未生以前の生命マグマの大爆発を、完膚なきまでに描き尽くした。

 

   自由とか民主の息の音を止めた首領に額ずく奴婢共数多 蝶人

 

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西暦2020年文月蝶人映画劇場その2

2022-07-12 10:39:32 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2896~100

 

1)ピーター・ボグダノヴィッチ監督の「ラスト・ショウ」

1971年の失われた青春映画。すべてが虚しく儚い。そういう思いから、しばらく立ち直れない。そういう映画を超えた映画はこの世にそうあるものではない。

 

2)エドワード・ドミトリク監督の「十字砲火」

1947年の反ユダヤ主義を主題にした犯罪映画であるがてんで説得されない。

 

3)オーソン・ウェルズ監督の「審判」

フランツ・カフカの原作を1963年に映画化。演出のウェルズ、主演のアンソニ・パーキンス、助演のロミー・シュナイダーの代表作だ。ここまで映像にしてくれれば泉下のカフカも泣いて喜んでいるだろう。

 

4)ジェームズ・マグティーグ監督の「Vフォー・ヴェンデッタ」

2005年製作の近未来悪夢全体国家映画だが、どうにもけたくそ悪いずら。

 

5)スタンリー・キューブリック監督の「アイズワイドシャット」

トム・クルーズとキッドマンを完璧に使いこなした偉大なる監督の1999年の遺作。全裸の若い女性たちとの酒池肉林の夢が美しくもうつろに儚い。

 

   蛇蠍よりなお嫌われし政治家の遭難現場に花を捧げる 蝶人

 

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第107回

2022-07-11 09:49:06 | Weblog

西暦2021年霜月蝶人酔生夢死幾百夜

 

中国大陸にほど近いその小島には、仮想敵国からの情報を細大漏らさず収集するための、大中小無数のアンテナが、蟻の這い出る隙間もなく立ち並んでいた。11/1

 

佐々木かをりが親戚ではなかったと知ったおらっちは、少なからずショックを受けたが、「そうか、京都生まれの彼女が、横浜生まれのはずがないもんな」と、胸を撫で下ろしたのだった。11/2

 

連隊長から「敵の捕虜を14・23に全員ここに整列させろ」と急に命じられたので、捕虜を捜したが、どこにもいないので、わいらあいうにいわれん苦労をしたのよ。11/3

 

おらっちの会社での仕事は広告宣伝なのに、もう秋が終わって冬に入ろうとしているのに、年初から何の仕事もしていないことに気がついて、慌てて営業部長のところへ行ったら、「今年は宣伝費はゼロなのよ」というたので、腰が抜けたずら。11/4

 

明日は総攻撃というその夜、わいらあ「みんな家族でいるところをスケッチしてやろうか?」と訊ねると、我も我もと集まって来たので、次々に描いてやったら、みな泣いて喜んでいた。11/5

 

コロナ禍が一段落したので、マンモス学会へ行ったのだが、「マンモスの本質は、その骨なのか、その内臓なのか、それともその魂なのか?」について、相も変わらず果てしなき議論が繰り広げられていたので、怱々に退席した。11/6

 

キヨカワ医院の女院長が、土曜日の内科を担当しているそうなので、いちど健康診断を受けてみようかな、と思うのだが、その動機がやや不純ではないかと、朝までもんもんとしているずら。11/7

 

新社長が同じ場所で毎回作っては壊し、壊してはまた作る展示会の設営費がまったくの無駄遣いだ、と怒り狂っているようだが、これが必要経費であることを、誰も説明しようとはしない。11/8

 

せっかく頻尿緩和剤を飲みだしたのに、なんでまた1時間おきに小便に行かなきゃならんのだ、それに寝返り打つたびに右腕の筋肉が痛むし、ダメトラは虚人なんかに負けるし、ああ早く寝なきゃ。11/9

 

私ら2人は、あんまり近くにいたために、かえって、お互いに深く愛しあっていることが、ずいぶん長い間、分からなかった。11/10

 

三代将軍実朝の私は、毎日歌を詠みながら、あの悪辣陰険な北条時頼が、私の首を取りに来る日を、今か今かと待っているしかなかった。11/11

 

おらっちは見た。かの公爵夫人が、あのコモド大トカゲとがっぷり四つに組んでから、明後日の方角へ、いとも軽々と投げ飛ばすのを!11/12

 

司令官から直接頼まれたので、仕方なく面倒を見ているのだが、その頑なに沈黙を続けている男は、ひょっとすると敵の密偵かも知れないので、おらっちは気を抜く暇は、てんでなかったのよ。11/13

 

イマイさんの小説講座を学んだ人たちから、数多くの芥川賞や直木賞作家が誕生しているが、イマイさん自身は、まだ候補にのぼったことすらないのは、何故だろう?11/14

 

車のトランクを開けたら、中は水がいっぱいで、金魚とメダカが泳いでいて、水底に2つの弁当箱があった。11/15

 

高橋アキさんが、ピアノで現代音楽を演奏していることは分かるのだが、それが誰のなんという曲なのかはてんで分からないうちに、演奏が終わってしまい、瞬く間に、聴衆も消えてしまったので、拍手することも出来なかった。11/16

 

おらっちは、オン・デマンド・サービスで頼んだ、コカコーラと三ツ矢サイダーとカルピスを飲みながら、懐かしの小学校唱歌を歌いまくったのよ。11/17

 

千客万来の展覧会にスタッフ一同大童だったが、ふと考えてみると、今回は入場料金をとっていないから、全部持ち出しになる訳なのであった。11/18

 

千客万来の展覧会の最終日の終了時間間際に滑り込んだ客が、いくら「もう終わりですよ」というても、粘りに粘って帰ろうとしないので、みな閉口して、客を残して引き揚げた。11/19

 

族長は、これから夜襲をかけるテントの中で幸せそうな顔をして眠っている女子供たちのことを思ったが、いそいで頭を振って、その残像を消し潰した。11/20

 

息子ときたら、五味家の広間に若者たちを集めて、なにやら大演説をしているので、恥ずかしくて仕方がない。いつのまにああいう偉もんハンに成り上がったのか。11/21

 

スクリーンに映し出された、青春まっさかりのアラン・ドロンを見つめながら、後期高齢者の女性たちが、ねっとりとした妖しい視線を投げかけるので、とうとう銀幕が燃えはじめたようだ。11/22

 

もうコロナにすっかり飽きた政権が、急に思いついたように18歳以上の国民にクラシックの定番CDを無償提供することになって、まずワルターのモザールの40番&41番が送られてきた。11/23

 

おらっちは、南アやアメリカ南部で人種差別バスに乗ったことがあるが、それはそれはお話にならないくらい酷いものだった。11/24

 

おらっちは、ある野党の領袖選挙に立候補したのだが、対立候補のレベルがあまりにも低すぎるので、討論会は欠席して、コブナ釣りに勤しんでいた。11/25

 

ノジマ電機でエアコンを買おうと思って、販売員と電卓を押しくら饅頭していたら、余の右手の人差指が電卓を突き抜けて、販売員の掌も突き通してしまったので、驚いたなあ。11/26

 

「シビラっちゅう服のコンセプト、コア・ターゲットのプロフィールは、いったいなんなんねん!」と社長が叫ぶと、その場にいた全員が、なぜかおらっちを見たので、「そんなこと知らすか、なんでおらっちが答えんといかんのかいな」というて、退席したのよ。11/27

 

いつも細かい所で失敗している大将だったが、最後のコンサートでは、一音符も間違わずに軽妙なフルートの節を奏でた。11/28

 

バーンスタインな私は、その日のコンサートで、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の棒は振ったが、ニールセンの交響曲は謹んで辞退し、家に帰ったずら。11/29

 

もう今では無くなってしまった会社のこと、もう今では泉下の人となってしまった先輩や後輩の人々のことについて四方山話をしたのだが、その御当人は、おらっちのことを全然それと認知していなかったと別の人から聞いたので、やっぱりそうだったのか、でもよくある話よと軽く受け止めているおらっち。11/30

 

   列島にファシズムの嵐が吹き荒れる3年間を国内亡命 蝶人

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伊坂幸太郎著「マリアビートル」を読んで

2022-07-10 09:34:39 | Weblog

照る日曇る日第1761回

 

東北新幹線「はやて」を舞台にした「抱腹絶倒の殺し屋狂騒曲」と書きたいところだが、どんなお腹のどこいらを抱えて笑い飛ばしたらいいのだらう。

 

「ほれほれ可笑しいだろう、うんとこさ笑ってくれよ、笑っていいとも!」と叫びながら、なんとヴァージニア・ウルフまで引用する殺し屋凸凹コンビまで登場するのだが、まだしも退屈極まりない、かの吉本興業の漫才でも見物していた方がマシ、というレベルの、お笑い探偵殺人ドラマなのだ。

 

ところがそんな本作を、あのブラビが映画にしたり、世界的な文学賞候補作にノミネートする連中がいるというのだから、世の中は分からんもんだ。

いや分からんちんは、世界中でおらっち一人なのかもしれんて。

 

   さんざんに民主主義を甚振りし元宰相が凶弾に伏す 蝶人

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チャールズ・ブコウスキー著・中川五郎訳「書こうとするな、ただ書け ブコウスキー書簡集」を読んで

2022-07-09 09:04:32 | Weblog

 

照る日曇る日第1760回

 

アベル・デブリットが編纂したアメリカのパンク詩人&作家チャールズ・ブコウスキー(1920-1994)の書簡をパンク歌手&翻訳家の中川五郎選手が刊行しました。

 

「詩が広まったことは一度もなかったし、今もそうだ。そうだ、そうそう、知っているよ。、豊かな感情や深遠な真実を数行の簡潔な言葉で表現することができた李白や昔の中国の詩人たちがいた。」

 

ブコウスキーは郵便局員とかバーテンダーなど色々な職業を転々として、食うや食わずの超貧しい生活をしながら、1)ビールを浴びるように飲むこと、2)いい女と死ぬほどオマンコすることと並んで、3)ブラームスのレコードを聴きながら、タイプライターに向かっていたすら書きまくることが大好きなひとで、そこらへんが、大学で詩学なんかを講じながら「自分の詩を旗のように振っている」インテリ詩人とはなから違っていたようです。

 

「人を催眠術にどっぷりかけてしまうような詩の書き方をしなかったりすると、何だか響きが悪い下手な詩を書いていると決めつけられてしまう。彼らは、自分たちがいつでも耳にしてきたようなものを聞きたいだけなのだ。」

 

んなわけで、酒と女に眼がないルンペンぷろりたりあーと出身のアルチザンの詩も小説も大好きな中川選手が訳出したこの手紙ほどオモロイてがみは、あんまりないでしょうね。

 

「インテリ人種がわたしの金玉を切り落とす。私にとっての始まりはどれも(わたしにとって!)新たな始まりなのだ。そうでなければほかにどうやって自分が生きているか死んでいるか気づけるというのか?」

 

その大半はビールを飲んで酔っ払いながら書いているようですが、だからと言うて中身が酔っ払っているかというと、そういう手紙も少しはあるが、思わずハタと手を打ち合わせたり、居住まいを正して傾聴せざるをえない名文句だったりするので、ぐんぐん読み進まずにはいられません。

 

詩を学ぶ最良の手段は読んで忘れることだ。なぜなら理解できない詩が特に優れたものだとは私は思わない。殆どの詩人は守らた生活の中で限られたことしか書けなくなっている。それなら私は詩人よりもゴミ収集人や配管工、揚げ物調理人とおしゃべりする方がいい。

 

   ついにいく道とはかねて聞きしかどきのう奈良とは思わざりけり 蝶人

 

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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.126」

2022-07-08 10:58:24 | Weblog

西暦2022年文月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第413回

 

  • 勲五等瑞宝章受賞祝賀会受賞者のあいさつ

本日はかくも盛大な祝賀会を開いて頂きまして、いたく恐縮致しております。またこのたびははからずも叙勲の栄に浴しまして、たいへん晴れがましく思っておる次第です。*

 

1これも家内はじめご指導くださった諸先輩、ご協力頂いたスタッフやここにお集まり頂いた皆々さまのご支援の賜と深く感謝致しております。*2

 

今日、いわゆる世界のグローバル化によって英語への1極集中現象が惹起しておりますが、世界には5千から6千以上の言語が存在するといわれております。

 

その中にはカマス語、ゲール語をはじめ、既に絶滅したか絶滅寸前の言語が数多く含まれておりますが、言語こそ文化の原点と信じる私は、ひとつでも多くの言語をこの世に遺そうと痩身に鞭打ってまいりました。

 

35年の歳月を投じてようやく完成しました「世界絶滅言語大全全15巻」は、私の持てるすべての時間と体力と情熱を注ぎこんだ著作であります。*3

 

いわば“後世への遺言”である本書に対して頂戴致しました、このたびの叙勲に対し、心よりお礼申し上げます。

 

  • アドバイス
    • 1 受勲は自分だけの手柄ではないと、周囲の人々の協力に感謝している。
    • 2 ここからが受賞の対象となった仕事についてのコメント。言語学者である受賞者は、その畢生の大事業である辞書制作が評価された。
    • 3 長期間に渡る孤独な作業を世間が認知してくれたことに対する感謝の念が自然にほとばしり出る。

 

  ネオナチのファシズム国家ウクライナを打倒するのよプーチンはんが 蝶人

 

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西暦2020年文月蝶人映画劇場その1

2022-07-07 09:39:48 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2890~95

 

1)ミッチェル・ライゼン監督の「ミッドナイト」

クローデット・コルベール主演の1939年のドタバタコメデイだが、ビリー・ワイルダーの脚本が例によって細かく描きすぎてしつこい。

 

2)ロジャー・メインウッド監督の「エセルとアーネスト」

レイモンド・ブリッグスの父母の思い出を、アニメではなく、美しく丁寧なアニメーションにした2016年のレイモンド・ブリッグスの原作映画。

 

3)ウォルフガング・ペーターゼン監督の「トロイ」

ギリシア神話のトロイ戦争を、仰山な神々抜きの人間ドラマとして描いた秀作。ブラピが好演する2004年の大河戦争映画。

 

4)ジュールズ・ダッシン監督の「真昼の暴動」

バート・ランカスターが首謀者の囚人たちが刑務所からの脱走を図るが、あえなく潰える1947年のサスペンス映画。ヒューム・クローニンの看守長が憎たらしい。

 

5)リドリー・スコット監督の「ディレクターズカット ブレードランナー最終版」

1992年の監督編集版だが、彼の演出も、シド・ミードの美術もヴァンゲリスの音楽もなにもかも古臭く見えて興ざめ。なんでこんな映画に夢中になれたのか我ながらいぶかしい。

 

 祖国ロシアのいくさに心を痛めつつをバッハを奏でるアレーナ・バーエワ 蝶人

 

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山本みなみ著「史伝 北条政子」を読んで

2022-07-06 09:45:50 | Weblog

照る日曇る日第1759回

 

大河ドラマの人気に便乗したような鎌倉殿関連の新書が、雨後の竹の子の如く登場しているが、本書もそのひとつだろう。

 

作者によれば、前著(未読です)で弟の義時を書いたら、彼がいかにお姉さんの掌の上に乗っかっていたかが良く分かったので、このたび政子を取り上げたそうだが、「御台所の日々」、「頼朝の後家として」、「尼将軍の時代」、「後代の政子像」まで4つの章立てで、彼女の生涯と業績を丁寧に跡付けていて好感が持てる。(但し「あとがき」では、政子教の熱烈な信者が教祖様をいささか持ち上げ過ぎているようで、鼻白む。)

 

それはともかく網野善彦選手の書きものなどを見ると、中世の鎌倉時代では、近世と違って比較的女性の経済的、社会的地位が高かったようなので、源家の御曹司の貴夫人にして、天賦の才を備えていた彼女が、運と僥倖にも恵まれて、稀代の政治的指導者として活躍することもできたのだろう。

 

ただその活躍のエネルギーの大半が、北条一族の「私利」と鎌倉幕府の「公益」とを、意識的かつ無意識的に混同したり、本来は同列の仲間であったはずの御家人たちを次々に謀殺することに費やされたきらいがあるのは、北条贔屓の連中はいざ知らず、おらっちにとっては、嘆かわしくも唾棄すべき所業だったと、人っ子一人いない妙本寺を訪れるたびに思うのである。

 

7月1日の朝日新聞に出ていた歴史学者細川重男選手のインタビュー記事によれば、当時の鎌倉は、喰うか、喰われるか、殺すか、殺されるかの殺人都市で、かつての広島のような「仁義なき戦い」が、ヤクザより恐ろしい関東武士によって連日繰り広げられていたようである。

 

「頼朝の挙兵から死去までの約18年間で、彼の意思で殺害されたものは30人を超える」そうだが、その冷酷無惨な殺戮をじっと観察・研究していた時政、義時、政子があの世に送りこんだ死者たちの数は、比企一族だけでもその数倍を超えるだろう。

 

800年も経てば、「愛と慈悲と徳義ある治世」などと褒めたたえることも簡単にできてしまうが、ほんとは政子だって、夫の頼朝がそうであったように、毎日毎日の「暴力と死の時代」を、なんとかきゃんとか生き延びるので精いっぱいだったに違いない。

 

     決断と実行力が欲しいので角栄なんかに憧れてしまう 蝶人

 

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家族の肖像~親子の対話その82

2022-07-05 09:45:19 | Weblog

ある晴れた日に 第第691回

 

「あけましておめでとうございます!」言いましたよ。

おめでとうコウ君。

 

車体構造って、なに?

社会構造?

車体構造だお。

なんか難しいことを聞くねえ。

 

目黒駅構内って、なに?

目黒駅の中、のことよ。

 

いとしいって、なに?

かわいくて心に響くことよ。

 

なんで泣いてるの?

結婚しようと思ってたら、騙されちゃったんだって。

 

ぼく、連佛さんの声、好きですお。

お母さんもよ。

 

お母さん、おみそれって、なに?

おみそれして申し訳ありませんでしたあ。

 

お母さん、ぼく「新参者」好きですお。

そう、お母さんもよ。

 

受け止めるって、なに?

それはね、受け止めることよ。

 

局地的って、なに?

その地方だけ、ってことだよ。

 

ぼく、ファミリーマートで雨宿りしましたよ。

そうなんだ。良かったね。

 

マコトさん、のぞみ幼稚園、金曜日までなんですよ。

のぞみ幼稚園って、浦和の?

そうですお。

 

お母さん、ごはん食べよ。

はい、食べましょうね。

 

お母さん、エイエイオーは?

頑張ろう、よ。

エイエイオー! エイエイオー! エイエイオー!

 

お母さん、お茶と緑茶入れてくださいね。

分かりましたあ。

お母さん、大工さんいつ来るの?

金曜日の午前中だって。

分かりましたあ。

 

ぼく、逗子のau行きますお。

大丈夫? 我慢できる?

できますお!

 

コウ君、これからどうするの?

ぼく、お昼寝します。

 

鬼は外おおおお! 福は内いいいい! ぼく、言いましたよ。

 

速度おとすって、ゆっくり走ることでしょう?

そうだよ。

 

速度おとそうね。

そうね。

ゆっくり走ろうね。

そうだね。

 

オオヤさん、辞めるんだって。

ぼく、寂しいけど、頑張りますよ。

頑張ってね。

 

「お世話になりました」って書いてあったよ。

そう、良かったね。

 

ぼく、オオヤさんに、お手紙書きますお。

そう、書いてね。

 

実は、って、なに?

本当は、よ。

 

非常に、って、なに?

とっても、よ。

 

お父さん、爆発の英語は?

エクスプロージョンだよ。

なに?

バーン!、だよ。

バーン!!!

 

お父さん、気をつかう、って、なに?

それはね、つまり、気をつかう、ってことよ。

 

もしもし、お父さんだよ。

お母さんに代わって。

はいはい。

 

オオヤさん、新天地に行くんだってよ。新天地って、なに?

そうねえ、きっといいとこよ。

 

オオヤさん、ぼくは、握手しますお。

そうしてね。

 

オオヤさん、広末涼子に似てますお。

そうねえ、ちょっと似てるね。

 

ぼく、オウチ帰ったら、セイユー行きますお。

行こうね。

 

「お願いします」って、頼むこと?

そうだよ。

 

無くなるの、廃車?

そだね。

 

私はブロッケンジュニアなんです。ブロッケンジュニア好きだよ。

そうなんだ。

 

障害物って、なに?

邪魔なものよ。

 

ケンちゃん、「エール」みた?

みたと思うよ。

 

さつまいも、食べるものでしょう?

そうだよ。

 

極める、って、なに?

最後までいくことよ。

 

ヒライ先生、死んじゃったね。

そうね。

 

七面鳥、トリでしょう?

そうだよ。

 

年格好って、なに?

何歳くらいで、どんな体格をしてるか、だよ。

 

お母さん、おばあちゃんちで個展作ったでしょう?

そうねえ。

 

ところがって、なに?

そうだったけれど、よ。

 

たしなめるって、なに?

そんなことしないのよ、よ。

 

ミエコさんて、お母さん、ミエコさんでしょ?

そうよ。

 

ウクライナって、なに?

そういう国の名前よ。いまロシアから戦争を仕掛けられて困ってるのよ。

ぼく、戦争嫌ですお。

お母さんも。

 

シカゴは外国?

そう、アメリカよ。

 

お母さん、受け止めるって、なに?

ああそうだねって、認めてあげることよ。

 

ミーティングって、なに?

話し合いよ。

 

お母さん、おみそれって、なに?

「あらまあ、びっくり」、よ。

 

イグサ、「たたみ」でしょ?

そうだね。イグサで出来てるね。

 

ぼく「みんなの歌」好きですお。

お母さんも。

お父さんもだよ。

 

めった刺しって、なに?

めちゃくちゃに刺すことだよ。

めった刺し、嫌ですねえ。

嫌だねえ。

 

ぼく、名越のプール、好きでしたお。

お父さんも。あのプール、良かったね。

 

またオオヤさんに会える?

きっといつかどこかで会えるよ。

 

お買い得って、なに?

買って得することよ。

 

更生のこう、更にの更でしょう?

そうだね。

 

停電したためって、なに?

停電したから、よ。

 

ぼく2段ベッド好きですお。

そうなんだ。

上が好き?それとも下?

両方ですお。

 

とりあえず、「一応」のこと?

そうだね。

 

果てしなくって、なに?

どこまでもずーっと、よ。

 

お母さん、特別扱いしちゃだめでしょう?

そうねえ。

 

あした定期買いに行きますお。

行こうね。

 

私は壇ふみです。

こんにちは壇ふみさん・

 

金曜日、お赤飯と豚汁にしてくださいね!

分かりましたあ!

 

今日コンスープとシャケご飯にしてね、お母さん。

分かりましたあ。

 

人間同士って、なに?

人間、みんなお友達よ。

 

 

  Urological Clinicに行ってますって、もしかして泌尿器科のこと 蝶人

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「夢は第二の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」第106回

2022-07-04 10:08:51 | Weblog

西暦2021年葉月長月神無月蝶人酔生夢死幾百夜

 

2012年8月

 

常に狭斜に往来していたおらっちだったが、世紀末ウイーンを訪ねた折には、高級車に2人の美女を侍らせ、颯爽とモザール邸に乗り入れたのよ。8/1

 

昔々京急の株を超安値で買ったのが、今や数百倍の値がついてぼろもうけしているはずなんだが、いくら探しても肝心の株券がないのら。8/2

 

息子がようやっとコロナワクチン接種の申し込みができるようになったというので、朝イチで代理で申し込んでやろうと徹夜で待機していたら、朝が過ぎ去ったようだ。8/3

 

最新型コロナとの戦いの最前線に立っているのは、またしてもホッテントットの女王だった。8/4

 

いくら優れたデザイナーの服でも、それを着こなす人のセンスが悪ければたちまちゴミのような代物になるのは、そのデザインの中には良い、悪い、普通の3種の要素が含まれているからだと、良い子、悪い子、普通の子の3人が、声を揃えて教えて呉れた。8/5

 

いよいよ地球脱出の時が迫って来たというのに、この国は、頭の先から尻尾のヘリまで腐りきっていたので、もろもろの準備がてんで出来ていないのだった。8/6

 

軽自動車で撥ねられた時の撥ねられ具合は、ガツーンだったか、ゴツーンだったか、ガーンだったかと、色々追体験しているのよ。8/7

 

敵の偵察に出ていたら、とっつかまってしまった。敵軍の頭は「罰としてお前の片腕をちょん斬ることにするが、どっちかを選べ」というので、たまたま腱板損傷で痛くてたまらない右腕を切断してもらったら、さっぱりした。8/8

 

仏蘭西語が分からない伊太利人のために、最後の御奉公として棺桶に片足を突っ込んだアラン・ドロンがやってきたのだが、「セレレ、セレレ」としか発語できなかったので、みな落胆した。8/9

 

カス内閣のデジタル庁があまりにも不人気なので、誰か知恵者が入り知恵して看板をレンタル庁に付け替え、いずれも無職の若い男子には若い女子、若い女子には若い男子を夜な夜な税金負担でデリバリーすることに決めたら、たちまち支持率が急上昇しました、とさ。8/10

 

我々はみな鋭い剣がついた軍帽をかぶっていたが、これを敵に向けての熾烈な穴あけ競争が始まった。8/11

 

私はルーミスシシジミだが、口からあふれ出る蜜が若い娘たちの人気なので、周囲には遠方から駆けつけてきた多くの美女たちが、三密、四密、五密状態だった。8/12

 

シゲハラ印刷のタナカ君が、7時にいなくなると同時に、おらっちの課は無人になった。おらっち抜きで、どこかでパーテイーでもやっているのではないかと激しく疑ったが、あいにく誰もいない。8/13

 

誰かが露台で、洗濯物を物干し竿に吊るしたまま、そいつを上下左右に振り回して、サーカスの練習をやっている。8/14

 

みんなでモロッコに試合に出かけたのだが、あっさり負けてしまった。あんなやり方では負けるのは当たり前。みな大反省せよ!8/15

 

私はライフルを握り締めて、2,3回引き金を引いた。敵の姿は見えないけれど、誰かが斃れたたようだ。ともかく息子の一世一代の個展を邪魔立てしようとするやつは、こういう目に遭うのだ。8/16

 

久しぶりにNYにやって来て、前から持っていた小銭を払おうとしたら、「それはもう通用しません」と言われて、頭の中が真っ白になってしまったよ。8/17

 

いつの間にやらおらっちは、K団連の重要メンバーに成り上がって、毎日テレビで記者会見に出るようになったしまったので、「もしかして俺は海道一のエラモンさんになったのではないか」と、毎日鏡の中の顔とにらめっこしていたのよ。8/18

 

オグロ選手とその仲間たちが、年に一度の慰労パーティを開くと言うので、私は老いたる父母を連れて上京したのだが、ふと気がつくと2人とも姿を消してしまったので、焦りまくっている。8/19

 

ようやく父母を見つけたのでイカスミで口を黒くしたりしていると、誰かが「こちらササキマコトはんの特製スパゲッテイ・ブースどっせえ」と叫んでいるのでそこへ近づいていく。もうひとりササキマコトがいるのだろうか?8/20

 

かつて人気を博した国際政治テレビ番組が惜しまれつつ終了したが、脇役スタッフの私にも80万円のラスト・ボーナスが出たので、私は仲良しの女忍者スタッフと一緒にプロデューサーがいる最上階に行くエレベーターに乗ったのだが、まだ懐の80万円が信じられないでいる。8/21

 

テイコウ映画祭の会場では、バルタン星人が、「今日は、朝から晩まで、全部の映画を見るぞ!」と張り切っていたずら。8/22

 

神宮前の事務所に、東急エージェンシーのナカムラさんを訪ねたら、別の先客がいた。ナカムラさんが「3人で中華を食おう、僕は後から行く」というので、2人で先に行って待っていたがなかなか来ない。そのうち先客は、料理を勝手に注文し始めたので、焦っている私。8/23

 

その時だった。私は見た。黒い目出し帽をかぶった息子が、普段は見たこともない狡猾な類人猿のような表情で、そっと誰かに近づいていく恐ろしい姿を。8/24

 

山村工作隊時代の共産党員がまだ生き残っていて、「あの時代に火炎瓶を投げた連中が、その後歌声喫茶で「若者よ体を鍛えておけ!」などと歌っている姿を見ると、とても同じ人間とは思えないよ」と語るのを聞いて、おらっちは深く頷いた。8/25

 

両辺を両の手で持って、そのランプを、そろそろ運んだのだが、地面に下ろしたときの、ふとした衝撃で、大爆発が起こって、ランプも我らもみな吹き飛んでしまった。8/26

 

海岸通りを走るバスに乗って、私たちはその貴族の別荘に向かった。海も空も青い夏の日の午後だった。8/27

 

さなきだに苦労山積の駐韓大使の私を、官邸に忖度し捲りの猿面患者のような部下どもは、てんで仕事などせず、私の足を引っ張るようなことばかりするのだった。8/28

 

ぞの公凶放送のアナウンサーが、毎日マスクをしろとか外出や会食するなとか、まるで子供に箸の上げ下ろしを注意するような教訓を垂れるので、どたまに来たおらっちは、そ奴を画面から引きずり出して、血祭りにあげてやったのよ。8/29

 

今から30年前、この見知らぬ町に初めてやって来た私は、最初に口をきいた少年のお陰で幸運に恵まれ、とんとん拍子に出世して、町一番の分限者になり上がったのだったなあ、と、感慨深く振り返ったのだった。8/30

 

おらっちが指揮するハイドンのオラトリオ「天地創造」の演奏中に、おらっちの恋人のソプラノが急死してしまったので、曲目を急遽モザールの「レクイエム」に切り替えた。8/31

 

2021年9月

 

状況は瞬時に変化してしまうので、「わたしらは、いつでもいい意味でのダブルスタンダードを心がけていなければ、世の中から取り残されてしまう」と力説したのだが、タナカ氏は、ついに首を縦に振ろうとはしなかった。9/1

 

ぼくはひさしぶりにアマカワくんにあって、そのやさしさにかんどうしたんだが、「ぼく、あしたきみに、なにか、かみさまのことばを、いわなければならないんだ」というと、アマカワくんは、「ああそうなの、まあよろしくね」というたのよ。9/2

 

銀座の旧電通ビルの試写室でルック社のテレビCMを見ていたら、普段は温和なヨシムラ氏が、突如血相を変えて立ちあがって、「このCMに、なんで盲人が出て来るんだ。障害者を冒涜するな!」と叫んで、そのカットをカットさせたので、おらっち「こいつは偉い奴だ!」と、秘かに舌を巻いた。9/3

 

更地というより、荒地になってしまった会社の跡地を、元写真たちが、なにか思い出の品でも落ちていないかと、目を凝らしながら探している。9/4

 

「現代音楽のレコードは、一回こなごなに割ってから、アロンアルファでくっつけて聴くと、とても味わい深いんだ」と、大学時代の友人が教えてくれたのだが、なかなか実行できないでいる。9/5

 

出しものによって大好評の月もあれば、その反対に大不評の月もあり、それがみな売り上げに直結するので、映画館主のおらっちは。、大好きな「ローマの休日」だけを上映することにした。9/6

 

この史上未曽有の大飢饉時代を、我らヒニタタ一族は、身をひとつに寄せ合うようにして、爪を噛み噛み、たった一人の餓死者を出すこともなく、なんとか乗り切った。9/7

 

新型コロナを巡る世界的なパンデミックは、いっこうに収まらず、ますます熾烈を極めていたので、超強力な最新型ワクチンを搭載している我われの戦車は、敵軍の熾烈な集中砲火に晒されていた。9/8

 

政府主催の壮行会では、最初にビールなしのおつまみ、最後にスイトンしか出なかったので、頭に来た若い兵士たちは、次々に退場してタリバンの宴会場に向かった。9/9

 

東京の超僻地に引っ越した我ら夫婦は、近隣の住民のライフスタイルに違和感を覚えながら、自分たちの暮らしを細々と続けていたのよ。9/10

 

この国では、権力者にはむかった者たちは、金魚鉢を象った巨大な水槽に投げ込まれるので、泳げないものは、すぐに死んでしまうし、泳ぎの達者なものが、いくらあがいても、絶対に外には出られないのだ。9/11

 

コロナ最終戦争の段階で、ある希少ワクチンを接種した人だけが生き残れる、ことが分かったので、血を血で洗う物凄い争奪戦が起こっているようだが、おらっちのような下層階級には、てんで関係のない噺だ。9/11

 

その国際映画祭にはじめて出席した大富豪は、最新の映画が見放題なのに感激して、1億円を寄付したことで、その名を知られている。9/12

 

「この会社は腐ってるわ」と彼女がいうので、「その会社にいるボクもかな?」と訊ねたら、「さあそれは分からないわ」と答えたまま、彼女は地下鉄丸の内線の新宿駅の改札口から永遠に姿を消した。9/13

 

もうそろそろ、ここらへんで手を打たないとヤバイ、と思いながら、おらっっちは、何もせず、何も出来ないままで、いたずらに月日が流れていった。9/14

 

3時29分に玄関のチャイムがひとつ鳴ったので、おそるおそる階段を下りてドアを開けてみたが、誰もいなかった。9/15

 

ようやっとクリスチャン・バッハが到着したので、いよいよこれからリヒター選手が演奏を開始するのか、と固唾をのんで見守っていたが、コンサートは、なかなか始まらなかった。9/16

 

朝から晩まで敵将と激闘を続けた挙句、ついに最大の強敵を仕留めたのだが、おらっちには、何の勝利の喜びも湧き起こってはこなかった。9/17

 

芸術のための美的生活を目指して、楽しい共同生活を営んでいた私たちに対して、家主が強制退去を命じたが、おらっちを含めておよそ30名ほどが居残って、しぶとく美的生活を続けているのだった。9/18

 

全国マージャン大会が開催された。東京駅のホームに着くと、いきなりプラットホームのコンクリートが扇のように開かれて、その下には、何百台ものジャン卓が現れた。9/19

 

ふぁちょん大博士の下で、3年間修業を積んだおらっちは、朝寝して宵寝するまで昼寝して、時々起きて居眠りをしている大博士の代わりに、いま流行のエチカ調ルックスを製作したら大好評でした。9/20

 

その中国人女性のふぁっちょんトークでは、自分が得意とするラインは押さえて、あえて不要不急の不得手なラインを大きく打ち出すと、そのブランドの付加価値が増加するというたので、思い切ってやってみることにしたのよ。9/21

 

だいぶ前に急死した副社長の専用車に乗って、高速経由で彼の自宅に到着すると、美人の奥さんと女中らしき人がお辞儀をして、「おかえりなさいませ」という。副社長が運転手に「このまま彼の自宅まで届けてくれ」と命じたので、余は再び車上の人となった。9/22

 

その武将は、みずからも飢餓状態に陥りながら、小野城の包囲を解こうとはしなかった。9/23

 

私は最近大量生産されるようになったロボットについて研究している者だが、どんなロボットの表情も、また心の中にも、憂鬱と不幸が忍び込んでおり、譬え未来からやって来た猫型ロボットのドラどらえもんが、にっこり笑ったとしても、そこには決して消せない悲しみが漂っていることを見抜いたのであった。9/24

 

妻の実家で開催されている次男の個展を巡って、妻と息子の考え方が微妙に異なるので、はてさてどうしたもんじゃろう、と心穏やかならざる私。9/25

 

彼女は1億円の宝籤に当選したが、そのお金は生徒から集めた給食費の一部だったので、彼女は懲戒免職になり、1億円は学校がぶんどった。9/26

 

米国に遠征試合にやって来た我われは、毎朝食卓に並べられる宝石系のパンやコスモス系のパンを貪り喰うては、試合に臨んだ。9/27

 

ミクシィの少数の友人たちが書いた日記のありかを尋ねているのだが、杳として知れなかった。9/28

 

250人くらい入る大教室で、スタイリストを目指す若い女生徒に向かって、おらっちは1時間半にわたって谷崎の「陰翳礼讃」を論じたが、誰も聞いていない。と思いきや、講義が終わった時、一人だけ「とても面白かった」というて呉れたので、とても嬉しかった。9/29

 

リーマンを卒業して、フリーになってからのおらっちは、雑誌の取材記事から広告制作、専門学校、大学の非常勤講師等々、頼まれればなんでも引き受け、不眠不休で働き続けたので、自分のことを「抜き身の剣」と思うようになったのよ。9/30

 

2021年10月

 

海中なのに、巨大な水中ブルトーザーが、タラバガニのような大きな両腕で、海水を胸に抱え込んでは、次々に陸上に抛り投げていた。10/1

 

戸塚駅で横須賀線に乗り換えたら、ヴィクター宣伝部のトマツ氏が疲れた顔をして、うす汚れたガラス窓から外を眺めていたので、きっと重電部に異動できなかったに違いないと思ったずら。10/2

 

うちらあ野球の審判員なんやけど、2塁塁審で毎日60万円貰って、そのチームに有利な判定をしていた上司が、こないだ、とうとう首になってしまいました。10/3

 

Aという写真家が、商業写真を撮った後の現場を、Bという写真家が撮ると、芸術的写真に変わってしまうのだが、そのAとBを観察しているCは、写真家でも芸術家でもない。10/4

 

声は鋭い槍になって身を刺し、その身がどうなろうと、強烈な毒素を、全身に垂れ流すのだった。ひとたび身に受けた声は、体の中に沁み込んで、どうしても取り除くことは出来ない。10/5

 

モザールのト短調交響曲を聴きながら、おらっちはフルヴェンの悲しみが爆走していくのを見守っていた。10/6

 

「あんたの服には、権力への噛みつき跡が、ありありと残っているから、あれを着る人は、なかなかいないんじゃない」と、アンジェラが言うた。10/7

 

太平洋上空から見下ろすと、赤と青の2台の水中潜行艇に乗った2人が、楽しそうに海中ブランコしている姿が見えた。10/8

 

おらっちが校長を務めている小学校に、今年もベルリン・フィルの連中がやって来てミニ・コンサートを開いてくれるのだが、生憎改築中なので、校舎のあちこちを移動しながらの演奏になるので、ちと気の毒だ。10/9

 

夜、寝ているのに、起きているのに、寝ているようだ。10/10

 

いつもバスで会社へ行こうとしたら、道路の真ん中に大きな樹が倒れていて進まないので、仕方なくバスに戻ると、隣の黒人の大男が居眠りしながらもたれかかるので、身を躱していると、ソマリアのどすこいオバサンが乗り込んできて、余にウインクするのだが、もしかして、同級生のマリちゃんではなかろうか?10/11

 

南新宿の南の地下壕には、秘密の地下鉄が走っていて、オームとホームの血を血で洗う地上の武闘から逃れた民草たちが、犇き合っているのだが、おらっちはその群衆の中に、奥村晃作さんが、掃き溜の老鶴のように佇んでいる姿を見つけた。10/12

 

ピエール・カルダンは、さる伯爵夫人のために、毎年デザインと機能性に配慮した特製の水着を進呈していたそうだが、この話は、おらっちしか知らないと思うずら。10/13

 

大阪支店の連中と昼飯を食おうと歩いていたら、仲間の一人が黒鬼野郎にとっつかまってレスリングを挑まれ、さんざんやっつけられているので、誰か助っ人しないのか、とお互いに顔を見やるのだが、誰も助けないので、またさんざんにやっつけられて、素っ裸にされている。10/14

 

イソミ整形外科のイソミ先生に、そのことをどのように伝えるのかを、何度も何度も練習するのだが、そのたびに別の話をしてしまうので、焦りまくっているおらっち。10/15

 

わいらあ義経なんやけど、さる無名子が、公文書におらっちの名を書きしるしてくれたことだけを今生の名残として、いずこへともなく落ちのびていったのよ。単身で。10/16

 

せめて独裁的な為政者に蟷螂の斧を打ちおろさんと、余は身にワルサー一挺を携えて、王宮に忍び込んだのであったあ。10/17

 

偉大なるノーベル賞作家が、20年ぶりに発表した最新作は、たったの1行だけの世界最短小説で、しかもその1行の2/3が伏字になっていて、「その伏字が何であるかを当てた人には1億円を進呈する!」というスポンサーまで現れたので、超話題になっている。10/18

 

近所のおばさんから、「駅まで行くなら、ちょっと乗っていきなよ」と誘われたので、軽い気持ちで乗っていたら、そのおばさんが、俄かに、俄かめくらになったので、激しく動揺している私。10/19

 

ナカノ君が、「通産がオーバーランドの交通点」というたので、「キンサ、キレイな海の泡」と答えたら、また「光が輝き、土が唄ってる」というたのであるが、何も答えず黙っていた。10/20

 

ネモ艦長になった私は、ノーチラス号のスロットルを全開して、この世の悪人どもに体当たりさせ、次から次に海底の藻屑と化していった。10/21

 

私は星の王子様にテッパン協奏曲を聞かせたら、ことのほか喜んで、「もっと! もっと

!」とリクエストするのだった。10/22

 

「ここでリハビリを始めてから、まだ半年も経っていないんですよ!」と、おらっちは痛い右腕をブンブン振り回しながら、イソミ院長に激しく抗議したのよ。10/23

 

人世に消耗した時には、ベートーヴェンの交響曲第4番の出だしを聞くと、パンパンパンビノパンビタンを飲んだくらいには元気になるのだが、近頃は、さっぱり効かなくなってしまって哀しいずら。10/24

 

ともすれば分裂、崩壊してしまいそうになる「私」を掻き集め、また掻き集めしているうちに、いつのまにか「私」は「私たち」になっていった。10/25

 

おらっちの小学の同期の秀才は、村の一等地に巨大な銀行をおっ立て、「見てろ、いまに日銀に追いつき、追いこすんだから!」と、豪語するのだった。10/26

 

その村人たちは、風味絶佳、天下無敵と称されるサルマ茸を、おらっちにどっさり喰わせてくれたのだが、それほど美味くもなく、喰えば喰うほどマズくなるので、近寄って来た豚に呉れてやった。10/27

 

ゼンダ城の虜なおらっちは、鉄火面で全身を覆われてしまったので、飯を喰うたり、ウンチをしたりするのに、えらく往生したことであった。10/28

 

「この商売の鉄則は、本物のストラディバリウスのヴァイオリンを、ショオウィンドォに掲げることさ」と、その楽器商は語った。10/29

 

ボクはそろそろ身を固めようと思って、彼女と付き合い始めたのだが、彼女ときたら「海よ山よ町よ」と、あちこちふらふら遊び回るだけで、ボクと一緒にいる時間なんて、まるでありゃしないのよ。10/30

 

わいらあ潜水艦の乗組員は、夜狭いベッドに横たわって、「おらっちは今深い深い海の底の底で寝っているんだ」と思う時にしか、楽しみはないずら。10/31

 

   いちんちじゅう同じ噺を延々と繰り返すのがテレビの仕事 蝶人

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すべての言葉は通り過ぎてゆく第105回

2022-07-03 08:19:23 | Weblog

西暦2022年水無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第412回

 

 

今日でもう2022年の折り返し地点。なんという速さで時が過ぎ去っていくことよ!6/1

 

無神論者のおらっちが、ダンテの「神曲」を読んでも、全然怖くなかったのに、パスカルの「パンセ」を読んでいると心底怖ろしくなるのは、なぜだろう。6/2

 

横浜中華街の老舗「聘珍樓」が破産した。結局いまどきの連中は、「ちゃんとした店で、そこそこのお金を払って、ちゃんとした料理を食べる」よりも、「もっと安価で食べ放題の新興店を良しとする」からなのだろう。6/3

 

文春砲とか呼ばれていい気になっている「週刊文春」だが、同じ右翼の「週刊新潮」が、その性陰険で暗欝、何を扱っても品性下劣なのにくらべると、常に陽気で健康的な気質があって、それほど嫌いではない。6/4

 

毎日のようにミサイルを乱射して、何億円もの金を溝に捨てる代わりに、毎日の民草のパンやおかず代に当てたら、少しは独裁者への支持が増えるだろうに。6/5

 

自公維国民連合から逃げ回っていたふにゃふにゃインポ立憲が、なにをかん狂ったか内閣不信任案提出だって。これひとつとっても泉の無能と政治センス皆無が知れるわい。6/6

 

「そして一人の娘が、二番目に好意を持っている男性に向かって、もう一人の男の話をするとき、それはつまり彼女が恋をしているということなのだ」byスコット・フィッツジェラルド著「最後の大君」村上春樹訳 6/7

 

なんとまあ、「新しい資本主義」とは、玉ねぎも買えない貧乏人に、投資を勧めることだった!6/8

 

エンジェルス怒涛の14連敗!で3位のレンジャーズに追いつかれる。ロスで暴動が起きないのが不思議だ。監督だけじゃ駄目、コーチ、選手全員を即解雇して、チームを全とっかえしなきゃ、立ち直れないだろうな。6/9

 

それにしても黒田という男は、下々の民草の存在と、そのつましい暮らしぶりとは無縁なタカミで生きている阿呆莫迦傲慢野郎なんだなあ。6/10

 

あちらでは気の毒にエンゼルスが大崩壊しているが、幸いにもこちらではスワローズが勝ち続け、阿呆莫迦虚人との差が、なんと6ゲーム!になったのは愉快痛快だ。6/11

 

闘士枝野を追放したために、急速に右傾化して存在理由を失くしつつある立憲民主党。かくなるうえは解散するか、共産党に合併してもらって立憲共産党として再出発するしかないだろう。6/12

 

ウクライナ戦争が世界中の民草の食糧危機にまで影響を及ぼす一大事になってしまうとは、夢にも思わなかったなあ。これもプーチン・ピヨートル大帝の偉大なる功績なのかしら。6/13

 

またしても外国からの観光客が乱入してくるのか。いつだったか夜の銀座を覗いてみたら、無数の中国人が到るところに群れていて、「なんだ、ここは上海か」と胸糞が悪くなったが、ああいう日が近々またやって来るということなんだろうな。6/14

 

世間では早送りで映画やビデオで見るのを良くないとかいうておるようだが、碌でもない退屈な作品をのんびり2時間も見物する必要はさらさらない。すぐに見るのをやめてもいいし、3倍速、5倍速で飛ばし見れば、時間の節約になる。6/15

 

米国で銃乱射事件が相次いでいる。銃所持は西部劇以来の「己は己の武器で守る」という自立思想に拠る伝統だから、いくら民主党が文句をいうても駄目だろう。銃があれば権力に逆らい、打倒することもできる。秀吉の刀狩りに屈した民草との違いずら。6/16

 

野球のストライクとボールの順番は、やっぱりストライクをはじめに言うたほうがよい。日本はなんで阿呆莫迦米国の真似をして変えたのか。やっぱりいつまで経ってもアメリカの狗だからか。6/17

 

坂本龍一氏もガンが再発して大変だそうだが、こちらでもガンと闘っている身内がいるので他人事とは思えない。6/18

 

もういちどどこかで原発事故が起こり、電力安定供給どころか、全国が壊滅的打撃を蒙り、君も含めた大量の死者が出ない限り、原発の怖ろしさが分からないようだね。6/19

 

「わたしは詩を作り上げることができない。余りにも多くの詩人が自分の作品を余りにも意識して作り上げている。詩は詩であってはならない、とさえ言ってもいいが、詩はもっといろんなものが飛び出してくるものだ。」byチャールズ・ブコウスキー書簡集・中川五郎訳6/20

 

インテリ人種がわたしの金玉を切り落とす。私にとっての始まりはどれも(わたしにとって!!)新たな始まりなのだ。そうでなければほかにどうやって自分が生きているか死んでいるか気づけるというのか?byチャールズ・ブコウスキー書簡集・中川五郎訳6/21

 

妻と一緒に玄関前の水槽の水を入れ替える。7匹のメダカに3匹のチビメダカ、加えて無数のチビチビメダカが、綺麗になった水の中を楽しそうにスイスイ泳いでいる。6/22

 

「戦争が国家をつくる」とむかし誰かが言うておったが、ロシアも、ウクライナも、欧州も、アメリカも、そして日本までもがその定理を地でいっているようだ。6/23

 

ロシアが東部を制圧すれば、いちおうプーチンの目標は達成されたことになるので、その段階でウクライナに停戦交渉をさせようというのが欧米側の方針なのだろう。6/24

 

「けふもあつうなりそうじゃのお」、てふ尾道の老人のつぶやきが聞こえてくるような朝。6/25

 

参院選神奈川選挙区では立憲の2人が共斃れしそうだという。だから言わんこっちゃない。立憲共産党時代の方が、はるかにまともな野党だったちゅうことだ。8/26

 

なんせ800年以上昔の話だし、基本文献は悪辣非道の北条一派が好きに編集した「吾妻鏡」くらいしかないから、何をどう描きだしても、嘘かほんとか誰にも分からんということになるんだなあ。いや公凶放送の「鎌倉殿」のハナシ。6/27

 

「電力需要逼迫注意報」だと。そおゆうこともあろうかと、民草に迷惑をかけないよおに常日頃から準備しておくのが政府と電力会社の仕事だろうが。それともこいつは大日本翼賛会が大好きな緊急事態宣言の予行演習かね。6/28

 

防衛省の軍事専門家だかなんだか知らないが、そもそもプーチンの軍事侵攻の予測すらできなかった連中に、ウクライナ戦争を偉そうに語る資格はない。6/29

 

詩を学ぶ最良の手段は読んで忘れることだ。なぜなら理解できない詩が特に優れたものだとは私は思わない。殆どの詩人は守らた生活の中で限られたことしか書けなくなっている。それなら私は詩人よりもゴミ収集人や配管工、揚げ物調理人とおしゃべりする方がいい。byチャールズ・ブコウスキー書簡集・中川五郎訳6/30

 

 

  疼痛があればすなわち後遺症があるされどデータの無きが哀しき 蝶人

 

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なにゆえに第100回~西暦2022年水無月蝶人蝶人花鳥風月狂歌三昧

2022-07-02 11:54:09 | Weblog

ある晴れた日に 第690回

 

なにゆえにゲルギエフのCDが嫌になったプーチンの友と知ったその日に

 

なにゆえに観光客をどんどん入れるコロナの反撃を甘く見るな

 

なにゆにえに無神論者であることが怖くなるパスカルの「パンセ」を読んでいると

 

なにゆえに浪花千栄子の映画がみたい聘珍樓と田沼武能死せる日に

 

なにゆえにエンゼンルスずるずる9連敗その責任は大谷にもある

 

なにゆえにまたエンゼンル負けて10連敗大谷どうこうの話ではない

 

なにゆえに負けじと8発連射するそれではまるでガキの喧嘩だ

 

なにゆえに蛍が姿を消した5月の終わりに数匹見たが

 

なにゆえにマドン監督は解任された手下が酷いと名将でも勝てない

 

なにゆえに後遺症はないと通告される医学的証拠があらへんちゅうて

 

なにゆえに維新と国民を野党に数える彼奴等は野党の振りする与党

 

なにゆえに立憲は神奈川で2人も立てるそれほど共倒れしたいのか

 

なにゆえに今年は蛍が飛ばない5月の末に数匹見ただけ

 

なにゆえに藤沢近辺を行きつつ戻る小田急線は遅れてないのに

 

なにゆえにチュニジアに負ける弱い弱い弱すぎるニッポン

 

なにゆえにパイナップルを毎日食える意地悪中国が台湾産をボイコットしたから

 

なにゆえに2人に1人がガンで死ぬ大昔からそうだったのか

 

なにゆえにまだ戦争が続いている引くに引けない両国なので

 

なにゆえに植木屋さんが来ない思えば2月から待ち続けていたのに

 

なにゆえに軍事費増額を絶叫す1%未満でなんとかするんだ

 

なにゆえに野党はちりぢりばらばらなんだ仏では与党をやっつけたのに

 

なにゆえに世田谷区長選は勝利したまともな野党が連合したから

 

なにゆえにホームラン連発でも競り負ける情けないなあ大谷エンゼルス

 

なにゆえに依然植木屋から連絡がない行方不明か入院中か

 

なにゆえに自公と維新が伸びるという君らがそれを望んでいるから

 

なにゆえに天気予報に首都圏犬が出る阿呆の極地公凶放送

 

なにゆえに6月なのに40度これではメダカが死んでしまうよ

 

なにゆえにこんな猛暑にプールで泳ぐ下手をしたら死んでしまうぞ

 

なにゆえに突如梅雨が明けてしまう地球の気候は激変している

 

「なにゆえにマスクなんかをまだしている」偉そうにほざく阿呆莫迦マスコミ

 

なにゆえにEU会議なんかに参加するお前はやっぱりアメリカのポチ

 

 

  なにゆえにサハリン2にうろたえるお前がロシアに喧嘩を売った 蝶人

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西暦2022年水無月蝶人蝶人花鳥風月狂歌三昧

2022-07-01 07:32:31 | Weblog

西暦2022年水無月蝶人蝶人花鳥風月狂歌三昧

 

ある晴れた日に 第689回

 

「なんとかなるろう」その一言を胸に懐き道なき道を辿りゆくなり

 

けふもまたAIがニュースを読んでいるアナウンサーなぞ不要で不急

 

右肩の痛みは写真に現れず「後遺障害無し」との判定

 

ウクライナてふ主題をしゃぶり尽くし変奏の限りを尽くす世界のマスコ

 

頻尿の度がますます進むので歌舞音曲の2時間に堪えず

 

君知るやマイナカードとは日本人人間に装着させるマイクロチップ

 

その昔地球より重いといわれた人命も戦となれば84円

 

6時間では足らない9時間ならばほぼ語り尽くせると息子いう

 

そのかみはぶらつくだけのブラタモリ今では地学講習会となり果てる

 

ジーンズ越しに勃起した陰茎を見せつけてロバート・プラント「オーシャン」をシャウトす

 

我が民を救うと称して外つ国を攻めるは戦の常套手段

 

×と描きたるマスクをかけて「六四」の追悼公園へ行きたる君はも

 

アノオアノオと間投詞のみ聞こえ何も頭に残らない解説者

 

世の中を解釈したい人ばかりいて変えたい人はあんまりいない

 

「アルファ・ロメオに乗る奴だけは許せない」と中古フォードのナカノ君

 

東海は日本海だと決めつけてチェルノブイリはチェルノービリだとする

 

中国が輸入禁止にした台湾のパイナップルを美味しく頂く

 

公明党創価学会が取り囲む我が家ばかりは染まらずに立つ

 

県議選、市議選、国会議員選 おんなじ場所に貼られるポスター

 

県議選、市議選、国会議員選投票するのはみな公民館で

 

またしても銀座が上海と化してしまうのか中国の観光客が来て

 

戦争は映像戦争となりゆきてロシアとウクライナが激しく競う

 

アルマーニのぶかぶかスーツが闊歩した80年代は夢のまた夢

 

資本家は「タイムイズマネー!」と喚きつつ他人の時間を奪って儲ける

 

自閉症をカナー氏症候群に改めよと半世紀前から唱え続けて

 

そのときはやわらかな言葉づかいでねとミエコさんがアドバイスしている

 

とりあえず弁護士にでもなって世の中を相渉らんとする手合いを憎む

 

意味も無い言葉をペラペラ誰彼が喋り続けるミヤネ屋番組

 

朝ドラもいろいろあれど朝ドラは朝ドラらしきものであればそれでよし

 

民草の生き死にをもてあそぶなり極悪非道の大統領が 

 

「ごおしちごお」の形式だけは残るだろう短歌の中身が死んじまっても

 

 

 待っていた最後の客が乗り込んでややあってのち発車するバス 蝶人

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