あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2022年神無月蝶人映画劇場その2

2022-10-16 11:20:56 | Weblog

 

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3039~43

 

1)ジェーン・カンピオン監督の「イン・ザ・カット」

メグライアンが汚れ役に挑戦する変態的サスペンス映画。女性監督らしくをんなの臭いがそこはかとなく漂うが、なにやら桁糞悪い後味が。

 

2)グスタフ・モーラー監督の「THE GUILTY/ギルティ」

2018年のデンマーク映画。夜の警察の緊急通報室に勤務する殺人を犯したことのある男が主人公。電話の会話だけで人間関係の暗闇があばかれていく戦慄!

3)アグニェシュカ・スモチンスカ監督の「ゆれる人魚」

2015年のポーランド製のホラーファンタジーだが、ちっとも面白うないのはなぜだろう。

4)エミール・クストリッツア監督の「アンダーグラウンド」

第2次大戦からユーゴスラビア内戦までの大混乱をマルコとクロの凸凹コンビがしたたかに生き抜いていく嘘かほんとか分からぬ1995年の大河映画ずら。

 

5)ユヴァル・アドラー監督の「ベツレヘム 哀しみの凶弾」

2013年製作のイスラエル映画で、パレスチナ自治区で暗躍する双方の戦闘員の生態をあからさまにする。それしてもモサドがファタハもハマスも完全に牛耳っているからこそ、こういう政治紛争物が撮れるのだろう。

 

  地下鉄のたった一つの楽しみは地上の駅で日向ぼっこすること 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.135」

2022-10-15 08:50:56 | Weblog

西暦2022年神無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第422回

 

○仕事始め~旅行会社社長の新年のスピーチ(コロナ禍以前の幸福な時代の)

 

皆さん、明けましておめでとうございます。新年早々皆さんの元気な顔を見ることができてうれしく思います。

 

*①さて、昨年来、わが国の経済は一段と混乱低迷の度を深め、売上利益と株価は下がり、販売経費と失業率は上がる、ということできわめて前途多難な様相を呈しています。目を海外に転じれば、アメリカの景気後退と同時多発テロ、炭疽菌事件、アフガニスタンへの軍事介入、世界の航空機メーカーの赤字転落や統合合併劇など、暗い材料ばかりでして、*②さすがにふだん強気のわたしも、今年に限ってはそれゆけドンドンと太鼓を打ち鳴らすわけにもいかないようです。

 

*③昨年の売上を分析しますと、前半は海外旅行が伸びていましたが、後半は海外が急減し、逆に国内が微増し、トータルでは前年比1割のダウンという形でともかく商売の格好をつけたような1年でした。飛行機に乗って海外に出かけること自体が危険だという異常な事態がいつまでも続くとは思いませんが、海外での修学旅行やビジネス出張を控える傾向は、今年も依然として続くでしょう。

*④さて、それでは本年度の傾向と対策ですが、お客さまの視線はますます「外」から「内」に向かい、海外から国内、戸外から室内、物質的消費から精神的な満足へと急速に転換するものと予測されます。

 

かつて『コクーン』というアメリカ映画がありました。コクーンとはカイコの繭のことですが、米国のある社会学者が「コクーニング消費」ということを語っております。21世紀の消費者は繭に包まれて、限りなきやすらぎ、コクーニングを感じたいと望んでいる。来年はこの「コクーニング消費」が世界のビジネスのキーワードになるだろう、と予言していますが、わたしも同感であります。

 

*⑤旅行業界における「コクーニング消費」の端的な例としては国内温泉旅行や巨木探訪ツアーがあり、昨年も売上を伸ばしておりますが、この方向をもっともっと拡大延長すると、従来なかった斬新な旅行プランが生まれるのではないでしょうか。

 

旅に出て、失われた自己を再発見し、やすらぎと生きる力を取り戻しすこと。これこそがわが業界の最高最大の使命であり、新年度の大テーマであります。*⑥皆さん、今年は売上増に一喜一憂せず、自分自身が一消費者としてどんな「コクーンツアー」をしてみたいかをじっくり考えてみてください。そこから一緒に今年の仕事をスタートさせましょう。

 

  • スピーチのポイント

まずは前年の一般市況や業界動向について触れますが、あくまでも最後の希望と活力にみちたフィナーレに導くための前提として考えてください。

  • 緊張のなかにもユーモアを盛り込みましょう。
  • 前年度の成績を簡単に述べます。
  • ここからが本論。新年度のいわば施政方針演説に当る部分。その年、その企業ごとに内容は異なるはずですので、最新の情報と価値判断に基づいたメッセージを発信してください。
  • トップが提案した課題に対して、社員がどう対応するべきかを具体的に示します。
  • 不景気を吹き飛ばそうとする経営者の熱意と創意工夫を盛り込みましょう。

 

1時間半かけて作った夕飯をたった5分で食べてしまうの? 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三島由紀夫著「午後の曳航」を読んで

2022-10-14 15:07:34 | Weblog

照る日曇る日第1799回

1990年9月に読んだ小説を再読したが、やはり詰まらなかった。

 

三島選手の文才と筋立ては、そりゃあ若い頃からたいしたものだが、あまりにも頭が良さすぎるので、大脳前頭葉という箇所の機能を過大評価しすぎているようだ。

 

恐ろしいことに、彼氏は、森羅万象を自分の言葉であますところなく書きおおせることができると過信しているので、それが私のような読者をいらいらさせるのである。

 

すべての造形が、血の通わないデクノボウだから、それらが紙上で絡み合っても、てんで生きたモノガタリにならない。ところが彼の演劇では、見事にその逆の事態が生起するのだから、げいじゅつは摩訶不思議である。

 

もちろん小説の言葉と詩の言葉は異なるが、それを踏まえたうえで、

「午後の曳航」の数十万行も、北原白秋の

 

青いソフトにふる雪は 

過ぎしその手か、ささやきか、

 

という、たった2行に敵わない、と、おらっちはひそかに考えているんであるんであるん。

 

 遥々とスペインからやって来て100g128円で売られる豚の肩肉 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家族の肖像~親子の対話 その86

2022-10-13 10:14:27 | Weblog

ある晴れた日に 第701回

 

トシヒコちゃん、おにいちゃん?

そうだよ、ヒロユキ君のおにいちゃんだよ。

 

お父さん、「コノヤロウ」って言ってもいい?

言っちゃ駄目だよ。

 

スピード出すと、危ないよね。

そうだね、危ないね。

 

お母さん、東急、変わったでしょ?

変わったね。

 

ユウチャン、生徒会長でしょ?

そうだよ。

中学で?

そうよ。

 

横須賀、チエ先生、住んでるとこでしょう?

そうだね。

 

鎌養の生徒会長は誰だった?

そ、そんなこと言わないで。

 

相模線の八王子行き、なくなったのよ。

え、そうなの?

橋本行になったのよ。

そうなんだ。じゃあ八王子まで行くにはどうすればいいの?

橋本で乗り換えですお。

そうなんだあ。

 

「ヨムヨム」無くなりましたよ。

「ヨムヨム」って、なに?

桜が丘の本屋さんだお。

そうだねえ、なくなっちゃったね。

 

第2小学校、好きだったんですお。

そうなんだ。

 

走れ、コータロー!

 

スイカズラ、好きですお。

スイカズラ、いま花が咲いてるよ。

 

コウ君、この葉っぱは、なんですか?

オオバギボウシですお。

あったりィ。

 

ぼくは、スズキエミコとフクモトリコ、両方好きですお。

分かったよ。

 

ツッツッツ、去年から鳴っちゃたんですお。

そうなんですか。

ツッツッツ、好きなんですお。

ほんとかな?

 

あした、セイユウ行きますお。

行こうね。

 

ままならない、って、なに?

思い通りにならないことよ。

 

どうにもこうにも、って、なに?

どうしようもない、よ。

 

販売会、どういうお仕事?

むかし、ふきのとう舎で陶器なんかを売ってたのよ。

 

ロマンて、なに?

夢と希望だよ。

コウ君、ロマンある?

ないよ。

 

  投げてよし打ってよしの大谷が笑うと突然赤ちゃんになる 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西暦2022年神無月蝶人映画劇場その1

2022-10-12 11:21:35 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3034~38

 

1)フォ・ジェンチイ監督の「山の郵便配達」

郵便配達の仕事を受け継いだ息子の父親との旅を描く1999年の感動的な中国映画。山奥の少数民族の人々はいまもああいう暮らしを続けているのだろうか。

 

2)ゲラルト・カーグル監督の「アングスト」

やたらと人殺しをしたくなる殺人鬼の行状を描いた1983年のけたくその悪い猟奇映画。

 

3)クロード・ソーテ監督の「とまどい」

エマニュエル・ベアールとミシェル・セローが繰り広げる1995年のメロドラマで、「さすがソーテ!」と言いたくなるが、セローの奥さんが登場して夫を世界旅行に拉致してしまうというラストはいかがなものか。

 

4)プレストン・スタージェス監督の「モーガンズクリークの奇跡」

1944年の喜劇映画だが、酔っぱらって誰かと結婚し、妊娠までしてしまった阿呆莫迦女が6つ子を産んだというだけで万事メデタシえでたしの「奇跡」ハナシにしてしまってええのんだろうか?

 

5)トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」

脚本も演出も役者もロケ地も、小説の持つ詩味もユーモアもウィットもない。2010年の映画だが、村上選手がよくも許可したものだ。

 

      天高く馬肥えて交通情報センター松井さんの眉濃し 蝶人

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩波文庫版・南條竹則訳「アーネスト・ダウスン作品集」を読んで

2022-10-11 10:09:31 | Weblog

照る日曇る日第1798回

 

19世紀末英国のデカダン世紀末詩人、作家アーネスト・ダウスン(1867-1900)の所産を、要領よく収録した文庫本です。

 

イギリス人なのにラテン語と仏蘭西語を得意としたダウスン選手は、当時もかなりユニークな文学者だったようですが、気の毒なことに、結核と飲酒で33歳で夭折してしまいました。

 

彼のもっとも有名な詩編は、妖艶な娼婦との運命的な恋を謡った、「我は良きシナラの支配を受けし頃の我にはあらず」という長ったらしいラテン語の題名を冠した詩編で、南條選手はこの作品をなんと文語と口語で2度も翻訳されているほどですが、おらっち何回読んでもそれほど感動することが出来なかったのは誠にザンネンなことでした。私見ではこの詩人の詩よりも短編の方に詩味が感じられます。

 

それはさておき、欧州の文学的の人士の人口に広く深く膾炙したこの「シナラ」についての南條氏の解説を読んでみると、その大元はホラチウスの書簡詩から霊感を受けたダウスン選手が書き下ろした本作のようです。

 

そして例えばその遠い余波が、キング・ヴィダー監督が1932年に撮った「シナラ」という映画で、シナラ的美女のドリスによろめいて健全な夫婦生活を崩壊させて紳士の哀れな姿を描いたこの白黒映画の原作は、ロバート・ゴーア・ブラウンの手になる小説「不完全な恋人」と同名のお芝居なんだそうです。

 

鴎外の史伝小説の真似をして、このシナラ伝説をリサーチすれば、もっともっと数多くのシナラ物が、世界中の文芸、演劇、映画界で蠢いていることが判明するに違いありません。

 

    名は同じ芳香剤でも許せない芳香と許せるのとがある 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.134」

2022-10-10 17:33:23 | Weblog

西暦2022年神無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第421回

 

  • 藍綬褒章受賞祝賀会/発起人あいさつ

山田さん、そして奥様、本日は誠におめでとうございます。そして皆さま、お忙しい中を山田喜三郎氏の藍綬褒章受賞祝賀会にご出席いただきましてありがとうございます。*1

 

私は、山田さんの友人で、市内で産婦人科を開業しております医師の根岸昭雄と申します。*2

 

そもそも藍綬褒章は、教育、衛生、殖産開発などの事業を輿し、公衆の利益に功績著明な者、または公共の事務に勤勉し、労効顕著な者に与えられることになっている非常に名誉な表彰でありますが、*3

 

山田さんは、市から委託されたリサイクル計画およびリサイクルセンター建設プロジェクトの総合プロデューサーとしての貢献きわめて大、と各方面より高く評価されてこのたびの叙勲となりました。

 

山田さんのお陰で、当市のゴミの量は24%減少、資源化率は13%から32%に急上昇し、全国の最高レベルに達したのです。

 

今回の藍綬褒章ほど山田さんにふさわしい栄誉はないでしょう。山田さん、どうかこれからも健康に留意されてますますのご活躍をお祈り申し上げます。

 

  • アドバイス
    • 1古くからの友人が発起人として藍綬褒章の受賞者に祝いのスピーチを行うところである。
    • 2藍綬褒章の何たるかを知らない人たちのために発起人として若干の解説を試みるとともに、受賞のポイントと意義を説明している。
    • 3最近地方自治体が苦慮する「ゴミ戦争の勝利者」としての山田さんを大いに持ち上げる発起人。賞の具体性にこだわったスピーチの1例である。

 

    納骨を終えたばかりの妹の白い墓標に雨降りしきる 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

津野海太郎著「かれが最後に書いた本」を読んで

2022-10-09 08:46:08 | Weblog

 

照る日曇る日第1797回

 

1938年生まれの作者が新潮社の「考える人」に連載したエッセイであるが、もうすぐ死にゆく人が、すでに死んじまった数多くの人々の思い出を記憶の羽根を遠くまで伸ばし伸ばし綴った書物で、ある種の感慨なしには読めない。

 

例えば、書中の「かれが最後に書いた本」というくだりに出てくるのは2019年5月に亨年71で亡くなった加藤典洋で、彼がそれまでの重箱の隅をつつくように神経衰弱的ミニマム思考で書き綴った「敗戦後論」などの一連の思想書と決別し、もうひとりの自分に思いっきり語らせるように自らを励起しながら書いた平明な遺作の「大文字で書くこと」などが取り上げられている。

 

しかしながら、加藤が戦時中特高の主任であった父親について初めて告白した衝撃の事実は、彼の早すぎた晩年をくまどった暗欝の中核にあったのだろう。

 

ケストナーなど数多くの独逸物の翻訳を世に送った高橋健二が、戦時中はアチスの熱烈な賛美者で、なんと大戦翼賛会の文化部長を欣然と務めていたことなどを知ると、岩波から出たこやつの「飛ぶ教室」なぞ、もう二度と読んでやるもんか、とどたまに来る。

 

さはさりながら、旧知の若きドキュメンタリー作家、濱田研吾さんのダイナミックな活躍ぶりを知ると、まだまだこっちもくたばるまではぐあんばるぞお、という気持ちが盛り上がってくるのだった。

 

 

    回を追う毎に人殺しの顔になる大河ドラマの北条義時 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夢は第2の人世である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第114回 

2022-10-08 08:50:42 | Weblog

 

西暦2022年卯月蝶人酔生夢死幾百夜

 

2022年4月

巨大なシンクタンクでは、独創的なクリエーターが自由奔放なアイデアをあたりに撒き散らしていたが、それらをちゃんとビジネスに結びつける仕事は、おらっちにしかできなかったのよ。4/1

 

「社長繁盛記」の撮影現場に行ったら、予期に反して、役者も、監督も、端倪すべからざる人物ばかりだったので、驚いたずら。4/2

 

さる有力人物の葬儀に赴いたら、いきなり親族席に案内され、司会者がお城の二の丸とかレナウンの女子寮がとか、気になる挨拶をしているので、「これはどなたの葬式ですか?」と訊ねたら、変な顔をされた。4/3

 

ヨコタカで3枚の黒のジーンズを買うたのだが、社員寮には白のジーンズしか残っていないので、もしかするとヨコタカでは、黒を2枚、白を1枚買うておったのかもしれないずら。4/4

 

美学校の隣にある詩学校を窓から覗いてみたら、おらっちの幼年時代の詩「てらこの下駄」を生真面目に朗読していたので、「おいおい、そんな下らない詩を取り上げたら、頭がおかしくなるぞ」と、警告したのよ。4/5

 

戦場を激しく飛び交う広報部長のヘリに、必死で追いつこうとする広報次長ノエリだったが、地上の兵士が発射した、最新型のミサイルで、両機ともあっさり撃墜されてしまった。4/6

 

おらっちが社員寮でパンツを紛失したことが、寮長の掲示で全員に知れ渡ったのだが、パンツには、大いなる沁みが付着しているので、おらっちは、そいつが永久に出てこないことを必死で祈った。4/7

 

社の編集局長の平出が、「シニア向け新文化雑誌の編集長に、ベテランの山田を起用するつもりだが、どうだね?」とおらっちに訊ねたので、「あんな男に何か出来る。他にも人材がいるでしょう」と返答したのだが、案に相違して山田がベストセラーを連発したので、おらっち恥ずかしくなって退社したずら。4/8

 

身ひとつで悪人どもの巣窟に飛び込んで、海千山千の彼奴等の間を巧みに泳ぎ回る彼を見ていると、おらっちもぐあんばらなくッちゃ、という気持ちになっていくのだった。4/9

 

久し振りに、郷里の実家に帰って寛いでいると、離れで、きょうだい2人が、ひそひそ話をしているので、耳を澄ませて聞いていると、どうやら、おらっちの噂話をしているようだ。4/10

 

電通のヨシタケさん似のリーダーが、世間には、「モノを売るビジネス」と、「コトを売るビジネス」に加えて「シアワセを売るという第3のビジネス」があるのです。と言うたので、思わずおらっちは、「おいらは街のシアワセ売りよ」てふ唄を歌ったのよ。4/11

 

おらっちはずっと家にいて仕事をしていたのだが、いつの間にかケータイが無くなっているので、家じゅう捜索したのだが、やっぱり出てこないので、「きっとあいつは、我が家が嫌になって家出をしたんだろう」と、思ったのだった。4/12

 

「全日本富士山登山会」が、今年も全国から登山者を募集したのだが、コロナの大流行が仇となって、結局企画自体がポシャッてしまった、と、これはサイトウ会長のお話でした。4/13

 

当地でも内戦が勃発し、13番線が大混雑なので、急遽14番線からの発着に切り替えることになったので、我々駅員はその準備に大童だった。4/14

 

おらっちは、ミラノ行きのヒコーキのドアが閉まるのを、片足を入れて引きとめていた。というのも、これに乗り遅れると、今日中にベルギーに入れなくなるからだった。4/15

 

いよいよ戦争も酣になって来たせいか、タワマン毎に、外装を、自分たちが応援する国の国旗の色に塗り替えて、おのおの政治的なメッセージを発信するようになったみたい。4/16

 

聖徳太子が7人と話をしていたので、傍で聞いていたが、7人と一度に話をするのではなく、1人ずつの話を、極超高速ミサイルのような猛烈な勢いで片づけていくのだった。4/17

 

北方領土出身アーチストの彼女の今回の個展のテーマは「色丹島」で、真夏の草原に咲く橙色の、名も知れぬ花々の絵の、105通りのヴァリエーションが展示されていた。4/18

 

全米1のスケールを誇るニッポン村には、もはや本国では見られなくなった古式豊かな神社仏閣や木造住宅が、整然と立ち並んでいるので、世界中、とりわけ日本からの観光客が、群れをなして押しかけるのだった。4/19

 

NY帰りのチンケなねえちゃんが、こましゃくれた発言をするので、ぶっとばしてやったずら。4/20

 

余は、一介の観光客として訪れたその町で、日一日と、単なる路傍の生活者、へと変身していった。これすなわち、乞食になったのであーる。4/21

 

元のキャンパスがあった交差点に、30年ぶりに同級生が自転車に乗って集まり、再会をともに喜びあったのだが、なんと10人のうち2組の4人が、カップルになっていたので、いささか驚いたずら。4/22

 

ある学生が企画した「売春買春ツアー」がヒットしているようだ。これはやりたい人、やられたい人、そのどちらでもない人、の3つのグループに属しつつ、いいろいろ楽しんだり、楽しまなかったりする、2泊3日のパックらしい。4/23

 

見わたす限り地平線の彼方まで広がる草原に、たった一人煙草を吸うているオッサンがおるので、その顔をよーく眺めたら、なんと、カモカのおっちゃんだった。4/24

 

いよいよ町に敵の武装赤色電車が乗り込んできたのだが、たった2両編成で、誰も乗っていないので、どうしたらよいか、みんな戸惑っている。4/25

 

六本木の日本フォノグラムで開かれているバザール会場に入ると、ジェームズ・レヴァインのミュンヘン、ボストン時代の録音も含めた膨大な全演奏記録のCDとDVD全集が2万円で販売されていたのだが、1万円しか持ち合せが無く、泣く泣く諦めた。4/26

 

始発駅から1万5千円を使って特等席に乗ると、隣の座席に、見事な栗が鈴なりの栗の木の枝が置いてあったので、その実を食べながら、おらっちは家に帰ったのよ。4/27

 

まだ<キャシャレル>というブランドは存続しているんだが、「これまでに企画製造した製品は、ぜんぶ販売し終っているのだ」と、イデっちが言うんだが、それってホントだろうか?4/28

 

案の定、辞世の句を詠むことになってしまったが、余りにも急すぎるので「どの道も ローマヘ通じる この道を行く」しか頭に浮かばない。季語がないのが気になって仕方が無いが、どうやら時間切れのようだ。4/29

 

1の兵が最強の兵かと思っていたら、案に相違して鎧袖一触で敵に惨敗してしまった。2の兵、3の兵と次々に敗れ去ってしまったのだが、最後に登場した10の兵が意外にしぶとく、大逆転で敵の侵攻を止めて押し返した。4/30

 

雨が降ると、おらっちは、いつも大学病院の精神科の地下壕に、自転車を隠しておくように、なっていたのよ。4/30

 

 「ニッポンが一番」かどうかは分からない他国で生まれたことがないので 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会田誠著「性と芸術」を読んで

2022-10-07 09:48:56 | Weblog

照る日曇る日第1796回

 

2012年に森美術館で開催された会田誠の「天才でごめんなさい展」は、私がそれまでに見た展覧会のベストに指折られるほどの一大見世物で、とりわけ本書でテッテ的に論じられている「犬」シリーズは、これまで体感したことがないほど衝撃的なものだった。

 

確かにこの作品を児童ポルノ、少女虐待、障害者差別、性暴力礼賛、猥褻物陳列などの非芸術的観点から否定、抗議、断罪、犯罪視する「正義の味方的視点」は厳然と存在するだろう。

 

しかし私は、この作品と実際に対峙している間に、そのような余事は脳裏に一切浮かばず、その圧倒的な美しさに完全に魅了されたので、その極私的視点から本作を擁護したいと思っています。

 

昔から芸術的美は、現世の非芸術的規律、価値観と激しく対立相克してきた。

この作品もその好個の一例で、いずれ時間が解決するだろうが、絵も、そして映像も、私に言わせれば、たかが紙切れに描かれた1枚の絵、或いはデジタル画面に一瞬点滅する虚実皮膜の幻影である。

 

それを描いたのが狂人で、そこに万人を驚愕させるような反社会的、非人道的、アンチモラルで醜悪、不愉快千万な絵柄が殴り描かれていたとしても、敬して立ち去り給え。価値あるものは残り、なき物はいずれ淘汰されるであろう、というのが、いち表現の自由原理主義者の卑見ですので、良識ある多数派の皆さん、凡才でごめんなさいね。

 

著者は本作を巡って何万字を費やしてあれやこれや滔々と物語っているが、んなもん「犬」一幅の100万分の1も面白くもなく、むしろ圧倒的に面白いのは、後段の添え物の「オナニー論」だろう。

 

オナニストがその行為中に脳裏に描く幻想について、これほど精密かつ誠実に語った例は稀ではないかな。

 

   「丁寧に説明します」はよく聞くがその説明は聞いたことなし 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エリック・フェンビー著・小町碧訳「ソング・オブ・サマー 真実のディーリアス」を読んで

2022-10-05 10:48:19 | Weblog

 

照る日曇る日第1794回

フレデリック・ディーリアス(1862-1934)と言われれば、1968年に英国のBBCが製作したケン・ラッセル監督の音楽映画「ソング・オブ・サマー」を思い出す。

 

晩年のドイツ生まれの孤独で性狷介な盲目の音楽家と、彼の熱烈なファンとの「愛と介護と共同創作」の交友を描いた、その伝記ドキュメンタリー風のドラマは、いかにもディーリアス夫妻とエリク・フェンビー(1906-1997)青年らしい役者が、いかにも作曲家の竟の住処らしいフランスのグレーの庭や家の中で、いきいきと起居していて、誠に味わい深い名作であった。

 

「音楽とは魂のほとばしりなのだ。聴き手の魂に投げかけられ、すぐさま訴えかけるものだ。音楽が分かるには何度も聴かねばならないというのはまったくの戯言だ」

(p238)

「外からの影響や、定められた原理や理論から、美しい音楽は生まれない」というのがディーリアスの信念だった。(同)

 

ドラマのラストでは、ディーリアスが亡くなったばかりのディーリアス家の居間で、彼の妻と青年が、ラジオのBBC放送を聞いている。

 

訃報を伝えるアナウンサーが「では、この偉大な作曲家の死を悼んで彼の代表作をお届けします」というて、ビーチャムがロイヤル・フィルを指揮した「楽園の道」が流れてくると、夫のために絵筆を折った糟糠の妻イェルカが、ヨヨと泣き崩れる姿をみて、当時リーマン1年生のおらっちも、思わず一掬の涙を千歳烏山で溢したことだった。

 

本書にはもはや回復不能の意気消沈した老骨痩身盲目の音楽家を励まし、口述筆記でいくつもの新作を完成させた、住み込みボランティア兼セラピストの青年が見聞した、孤高の音楽家の真実の姿が、無名の若者の青春譜としてありありと刻まれている。

 

   熱烈な自公支持者に囲まれて無党派支持の我が家は孤立す 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.133」

2022-10-04 09:38:26 | Weblog

西暦2022年神無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第420回

 

  • 藍綬褒章受賞祝賀会教え子のあいさつ

 

西村先生、このたびは藍綬褒章受賞誠におめでとうございます。*1

 

いまを去る40年前に、但馬小学校にて先生の教えを受けました伊織と申します。*2

 

文化果つる辺境の地、と世間から寂しいレッテルを貼られた田舎の村の小さな分教場で、6年間にわたって西村先生の謦咳に親しく接することができたのは、私たち第34期生にとって生涯の喜びでありました。きょう改めてそのことをまず先生に感謝したいと思います。*3

 

私はクリスチャンではありませんが、新約聖書を読んでおりましたら、マタイ伝の18章にこんなエピソードが書かれておりました。

 

100匹の羊を飼っている羊飼いが、あるとき1匹の羊を見失いました。羊飼いは、たかが1匹の迷子の羊のために、残りの99匹を山に残して大捜索に乗り出し、努力の甲斐あってついに迷子の羊を発見したとき、大喜びに喜んだ、というのです。

 

迷えるもののためには危険を顧ず、勇敢に救いの手を差伸べる「よき牧者」の物語です。西村先生を思うたびに、私は、この物語に出てくるよき羊飼いのことを思い浮かべます。

 

西村先生は、両親が離婚し、家庭が崩壊し、行き所のなかった1人の級友を自宅に引き取って親代わりとなって育てられたのでありました。われわれ凡人にはなかなかできないことであります。

 

西村先生は私たち生徒とよく遊んでくれました。日曜日には、近所の里山で柿や栗を採ったり、ウサギ狩りをしたりしました。川や海で魚釣りもしました。雨の日は、先生のお宅にお邪魔して初歩の英語を教わったり、村中でたった1台だけあったオルガンを先生が弾き、みんなで唱歌の合唱を楽しみました。*4

 

個人的なことを申しあげて恐縮ですが、私が現在まがりなりにもプロのピアニストとして活動できておりますのも、その時西村先生から手ほどきされたバイエルのおかげです。

 

大勢の迷える羊を立派に導いてくださいました西村先生へのご恩は終生忘れることはできません。どうか先生、これからもお身体を大事にしていただき、いつまでもお元気で、まだまだ至らない私どもをお導きください。

 

  • アドバイス
    • 1老齢者の出席も多いだろう。受賞者と話者の関係を明確に発音してスピーチを始めること。そうしないと、それ以降のコメントの文脈が理解されにくくなる。
    • 2賞の具体性に言及せず、受賞者の人柄や面影、来歴という角度からアプローチする手法である。
    • 3聖書とシェークスピアは名文句の宝石箱である。「百匹の羊を有てる人あらんに、若しその一匹まよはば、99匹を山に遺しおき、往きて迷へるものを尋ねぬか。もし之を見出さば、誠に汝らに告ぐ、迷はぬ99匹に勝りて比の一匹を喜ばん。斯くのごとく比の小き者の1人の亡ぶるは、天にいます汝らの父の御意にあらず。」(マタイ伝18章12節)
    • 4恩師への個人的な感謝が捧げられる。
    • 5恩師の長寿、健康そして後輩へのさらなる指導が祈念される。この場合、恩師の配偶者が健在ならばここで合わせて言及する必要がある。

 

   お隣のおにいちゃんが釣ってきたキハダマグロを1週間食べたの 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すべての言葉は通り過ぎてゆく第109回

2022-10-03 16:17:41 | Weblog

 

西暦2022年長月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第407回

 

 

3日しか国会を開かず、戦後最悪の政治家を国葬にしようと妄想し、空想の軍事費をつかみ取りに供し、なーんもコロナ感染対策をせずに放置し、反社会的宗教団体関係者内閣でこの未曽有の危機を乗り切ろうとする愚か者がいるようだ。9/1

 

9月になったが、この世は闇だ。どこかにかすかでも希望の光が見えるなら、教えてほしいものだ。9/2

 

銀座のホステスのパンティを剥ぎとってそのにおいを嗅いだからって、「カマキリ先生」をクビにすることはないじゃないか。9/3

 

全国の自民党組織は、旧東一教会との癒着に拠って、辛うじて統一と団結を保っていたことが明らかになったずら。9/4

 

パンデミック前から長いこと東京はおろか鎌倉駅前にも行けてなかったが、罹った後はますます怖くなって、自宅に籠りきり。国立劇場のさよなら公演と、「リヒター展」「李禹煥展」だけはと願っていたが、無理だろう。悲しいな。9/5

 

コロナ感染なんかインフルとおんなじで死なないし、病状もたいしたことはない。などとほざいている奴らよ。んなら、おめえが罹ってみよ。熱にうなされ、夜は寝られず、買い物にも行けない。老人や独り者はもちろん、子供や家族を喰わせなければならない主婦なんかはどうしたらいいんだ。9/6

 

食い物を提供してくれるとかいう金持ちの東京都と違って、偉そうなことをほざくだけで何もしない元フジテレビアナが知事をやっているここ神奈川県では、毎朝AIがご機嫌伺いの自動電話を入れて来るだけで、医者や保健所や相談センターには何回電話しても通じたためしがない。感染者は勝手に死ねというのか。9/7

 

3種類の人々がある。すでに神を見いだして、神に仕えている人々。次にはまだ神を見出していないので、努力して神を求めている人々。第3には神を求めようともせず、見出したわけでもなく生きている人々である。パスカル「パンセ」田辺保訳 9/8

 

反社会的宗教団体である旧統一教会に関わった議員は、与野党を含めて即辞任せよ。殊にはんぱない付き合いをしていた元首相は、ただそれだけの理由でも「国葬」の資格はない。9/9

 

こっちの国葬はでっちあげの偽物で、あっちの国葬はほんまもんちゅうことが世界の人々の前であからさまになる、ちゅうことかいな。9/10

 

異国の女王が亡くなったからというて、此の国の天皇が自発的に喪に服すという心証は、おらっちには到底理解できない。世界の君主たちは、あたかも親戚のようなエリート連合を形成しているとでもいうのだろうか?9/11

 

昔から感染症対策の基本は、「検査」と「隔離」だが、この国の政権は、終始一貫してその基本を怠ってきた。それは今回の旧統一教会とのズブズブ癒着事件への対応でも同じだ。9/12

 

葉山に続いて地元の鎌倉市議会が、「安倍蚤糞の国葬を撤回せよ」という意見書を採択、無策無能の極に達した岸田首相に提出した。国葬の根拠や国会審議が無いこと、安倍業績への疑義、国家価値観の強制などを理由に挙げているが、右翼だらけの議会でよく通ったものだ。9/13

 

ゴダールが91歳で自殺した。アニエス・ヴァルダがスイス・ロールの自宅を訪ねたのに、それと知りつつ留守にしたゴダールには、少し酷薄なところがあったが、その酷薄さで長年の同志、愛人であるアンヌ=マリー・ミエヴィルに幇助を命じて絶命したのだろう。9/14

 

ゴダールの自死について朝日新聞に蓮見重彦氏が寄稿しているが、殆ど同意できない内容だった。そもそもゴ選手の最初の長編映画「A bout de souffle」を、秦早穂子氏が「「息も絶え絶え」ではなく「勝手にしやがれ」と勝手に邦訳した時点から、奇妙な誤解が始まっていると思う。3/15

 

8月には妹が帰天し、今月に入ってからはゴダールの自死に衝撃を受けたが、その後私が敬愛する唯一無二の詩人、鈴木志郎康さんの訃報に接して呆然、これまで経験したことのないような虚脱感に包まれている。3/16

 

ニッポン大好きで韓国大嫌いな右翼、ファシスト、自民党、日本会議などが、急進的な日本苛めをモットーとする旧統一教会に、長年に亘って擦り寄り、相思相愛のズブズブ関係を継続して来たのか、というと、あにはからんや、本当は彼らのすべてが「隠れマゾ反日主義者」だからである。9/17

 

台風14号。過去に経験したことがないような、数十年ぶりの暴風、高波、高潮、大雨がやって来るそうだが、ほんまかいな。8/18

 

この世には、良い戦争も、悪い戦争もなく、すべての戦争に反対であるなら、侵略戦争はもとより、民族自衛戦争にも反対しなければ、論理的一貫性を欠く。9/18

 

「日本に生まれて本当に良かった。そう思いませんか?」とその男がいうので、「そうかもしれないが、他の国に生まれたことがないので、何とも答えられませんね」と答えたら、非国民を見るような目つきをされた。9/19

 

この国では、もはや誰一人「プロレタリアートに国境はない」という言葉を覚えている人はいない。9/20

 

「30年に一度の」とか、「今までに見たこともない危険な」とか、まるで女子中学生のようにうろたえて、プロとも思えない情緒的な科白を口走り、われら民草を恫喝していた気象庁の役人どもよ。んで、台風14号は、お前らの予言通りに物凄かったんかいな?9/21

 

朝日新聞の「歌壇」が低レベルなのは周知の事実だが、こないだ終った独逸在住の作家によるエッセイみたいな連載小説も空前の酷い出来だった。夕刊では映画、美術、音楽担当の編集委員が勝手に気炎を揚げていて迷惑千万だが、土曜日の「be」に時々登場する山田洋次の「夢をつくる」だけは素晴らしい。9/22

 

単独為替介入をしても金融緩和のままなので円安が進む。今は140円くらいだが、そのうちに昔の365円になって、その頃には列島全部が外国人のものになって、日本人が辛うじて住めるのは山谷、西成、寿、被災地と安アパートの半地下だけになるのだろう。9/23

 

岸田という男は外遊するつど碌でもない発言をする。お前らのお陰で日銭の目減りが激化してその日暮らしの民草に向かって「永久に非課税にするから小額でもどんどん株や投資をしなさい」だと。まったく何を考えているんだかこのトウヘンボク。9/24

 

野党は非力だが、自公と維新、国民党がなくても、今の政権より多少はマシな政治が出来るだろう、と何度も思い直してみることでしか、政治は変わらないだろう。9/25

完全無欠の日本語。→2019年12月8日に、旗照夫が敗血症で86歳で死に、9日に石橋政嗣が老衰で95歳で死に、11日には柴田駿が「葬儀は営まない」と遺言して、漫性閉塞性肺疾患で78歳で死んだ。9/26

 

「君が何かをなしうるには」、とゲーテは言った。「まず君が、何者かにならねばならない」。

byフレデリック・ディーリアス 9/27

 

儀式には物語とお涙頂戴が必要だ。菅と安倍蚤糞との刎頸の交わりを聞かされて、「我がこと」のようにいたく感動する犬猫よりも民草たち。9/28

 

ウクライナ停戦に一筋の光が見えてきた。「プーチンの戦争なんかに駆り出されて、殺したり、殺されたりするなんて、冗談じゃない。だったら亡命するか、おらっちの指を斬るよ」という声が、束になってロシアを動かし、独裁者を葬り去ること。9/29

 

「芸術においてゆいいつ価値のあることは、それが説明できないということだ」

byジョルジュ・ブラック 9/30

 

  俺様がこの国を動かしているんだと誇大妄想する政治家多し 蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なにゆえに第103回~西暦2022年長月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2022-10-02 08:53:30 | Weblog

ある晴れた日に第700回

 

なにゆえに「諸悪の根源」を国葬にする内閣支持率が下がるは当然 蝶人

なにゆえにみな嬉しそうに喋るのかな「命にかかわる危険な暑さ」

 

なにゆえにポリ袋を持っていかないチリ紙がちょっと混じっていたから?

 

なにゆえにウクライナ戦争は終わらないもっとっとヤにならないから

 

なにゆえに療養証明書が手に入らない政府はコロナに無為無策なり

 

なにゆえに巨税浪費の酷葬やるのおれの税金返却しろよ

 

なにゆえに午後から大雨が降らないのいつものように外れる予報

 

なにゆえに「お一人様」は悲劇的 看取る者なく孤独死をする

 

なにゆえに大雨が降ると嘘を言う2日続きの天気虚報

 

なにゆえに腐敗体制は続いている人も政治も腐り果ててる

 

なにゆえに大谷選手は愛される笑えばことのほか愛らしい

 

なにゆえにアベ酷葬を取り止めない反対が賛成を上回っているのに

 

なにゆえにN響就任に「レクイエム」不吉じゃないのかファビオ・ルイージ

 

なにゆえにジャン=リュック・ゴダールは自殺したこの世の中にほとほと愛想が尽きて

 

なにゆえに不愉快になるこの映像 外国人が日本で爆買

 

なにゆえにこの頃オンエアしなくなったハズキルーペの阿呆莫迦CM

 

なにゆえにそれでも毎朝眺めている訳が分からぬ「ちむどんどん」

 

なにゆえに「国葬儀」という何がなんでも「国葬」をやるため

 

なにゆえにとんでもない台風が来襲する本気で温暖化に向きあわないから

 

なにゆえに国葬では軍服を着る英王室って軍人なんだ

 

なにゆえにホテイアオが好きなのかどんどん増えるメダカの子ども

 

なにゆえにいつまで経っても国会を開かぬ国会議員は税金泥棒

 

なにゆえに宇良はニコニコ笑ってるその1勝がとてもうれぴい

 

なにゆえに役所は反旗を翻さない酷葬に半旗を掲げるかわりに

 

なにゆえに蓮の葉っぱに水をやるコウ君は仏の生まれ変わりか

 

なにゆえに毎朝9時にバグパイプは吹かれた英国女王を起こすために

 

なにゆえに超大型台風がやって来て武道館なんぞブッ飛ばさない

 

なにゆえに不祥事即活動停止1億人が芸能人を裁く

 

なにゆえに菅の弔辞を褒めたたえる右翼と右翼のつるみ噺を

 

なにゆえに歌人は指摘しない山県有朋歌の凡庸と傲慢

 

   このたびも私の反対意見を退けて夜郎自大に国葬を行う 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西暦2022年長月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2022-10-01 08:37:03 | Weblog

ある晴れた日に 第699回

 

 

風吹けば栗の木揺れて大いなる栗の実ひとつ目の前に転がる

 

ここで打てホームランを打てと思う時ヤクルトの村上が打つ特大ホーマーム

 

山本の耀司デザインの真っ黒のユニフォームを着たが巨人は負けたり

 

全国の視聴者たちが冷ややかに眺めていますハチャメチャ朝ドラ

 

アナウンサーがさも嬉しげに発音す「命にかかわる危険な暑さ」

 

今までに見たこともない恐ろしい台風が来たと気象庁がいう

 

行政がなすべきつとめを怠りて各自が自宅で治せとほざく

 

愛らしき王女を苛めた継母も死ねば童話の世界で眠る

 

国葬の殆どを占める説教とボーイソプラノの黄色い歌声

 

お父さんの角川源義が泣いている春樹も歴彦も縄付き息子

 

元宰相が2発目の凶弾に斃れた日庭の金魚に2回餌をやる

 

いつどこで何が起こるか分からぬが奈良の都で息絶えるとは

 

この国の民主主義をめちゃくちゃに破壊せし者を国葬にする 

 

「国賊の国葬なんておかしいぞ」と国賊党の反逆児がいう

 

民主主義を破壊する政治家は殺されることもあると覚えよ

 

エリザベス女王と安倍の国葬は月とスッポンよりも差がある

 

大相撲を見るたびすぐに思うことナトリのつまみを食べたこと無し

 

「シマダさーん、生きてますかあ?」と訊ねれば「生きてますよー」微かに答う

 

GNPの2倍に当たる1千兆の財政赤字は誰の責任?

 

長男は約束通り正6時母に℡して少しは寝させた

 

桃色の芙蓉の花はことごとく首捻じ曲げて朝焼けを見る

 

バルコンに立つタリバンの指導者をミサイルで殺すバイデン大統領

 

裏庭の細き路地の突き当たり共産党支持の老女栖めり

 

余命尽き一人死に行く妹よせめて痛みの軽からんことを!

 

万策の尽きし妹はホスピスで最後の時を迎え逝きたり

 

「崇高の美」てふ言葉が浮かびたり癌で召されし妹の顔

 

師と仰ぐ志郎康さんまで去っていくこんなに悲しい夏はなかった 

 

名月や交通情報センター嬢の眉深し

 

      死に死にてなお人死にて葉月尽  蝶人

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする