サンボマスターは君に語りかける / サンボマスター (2005)
サンボマスターを最初に見たのはいつだったか。確かテレビでの特集で最近話題のバンドとして紹介されていたのを見たのだと思う。もちろんテレビで紹介されていたくらいだから、随分遅いのだろうが、お世辞にもかっこいいとは言えない3人の若者が、お世辞にも(当時)流行っているとは言い難い熱い叫びをどストレートに歌っているのが印象的だった。へー、こんな奴もいるのかとちょっと嬉しくなった。世間で言う「Jポップ」とやらはアーティストとは名ばかりの、裏方職人に作られた音楽をやっている軟弱な、流行りもの狙いばっかりで、聴くに値するバンドは本当に少なくなってしまったと思っていたのでとても気になった。
その後音源を手に入れる機会があり、愛聴とまではいかないかもしれないが、けっこう頻繁に聴いているうちにNHKでも特集されるような注目バンドとなっていった。このアルバムが彼らの歴史のどこに位置するアルバムなのかも知らないし、ヴォーカルの子の名前も未だに覚えていないが、どこか女々しい所も感じさせる叫びを馬鹿正直に熱く歌う彼らは、凡百の変な抑揚で歌うヴィジュアル・バンドや、小奇麗でオシャレなバンドよりは説得力があった。このアルバムでは意外にもソウル・ミュージック的下地をも垣間見る事が出来る。もちろん容姿とのギャップがあるからこそ注目されたという一面もあるのは間違いないが、3ピース・バンドならではの力強いシンプルさが歳いった自分には結構まぶしかったのだった。
中古店にて購入(¥300)