Introducing Joss Stone / Joss Stone (2007)
イギリス出身の歌姫ジョス・ストーン(Joss Stone)の3枚目のアルバム。16歳で衝撃的にメジャー・デビューした彼女ももう(まだ)二十歳。「イントロデューシング~」とタイトルをつける位なので、これが本当の私よ、というような意気込みがあったのだろうか。確かにデビュー作はカヴァー・アルバムだし、特長的な歌い方ではあっても、かなりクラシックなタイプの歌手としての(悪く言えば老成した)売り込み方だったので、若い本人にとっては不本意なところもあったのかもしれない。若くても操り人形ではなく、今回のアルバムも全曲にしっかりと彼女自身がコミットしているらしい。アルバム・ジャケットといい、美人ではないがキュートで溌剌とした雰囲気からの脱却を目指しているのかな。
アルバム全体に響き渡るのはドンドンと弾むようなドラムの音。これが打込みなのか生音なのかは知らないが、完全にクラブ系の仕様。いくつかの曲ならまだしも、ほぼ全曲に亘ってこのスタイルで、ゲストを含めヒップホップの要素がかなり強いので、このアルバムが2007年の彼女(あるいはプロデューサー)の好みだとしても、何年もファンに慕われ続けるかはちょっと疑問。アマゾンなどの素人評がかなり良いのが不思議。いくらソウル・シンガーだとしてもここまでアメリカナイズされると彼女の良さは埋没してしまうような気がする。実際、同じ曲でもアルバム・テイクよりもライヴの方が断然いい。もちろん収録曲の中には彼女らしい歌い方で聴かせる曲もあるが、正直じっくりと聴ける雰囲気ではない。ヒップホップよりのコラボってどうしていつも予想通りの展開になってしまうんだろう。
でもよく考えたらまだ二十歳(当時)。別に何やっても叱られる歳ではない(笑)。若くして実力のある者はこういう勝手な素人意見をわんさかと浴びせかけられるんだろうな。なぜか惹きつけられる彼女の声、すでに発売されているこの後の3枚のアルバムで何をやっているのかを聴くのが今から楽しみ(まだ聴いてません←どれだけ遅れているんだか)。日本盤にはボーナストラックが3曲付いている。
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