ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Word Of Mouth / The Kinks

2013年09月20日 | クラシック・ロック

Kinks_586

Word Of Mouth / The Kinks (1984)

アリスタから出たキンクス(The Kinks)最後のアルバム。1984年と言えば第2期ブリティッシュ・インベイジョンというMTV世代のイギリス産ポップスの黄金期でもある。そんな中、ベテラン勢は当然の事ながら音がポップ寄りに変化し、時には流行のサンプリング音であるオーケストラ・ヒットなんかを駆使して生き延びを計っていた時期。

キンクスはと言えば、オリジナル・メンバーのミック・エイボリー(Mick Avory)が脱退し、レイ(Ray Davies)のソロ・プロジェクトと被ってしまっていた時期なので、音楽的にどうかと思いきや、これぞキンクスといったメロディーで聴かせるシングル・カットされた1はヒットした。アルバム・ジャケットのいまいちさと地味な楽曲群で印象には残りにくいが、レイの作曲した曲はもちろんデイヴ(Dave Davies)の2曲4、7もらしくてなかなか良い。地味だけれど味わい深いアルバムだ。

これでボーナス・トラックの付いた1999年のリマスター・シリーズはコンプリートしたのかな。後追いで聴いていると時代と共に体に染み付く感覚がないのでどうしても思い入れが少なくなってしまうのが残念だが、当時学生だった自分にはあれもこれもと手を出す余裕はもちろんなかったし、高音質で、しかも安価に音楽が手に入る幸せは何物にも替え難い。ただ一方、自分の子供達を含め、好きになった音楽をむさぼるように聴いて探求する事のない今の若い子達の音楽への付き合い方の浅さを見ると、何でも簡単に手に入ってしまう事の不幸をしみじみと感じてしまう。もちろんこれは自責の念でもあるのだが…。

オークションにて購入(¥586)

  • CD (2010/9/23)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Universal UK

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする