勝どき駅のすぐ横にある名物立ち飲み屋。様々な伝説があり、曰く「椅子があれば某格付け三つ星」だの、某国の名シェフが来日時に立ち寄るだのと、とても面白そうなお店。以前店の前を通ったこともあるが待ち合わせの時間があり、残念ながら入ってみる事は出来なかった。この日は土曜日だったが、土曜は早く開店する事もあると調べていたので、無理やり時間を作って3時半ごろに到着。店の外から中はうかがい知れず、縄のれんだけが掛かっている。思い切って縄のれんをくぐってみると…超満員(笑)。ただ、すばやく皿が空いている人を見てとったので、わざわざ時間作って来た事もあり、少し外で待つ。こうしてまだ明るいうちにビル1階の縄のれんの前で立って待つ、というのはどうにも…かっこ悪い。目論見通り、少し経って人が出てきたので店内へ。
厨房には男性3人。客は15人位立てるだろうか。一番若いのに目配せをして店の奥に案内してもらう。立飲みカウンターの後ろはやっと人が通れる位の狭さなので、皆に通してもらいやっと場所を確保。見た所、少人数のグループや2人連れが多い。客層は50歳代中心といったところ。立ち飲みといっても安くはないので若い人には少し入り辛いかも。
メニューが書いてある黒板にはかなりクセのある読みづらい字で15、6種類のメニューが書いてある。値段は1品約¥1,000~¥2,000と立ち飲みとしては破格の高値。こういうところは何人かで来て酒肴を分け合うのが一番いいだろうが、自分はひとりなので仕方なく名物メニューの生うに牛巻きと冷や(常温)のお酒(富山の「幻の瀧」だそう)を一杯注文。生肉への規制があってからだろうが、申し訳程度に表面が炙られた霜降りの牛刺しでこぼれ落ちそうな雲丹としそが巻いてある。インパクトは充分。平静を装っていたが、心の中では「うぉー」と叫び声が(笑)。わさびと醤油で食べるが、一口でいくほかない。どちらも質は申し分なし。でも自分にはこの二つを合わせて頬張る良さはいまいち分からない。せっかくの霜降り牛刺しが口一杯に広がる雲丹の風味で埋没してしまうのだ。贅沢な話だがそれがもどかしい。
時間があれば箱すしを頼んでつまみつつ、お酒をもう少しゆっくり飲んでこの店の真髄を味わいたいところだが、残念ながらタイムアップ。この店なら連れと一緒に来て、それぞれのメニューのインパクトを共有した方が絶対楽しいだろうな。(勘定は¥2,600)
かねます
東京都中央区勝どき1-8-1