まだ忌野清志郎が存命時にブルースインターアクション社から発売されたCD付ムックの10号。副題は「RCサクセションに捧ぐ」としてRCサクセションの歴史と音楽性をメンバー、元メンバー、関係者のインタビューや記事で振り返った密度の濃い特集記事。元メンバーの破廉ケンチと清志郎が一緒にインタビューを受けているのもすごいし、ディスコグラフィーも完備して今読んでも充分に楽しめる内容だ。以前この号は購入して持っていたが、事情があって手放したので、また読みたくなって再度購入した。
なんといってもこの雑誌の素晴しいところは未発表音源を付録CDとしているところ。以前、05号「最も危険なロック」という頭脳警察と村八分の特集号でも記事にしたが、権利関係とか大変だろうに、よくクリアしたなと感心する。この号のCDの内容もすごい。初期のRC(清志郎・林小和生・破廉ケンチ)の未発表ライヴ音源だ。フォークのくくりで登場したRCがその枠に納まらず、ライヴの過激さもあってジャンルからはみ出て売れなくなったり、レコード会社や事務所から干されていた時期があるのは有名。当然その時期のライヴ音源が発売されることはなかったが、ここに初めて登場した。当時から清志郎の声は独特で、一瞬にしてステージの雰囲気を変えてしまう力を持っている事が分かる。オフィシャルでこの頃の録音テープはしっかり残っていないようで、最近発売されたオフィシャル・ブートレグでも元はカセット音源らしい(出所も同じようだ)。
自分の愛聴したRCのアナログ・レコードに「HARD FOLK SUCCESSION」というコンピ盤があったが、ここで聴けるRCはまさに、既成のロックに対するハード・ロック、既成のフォークに対して「ハード・フォーク」といった感じでやっぱり周りと違う。自分はもちろんその時代の人間ではないので、全てを網羅している訳ではないが、あの頃のフォーク、ニュー・ミュージックのヴォーカリストでここまでシャウト出来る人は果たしていたのだろうか。
1.つまらない仕事
2.ぼくとあの娘
3.忙しすぎたから
4.内気な性格
5.もっと何とかならないの?
6.ぼくの自転車のうしろに乗りなよ
オークションにて購入(¥1,118)