シングル・マン / RCサクセション (1976)
嫁:「ねえ、このアルバムって、レコードで持ってたよね」
私:「うん、持ってる」
嫁:「ん?CDでも持ってなかったっけ?」
私:「うん…、持ってる」
嫁:「え?どうしてまた買ったの?」
私:「えーっと…(汗)、これは94年再発盤で、実はボーナストラックが付いておりまして…」
嫁:「どれ……、ん?、でもこの曲…、別で持ってたよね」
私:「うん、持ってる…」
嫁:「……じゃ、どうして(怒)」
私:「えーっと…(汗)、これは数奇な運命を辿った76年の<シングルマン>というRCの名盤に、なぜか清志郎が坂本龍一とコラボした82年のシングルA・B面を強引に追加したという珍盤でして…、その…流れとか、時代を全く考えていない違和感というか…そういうものを…確認というか…何というか……」
嫁:「………(無言)」
と、ここまで完全フィクションでお送りしてきましたが(笑)、上の会話で全て言いきった感がある…そういういきさつのCDであります。まぁ、ファンなら誰しも激怒するだろうというこの盤は、ある意味RCサクセションの数あるアルバムの中でも一番の問題盤であるかもしれません。
アルバム「シングル・マン」は不幸な経緯がありつつも、今ではめでたく名盤という評価が与えられていますが、何をどうとち狂ったのか、この94年再発盤はなぜか上で記したような事になった訳です。これはキティ時代のくくりのベスト盤に、後年東芝から様々な問題で発売されなかった問題作「カバーズ」からの曲が時代を飛んで収録されているものに感じるような「違和感」をも上回る暴挙です。もちろん予想通りのひどい代物でお勧め出来ません。このフォーマットに反対する奴、ポリドールにひとりもいなかったのか。なんでも詰め込めばいいっていう訳じゃない証明ですね。それぞれは「とても良い」んですけどね。
ライナーにある、
「このCDは世界的なスタジオ・ミュージシャンを豊富に使用しておりますので安心してご利用下さい。」
という気の利いた言葉が、タワー・オブ・パワー(Tower of Power)やニューヨーク・フィル(New York Philharmonic)だけでなく、「Ryuichi Sakamoto」をも示していたとは…(笑)。
01. ファンからの贈りもの
02. 大きな春子ちゃん
03. やさしさ
04. ぼくはぼくの為に
05. レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり)
06. 夜の散歩をしないかね
07. ヒッピーに捧ぐ
08. うわの空
09. 冷たくした訳は
10. 甲州街道はもう秋なのさ
11. スローバラード
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12. い・け・な・いルージュマジック
13. 明・る・い・よ
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