名古屋から電車で約40分程という岐阜県瑞浪市。他の東濃地方の町と同様に陶磁器(美濃焼)生産で有名。自分は小さい頃に化石博物館に連れてきてもらったことがあったっけ。JR瑞浪駅の前は綺麗に整備されていて、古い建物はあまり見当たらないが、いくつか歴史ある飲食店が残っていて(参考)、そのうちのひとつがここ「加登屋食堂(かどやしょくどう)」。創業は昭和12(1937)年とのこと。こちらで出されるカツ丼は独特の「あんかけカツ丼」として有名で、通常の玉子でとじたカツ丼と違い、和風の出汁の中に玉子を溶いた餡がかかっているそう。瑞浪市全体がこのあんかけカツ丼を供しているのかどうかは分からないが、創業当時からのメニューだとのこと。まだ玉子が貴重だった時代のごちそうだったそうだ。
瑞浪駅を出るとすぐ左に、アーケードのある古いビルがある。その1階に店があり、駅からわずか1分ほどの場所。まさに駅前食堂といった風情だ。残念ながら建物は建て替えられているが、店先は昭和の香りがぷんぷん。暖簾をくぐるとテーブル席と小上がりがある。ちょうど昼時とあって、地元の方やライダーで賑わっていた。人気あるねェ。やはりカツ丼を注文している人が多いようだ。ただメニューには「カツ丼」とあるだけで、特に「あんかけ」とは書いていない。もちろん自分もそのカツ丼を注文。自分が入った後にもひっきりなしに客が入り、みんながカツ丼を注文するので、女将さんが厨房に注文を通すのも「カツ丼8つねーっ」とすごい数。
しばらくして次々と出来上がったカツ丼が配られた。とてもきれいに玉子が溶かれた餡が丼一杯にかけられている。和風出汁ベースの餡で、味も濃すぎずいい塩梅。自分は実は和風の餡があまり好みではないのだが、この味付けならOK。少し残念だったのは注文が重なったからか、餡もカツも熱々ではなかったこと。やはりこういうのは火傷しそうなくらい熱いのをハフハフ言いながら一気呵成に食べたいよね。このカツ丼、熱かったら旨かったろうに。次はもう少し落ち着いた時分に味わってみたいな。(勘定は¥700)
岐阜県瑞浪市寺河戸町1144-6
(かどや かどやしょくどう かとや かとやしょくどう 餡かけカツ丼 あんかけカツ丼 餡かけかつ丼 あんかけかつ丼 亜種 )