平日の昼どきにちょうどこの店の前を通りかかったら、店の方が暖簾を出しているところだった。普段この店の前を通るといつも行列があって入るのを躊躇していた。迷ったが、今ならとすぐに中へ。この「いば昇」は明治創業とのことだが広小路の南側(栄3丁目)にも店がある。こちら錦三(きんさん)の店は戦後の暖簾分けなのだとか。いば昇は「櫃まぶし(ひつまぶし)」の発祥の店のひとつともされている。ただメディアにいつも取り上げられるのはこちら錦三の店ばかりで、場所が近い事もあってか某口コミサイトなどでも混同している人が多いようだ。
とても雰囲気のある建物で、掃除も行き届いていて大事にされているのがよく分かる。本当は奥の庭の見える席がよかったのだが、入口から近いテーブル席に案内された。割烹着を着た給仕の女性がお茶とおしぼりを置いてくれ、品書きを眺める。最近どこへ行っても「櫃まぶし」を注文している人が多いが、自分は細かく切った鰻にはあまりそそられないので、普通の「丼」を注文してしばらくお茶を飲みつつ待った。人気店とあって続々と客が入ってきて人気の程が分かる。やはり櫃まぶしを注文している人が圧倒的に多い。庭を見たかったので無理やり手洗いを借りに奥へ。中庭を囲むように座敷とテーブル席が配置されていて、小さいが手入れもしっかりされている。同じものを食べるなら、やっぱりこっちの席の方が絶対いいなァ。
しばらくして丼が運ばれた。香の物が付いている。丼の蓋を開けると4切れ程の鰻がのっている。さすがに御時勢なのか、やや小振り。ご飯は多めに盛られている。たれは濃過ぎずいい塩梅で、かかっている量は少し多め。鰻とご飯の量のバランスはあまり好みではないが、香ばしい鰻に少し山椒の爽やかな香りを足して、あっという間に平らげた。丁寧な物腰の番頭さんにお勘定を済ませて外に出ると、もう行列が…。次はもうひとつの店の方にもぜひ行ってみよう。(勘定は¥2,050)
うなぎ いば昇
愛知県名古屋市中区錦3-13-22
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