ケース・バイ・ケース 1987~1991 / 泉谷しげる (1991)
1991年に発表された泉谷しげるのベスト・アルバム。88年のルーザー(Loser)との名盤「吠えるバラッド」から、下郎の「下郎参上」までの、ビクター在籍時のアルバムやシングルから選曲されている。アルバムからの曲もリミックスされていたり、「New Version」と称されるものになっていたりして、一応、ただの寄せ集めとは違う作りになっている(でもオリジナルと聴き比べたりはしていません)。1、8、10がリミックスされているんだけど、エンジニアはなんとLarry Alexander。ニューヨークのスタジオ「Power Station」を中心に、数々の大物アーティストのエンジニアリングを担当した凄腕だ。HPを見ると、結構日本のアーティストも手掛けたようだ。何かそういうルートというか、流行りでもあったんだろうか。おふざけの16を収録するぐらいだったらシングルB面の「肉弾列車に赤いバラ」とか「ロックンロールにゃ金かかる」を収録してくれた方がよかったのに…。
老け顔だったから気が付かなかったが、88年当時、泉谷はまだ40歳。へぇ、意外。当時はもっといっている印象だった。まぁ、自分がまだ学生だったのでそう感じたのも仕方がないが。「ジジイ達がこんなすげえロック出来るのか…」と学祭ライヴやコンサートを追っかけたりしたなァ。何しろこの頃のルーザーは圧倒的な演奏力だった(あのメンバーなら当たり前だけど)。村上”ポンタ”秀一のド迫力のドラム、何をやってもキマる仲井戸”チャボ”麗市のかっこよさ、バンマスとしても重要だった長年の相棒、吉田健のベース、U2のエッジ(The Edge)に大きく影響されたこの時期の下山淳のギター、どれを取っても逸品だった。泉谷は音程が外れようが、客にヤジられようが、グダグダになろうが、彼らをバックにして好き放題やっていればよかったのだ。とは言いつつも、泉谷は粗暴なようで気ィ使いで、サービス精神の塊だし、メンバーが強者揃いなので、いつも後ろにはかなり気を使っている様子だったが(笑)。
ブックオフにて購入(¥500)
- CD (1991/12/16)
- Disc: 1
- Label: ビクターエンタテインメント