瑞穂通の「銭屋」へ行って食事をした後に、同じ瑞穂通沿いにある近くの洋菓子屋「オランダ」へ。こちら昭和27年(1952)にカステラ屋として創業して、現在3代目だという歴史のある店。そんな店だけあって昭和の人間には懐かしいケーキがまだ残っていると知って寄ってみた。店の横の駐車場に車を入れ店内へ。手を消毒してからガラスショーケースの中を覗き込む。その目当てのケーキとは”たぬきケーキ”。かつて小さい頃にはよく見た覚えがあるが、最近は全然気にもしていなかった。何でもこの形のケーキは全国に分布しているらしいが、扱っている店はどんどん少なくなっているらしい。ただそんな昭和ノスタルジックなケーキがここのところちょっと注目されているのだそうだ。こちらにもその茶色いケーキがずらっと並んでいて、つぶらな瞳がこちらを見上げている。こちらでの名称はシンプルに「たぬき」。通常のチョコの他に”いちご”というピンク色のもあったので、妻の分と2つ購入して家に持ち帰った。
妻も久しくこのケーキを見ていなかったらしく「あー、コレコレ。」と。なんでも妻がいつも見ているテレビ番組に、最近たまたまこのケーキが登場したのだそう。グッド・タイミング。早速フォークを入れていく。土台はクッキー生地で、耳はアーモンドスライス、しっぽはナッツかな。しっかりと厚めにチョココーティングしてある。こういう顔の付いたケーキにフォークやナイフを入れるのは何となく嫌な感じだが(笑)、中はスポンジ。昔食べたことのある人は知っているだろうが、このケーキのクリームはバタークリーム。その昔、まだ生クリームが一般的でなかったころは、ほとんどのケーキはバタークリームを使っていたと思う。正直言って自分は小さい頃あまり得意ではなかった。ましてやどんどん生クリームのケーキばかりになってくると、その独特の味が余計に野暮ったく感じられて、バタークリームのケーキに当たるとがっかりしていた覚えが…。こちらの「たぬき」はそんな昔の記憶を思い起こさせることなく、風味良くとても旨い。昔のままなのか、それともバタークリーム自体が洗練されたのかは分からないが、下手な植物性ホイップクリームを使ってあるケーキなんかよりもずっと旨い。気に入った。他でも探してみようかな。(勘定は¥418/個)
愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通8-1
( 名古屋 なごや みずほどおり あらたまばし 洋菓子のオランダ オランダ洋菓子店 たぬきケーキ 絶滅危惧 昭和のケーキ 持ち帰り テイクアウト )