Past Tense - The Best Of / Sparks (2019)
ロン(Ron Mael)とラッセル(Russell Mael)のメイル兄弟が紡ぐ異色のポップ・バンド、スパークス(Sparks)。彼らの出世作、74年の「Kimono My House」は中古で買ったオリジナル盤(もちろんレコード)を持っているが、その後はポツポツと編集盤を買う程度で、彼らのオリジナル・アルバムはほとんど所有していない。ところが、2021年に彼らのドキュメンタリー映画「The Sparks Brothers」が公開され(←メインストリームでもないのに映画が作られることが既にスゴイ)、それがあまりにも面白かったので、また彼らへの興味がふつふつと湧いてきた。今回購入したのは2019年に発売された、それまでの彼らのキャリアを網羅した3枚組CD。これで彼らのキャリアを俯瞰してみよう、という次第。
先述の「Kimono My House」よりも前の作品から始まるが、もう最初から彼ら以外では造り出せないスパークス・ワールド全開。突然あのアルバムが出来た訳でなく、デビュー当初からあんなに異形なポップを演っていたのか。ラッセルの声はどう聴いたってフランス人女性(笑)だし、ロンの書く楽曲は他のどこにも無いストレンジなポップ。これが組み合わさって唯一無二の音楽が出来上がる。もちろん時代時代によって音楽性は変化しているが、そのメイン・ストリーム向きでないスタイルをずっと続けてもなお長く支持されているのは凄いことだ。彼らが50年にも渡ってずっと異端であり、しかも(特に数多のミュージシャンに)崇拝され続ける理由がここに。
ネット・ショップにて購入(¥1,330)
- Label : Bmg Rights Managemen
- ASIN : B07X7CQW19
- Disc : 3