ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

松竹大歌舞伎「ご挨拶」「双蝶々曲輪日記・引窓」「身替座禅」@岐阜市・岐阜市民会館

2024年11月18日 | 歌舞伎・文楽

松竹大歌舞伎「ご挨拶」「双蝶々曲輪日記・引窓」「身替座禅」(11月15日・岐阜市民会館大ホール)

↓ まだ巡業中の公演につき、諸々を知りたくない方はご注意下さい

 

 

 

 

 

↓ 本当に大丈夫ですか?

 

 

 

 

 

 


秋の巡業公演、岐阜市で開催された松竹大歌舞伎へ。今回は若い中村隼人が全ての幕に登場するという。テレビドラマやバラエティにも出演する若手の人気者。自分は1度観たことがあるだけかな。にもかかわらず会場は開演時に1階席がやっと半分くらい埋まる程度の相変わらずの客入り。岐阜っていつもこうなんだけれど、宣伝が行き届かないのか、そもそも岐阜の歌舞伎人気が低いのか。妻はドラマの方で知っているらしく「あんなに人気なのに…。」と呆れていた。

一幕目は中村隼人による「ご挨拶」。客席後方から登場した化粧前の隼人だが、シュッとしてもうかっこいい(笑)。客をくすぐりながら次の幕の話の筋を分かりやすく解説したり、スマホの電源を切るきっかけを作るためか撮影タイム(写真下)を設けたりする趣向も。話上手だし、愛想もいいし、イケメンだし。そりゃ女性ファンが放っておかないわな。

「双蝶々曲輪日記」の引窓は人を殺めた相撲取りが実家の実母を訪ねる場面。実子よりも養子として迎え入れた者を大事にするという当時の人間関係を絡めながら物語が進んでいく。この辺りの事情を予習していかないとこの物語の人間模様はしっかり捉えられないので歌舞伎の観劇には予習が大事。当時は許されなかったろう罪人を逃がすやり取りは、そういう時代だったはずだけに余計にジンとくる。地元岐阜県の中津川出身の笑太郎が嫁役で好演。

歌舞伎で人気の演目と言えば狂言の「花子」を題材とした「身替座禅」。何度も観ているが理屈抜きで楽しめるし、役に就く役者の個性で雰囲気が変わるので楽しい。今回は、中村隼人が浮気者の山蔭右京。イケメンだけに”優男(やさおとこ)”っぷりがぴったりで、台詞の度に客席から笑い声が上がる。奥方”山の神”を演じるのは錦之助。わざと中途半端にした化粧が醜女を強調していていい感じ(笑)。楽しい幕で終了。中村隼人が大活躍の公演だった。

 


一、ご挨拶(ごあいさつ)

中村 隼人

二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)引窓

南与兵衛後に南方十次兵衛 中村 隼人
女房お早         市川 笑三郎
平岡丹平         中村 蝶一郎
三原伝造         上村 吉太朗
母お幸          上村 吉弥
濡髪長五郎        中村 錦之助

岡村柿紅 作
三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

山蔭右京   中村 隼人
太郎冠者   市川 青虎
侍女千枝   上村 吉太朗
同 小枝   上村 折乃助
奥方玉の井  中村 錦之助


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