自分にはあまり馴染みのない愛知県一宮市の「尾張一宮駅」「名鉄一宮駅」近辺を、近代建築を探しながらバイクでウロウロしていた時に目に留まったアーケード街の大衆食堂「日の出寿し食堂」。創業は明治39年(1906)だとか。知らないとやや入り難い雰囲気もあったが、この店構えを見てしまったら入ってみたい衝動を抑えることは出来ない(笑)。店の外には「丼物・洋食物・煮魚」などと書いてあり、ショーケースの上から紙の短冊に一品料理名がたくさん書かれている。金文字の看板は今は無き堺市の「金露酒造」(※現在は「キング醸造(株)」から出ているよう)。
暖簾をくぐると、左側が厨房で、土間にテーブルが少しと小上がりの座敷。座敷の木製テーブルはかなり年季が入っている。ご家族でやっていらっしゃるのか、若い男性給仕の姿も(後継ぎかな)。勝手が分からなかったが、棚には惣菜の皿が並んでおり、ここから自由に取っていいようだ。それにご飯を付けたり、味噌汁を付けたり。テーブル席に腰を下ろすが、いわゆる卓上メニューは無く、壁に張られた紙短冊のみ。店名には「寿し」とあるが、店内に寿司らしき品書きは何もない(笑)。のんびりとした空気が流れる食堂で、客は近くの馴染み客ばかりのようだった。休日の昼間だったが、ほとんどの客が「一杯」やっていらっしゃる(羨ましい…)。何しろ総菜は豊富だし、酒の肴になるものが多いので、ちょっと一杯、なんていう風に使っている人が多そうだ。
目当てがあった訳ではなかったので迷ったが、腹減りついでに「かつ丼」を注文した(日替わりの定食もあったようだ)。外に書いてあった通り、種類は多くないが洋食もあり、チキンライスなんてのもある。しばらくして出てきたかつ丼は濃いめの味付け。いわゆるかつ煮を玉子でとじたごく普通のスタイル。かつは強めの揚げ加減で、つゆはたっぷり。あっという間にかきこんだ。小さいやかんで出されたお茶と、たくあんで一息。電車で来て、棚の煮魚の皿と酒肴を取って一杯、これに限るな、次は。(勘定は¥702)
↑ 繊維の街・一宮の駅近くにある「尾西繊維協会ビル(旧・尾西織物同業組合事務所)」(昭和8年・1933・建造)。濃い色をしたスクラッチタイルと、白い装飾枠のコントラストがかっこいい。
大衆食堂 日の出寿し食堂
愛知県一宮市本町3-4-1
( 一宮 いちのみや 日の出寿し 日乃出寿し 日乃出寿し食堂 日乃出寿司食堂 日の出寿司食堂 )
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