ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Original Punks / Iggy & The Stooges

2021年01月28日 | パンク・ニューウェーヴ

Original Punks / Iggy & The Stooges (2006)

充実した編集でよく購入している英デーモン・レコードの「Music Club」シリーズ。今回購入したのは御大イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ(Iggy & The Stooges)。とはいってもここに収録されているのはストゥージズの残滓といっていいかもしれない中途半端な時期のもの。再結成して73年に「Raw Power」を発表後、イギーのヘロイン中毒とやんちゃな行動で問題頻発、ギターのジェームス・ウィリアムソン(James Williamson)も出たり入ったりとバンドはボロボロ。ステージ活動も一応はあったそうだが、想像通り滅茶苦茶だったらしい。それでもレコーディングは行っていたようで、ここに収録されているのは1973年から75年頃に録音されたものに「Raw Power」のミックス違いなどが足されている。

ただ、じゃぁ曲も滅茶苦茶かというと、これがなかなか粒揃い。自分はこれらの音源を編集して1977年にフランスのBomp! Recordsから発表された「I'm Sick Of You」(ジャケ写真下左)のアナログを所有しているが、大好きなレコードだった。こちらのCD2枚組にはそれらの音源や、「Iggy Pop & James Williamson」名義で出されたアルバム「Kill City」(ジャケ写真下右)の曲を収録している。

 

まるでデモ・テープ(実際その程度だったかも)のような粗い出来栄えだが、パンクの連中に先んじたストゥージズらしい暴力的でハードなギターが鳴り響き、曲自体の出来もなかなか。聴き比べしていないので、上記のアルバムに収録された物と全く同じヴァージョンなのかどうかは知らず。曲毎の感触がバラバラなので、これがもう少しきちんとしたプロダクションで録音、ミックスされていたらこの空白の70年代中期のイギーの代表作になったかもしれない(→逆に綺麗になり過ぎて埋没したかもしれないが…)。正直、音のクオリティからいったらCD2枚組はキビシイけれど(笑)、イギーやパンク、ハードロック好きなら聴いてみる価値あり。この後、どういう経緯があったのか、イギーはボウイ(David Bowie)とベルリンに向かうことになる。

オークションにて購入(¥618)


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