ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Shane MacGowan (1957-2023)

2023年12月04日 | パンク・ニューウェーヴ

 

The Best Of The Pogues / The Pogues (1991)

The Rest Of The Best / The Pogues (1992)

元・ポーグス(The Pogues)のシェイン・マガウアン(Shane MacGowan、日本ではシェーン・マクゴーワン等、表記にブレ有り)が亡くなった。死因はまだ発表されていないが、以前から病気も患っていて車椅子だったのし、かなり酷い状態の姿も写真で見かけていたので正直驚きは無い。そもそも若い頃から前歯の抜けた酷い姿で、アル中でトラブル・メーカーだったし、その破滅的な言動から皆が「そうか、仕方がない…」と思っただろうことは想像に難くない。でも皆に愛されたシェイン。

自分が彼を知ったのは多分90年代の初め頃。クラッシュ(The Clash)のジョー・ストラマー(Joe Strummer)がバンドをプロデュースをしたり、ライヴで共演したから。それから上記のベスト盤(ジャケット写真上左)を購入して聴いてみた(翌年発売の続編も購入・写真上右)。以前から音楽雑誌等では注目されていたし、ある程度の知識はあったのだが、アコーディオン、バンジョーや縦笛などアイリッシュ・トラッドを大胆に取り入れたロックには正直戸惑った記憶がある。このシェイン、若い頃の姿は映画「Punk Rock Movie」に捉えられており、パンク・ロックのライヴ会場でユニオンジャック柄のジャケットを着て、唾を吐きながらポゴ・ダンスを踊っている姿を見ることが出来る(これがポゴ・ダンスの発祥だとする説も)。

彼の最大のヒットは何と言ってもカースティ・マッコール(Kirsty MacColl)と謳った「Fairytale of New York」。ニューヨークへ渡ったアイルランド移民の視点で、年老いて相手を罵りながらも愛し合う男女を描いていて、今ではクリスマス・ソングとしてこの時期になると頻繁に取り上げられる名曲。あの酔いどれが書く曲がどうしてこうも人々の琴線に触れるのかは本当はネイティヴでないと分からないのかもしれないが、特にカントリーやアイリッシュ・カントリーに造詣が深くない自分でも聴いているとグッとくる切ないメロディーがあり、特に歌も上手い訳ではないのに胸に響いてくるものがある。イギリス人、特にアイルランド人やその系統の人の心には郷愁を誘う彼の歌が深く刻まれているんだろう。あのブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)でさえ、”100年後に自分の歌は忘れられているが、シェインの歌は残っているだろう”旨の発言をしている。R.I.P.

 

 

 

  Shane MacGowan  (1957-2023)

 

 


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