Freedom / Neil Young (1989)
1989年に発売されたニール・ヤング(Neil Young)17枚目のスタジオ・アルバム。1989年というと自分はパンク、ポスト・パンクにハマっていた頃なので、少しだけクラシック・ロックと距離を置いていた頃。このアルバムもニールが人民帽みたいな帽子を被っていたのは気になっていたけれど聴いてみようとまではいかなかった。時はあの「天安門事件」の頃。自分と同じ大学に通っていた中国人留学生の知人も故郷と家族の事が心配だと心を痛めていた(Aさん、あれからどうしているだろうか…)。ただ調べてみると重要曲「Rockin' in the Free World」はこの事件が起こる前からライヴでは演奏されていたそうで、直接天安門事件を歌ったのではないとのこと。ニールはかの有名な戦車の前に立つ少年の写真と映像を見て、この曲を演奏する前にこの少年に捧げると言うようになったのだとか。
実際にアルバムとして政治的な色が濃い訳ではなく、意外とバラエティに富んだ内容。EPにて発表されていた曲も収録されているとか。故に統一感というかまとまりはあまり無いように感じる。それでも低迷していたといわれる80年代のニール・ヤングが、”Godfather Of Grunge”として若いアーティストからリスペクトを受けるようになった片鱗が、かの曲の力強い演奏と歪んだギターの音から伺える。だけれど、彼みたいに自身の立ち位置というか、ロック界での成功を既に十分に手にしているのにも関わらず、自分の好奇心や信念に正直に様々な音楽スタイルや”音”に躊躇なく飛び込んでいくアーティストも珍しい。
オークションにて購入(¥250)
- Label : Reprise / Wea
- ASIN : B000002LHM
- Disc : 1
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